真剣勝負!!!




サクラは帰り道を何故か逆走していた。
帰り道の半分のところで忘れ物に気がついたのだ。

明日は小テストがあるのに、その教科のノートを忘れてきてしまったのだ。


「早くしないと、勉強する時間が減っちゃう!」


急いで教室に戻ると誰もいなかった。
自分の机の引き出の中を見て、目当てのノートを取り出す。

「よし!」

「誰かいるのか?」

「え?」


ガラっと扉を誰かが開けた。
扉にいたのはサスケだった。

「サクラ・・?」

「サスケ君?」


この時間サスケは部活のはずだ。
サクラは帰宅部で、この時間に学校にいるのが珍しいのだ。
今日はサスケが所属しているサッカー部は休みなのだろうか?


(わ・・わ!どうしよう!サスケ君と二人っきりだ!)


言ってしまえば、サクラはサスケに片思いをしていた。
なんせ相手は、顔良し、成績良し、運動神経良しの学校一番のモテ男。
サクラも例外ではなかった。
意中の男子と放課後の教室で二人きり、緊張しないハズがない。


「どうしたんだ?お前、帰宅部だろ?」

「えっと・・・明日小テストがあるのにノート忘れてきちゃって取りにきたの!」

「サクラもか?」

「え?」

「俺もだ。」

サスケも自分の机の中からノートを取り出した。

「サスケ君も忘れる事あるんだね。」

「人間誰だってそうだろ?お前だってそうだろうが。」

「そうだね・・。サスケ君、今日部活は・・?」

「あぁ、これからだ。」

「そうなんだ。頑張ってね!」

「あぁ。」


サスケのどうでもいいような反応に、少し肩を落とす。
いや、いつもはたいして会話らしい会話なんて出来ないから、
少しでも出来た今日はいい日なのかもしれない。

サクラは前向きに考える事にした。


「なぁ・・・。」

「え?何、サスケ君?」

「勝負しないか?」

勝負とは?
一体サスケとサクラで何をするのだろうか?


「えっと・・勝負って?」

「俺たちいつもテストの成績1位2位をいつも争ってるだろ?」

サクラも同じく、サスケ同様成績は学年トップクラスなのである。
中間試験・期末試験の結果はいつもうちはか?春野かと賭け事対象になるくらいだった。


「そうだね。明日の小テスト?」

「いいや、次の中間考査。」

「私でいいの?」

「お前以外張り合うヤツいないだろ?」

「・・・あ、そうか。」


勝負は簡単、今度の中間でどっちがより高得点をとるかだ。
敗者は勝者のいう事を一つ必ず聞くという条件付きで・・・・










「・・・あんな約束してよかったのかな?」


放課後のサスケの会話に、明日の小テストどころではなくなってしまったサクラ。

『サクラが勝ったら、言う事をなんでも一つだけ聞いてやる。
 俺が勝ったら、言う事を一つ聞いてもらうぞ。』

「そんなどうしよう・・。」


まだ先の話だというのに、サクラは今から心配であった。


(まてよ?それはつまり私が勝ったら付き合ってもらうるかな?)

告白して、付き合ってもらって、それで・・・

(イヤ!!駄目だ!!!)

そういった人の心を無理矢理聞かせるのは駄目だ。
そうだ。デートしてもらおう!


「そうと決まれば!勉強勉強!」


次の日の小テストもなんなくサクラはクリアして、中間試験に備えた。



そして、テスト期間終了。



中間考査 成績発表

一位 うちはサスケ・春野サクラ 
三位 ・・・・省略


二人は同率一位だった。


テストの結果がでた放課後、教室にはサスケとサクラだけが残っていた。



「まさか、同じ満点になるとはな。」

「ハハ・・・私実をいうといつもより頑張っちゃった。」

「実は俺も・・。」

「え・・?」


まさかサスケも同じ事をしていたなんて思わなかった。
いや、そもそも勝負を仕掛けてきたのはサスケだから、負けられなかったのだろう。
そこまでしたかった理由までは分からないが・・。


「どうするか?」


結果は引き分け。


「ねぇ、サスケ君。互いが互いのお願いを一回づつ聞いてあげるのはどう?」

それならフェアだし、一回だけならいいだろうとサクラも提案した。
デートしたいと下心を持ってでた意見だったが、あっさりサスケは了承した。

「いいぜ。お前から言えよ。」

「え?いいよ!サスケ君からで!」

「いや、まずお前。」

「そんな・・あ、じゃぁ一緒にせーので言おうよ。」

「は・・・?」

「それなら私もいう。そうしよう。」


なんだかサクラに流されっぱなしだと思ったが、それもいいだろうと渋々相槌をうった。

「じゃいくよ・・。」

「おう・・。」

「せーの・・!!」


「「サスケ君!デートして下さい!!(お前が好きだ!俺と付き合え!!)」」

「え・・。」

「嘘・・・。」



両者、胸に秘めていた思いは互いに同じだった。
そんな顔を見て、サクラはクスクスと笑う。

「なんだ、結局同じ気持ちだったんだね。」

「それならなんで、デートなんだよ。」

「だって、付き合おうじゃ失礼かと思って・・。」

「悪かったな!”失礼なヤツ”で!」

「そんな事無いよ。私、サスケ君の事好きだよ。」

「ぅ・・・」

サクラに真剣な顔で言われて、サスケも何もいえなくしなってしまう。

「じゃ、俺の命令は叶った事だし、サクラのお願い聞いてやるか。」

「え・・?」

「どこ行きたい?」

「えっとね・・。」






次の休みの日、仲良くサスケとサクラがデートをしている姿が目撃された。


そんな回りくどい事しなくても、私達両思いだったんだね!
















---END---

エミリー様キリリク
サスサク又はイタサクで学園パロ

いかがでしたでしょうか?
そういわれてみれば、学園パロを書いたの初めてな気が・・・・
パラレルでファンタジーもの?みたいなものはよく書いてますが、
完全な学パロは初めてで、結構楽しかったです。

たまいつものごとく本当に駄文で申し訳ございません。
こんなのでよろしければ、受け取ってください。






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