年下の特権





「おい!刹那!どこへ行くんだ?説教はまだ終わっていないぞ!」


ロックオンの怒鳴り声が響く中、刹那は臆ともせずにその場を去った。

「まったくこの聞かん坊め!!」


ちっと舌打ちをして、刹那の後を追いかけた。
だが、刹那は逃げ足が速いのかもう姿はどこにも見つからない。


「あ、ティエリア。」

「何だ?ロックオン・ストラトス。」

「刹那見なかったか?」

「いや、見ていない。」


どうやらここへは来ていないらしい。
地上と違ってここはプトレマイオスの中、行く所は限られているが隠れんぼ状態だ。


「刹那・F・セイエイ・・また何かやったのか?」

「いや、この前のミッションの身勝手な行動に対しての説教を・・」

「俺も手伝おう。」

ティエリアが自分から積極的に、モノをいうのは初めてだった。
少し驚いたが、ロックオンはその好意を受け取った。

「サンキュ。じゃあ、俺はこっちを見てくる。」

「あぁ、分かった。」


ロックオンはティエリアのいた反対方向へ進んだ。


「・・・全く世話の焼ける。」


ティエリアも刹那を探し始めた。









「・・・そうだね。ハレルヤ・・・で・・・うん。」

人の声が聞こえた。
ロックオンの説教から逃れた刹那は暫く部屋には戻れない。
ならあまり人が来ないところにでも、暇を潰していよう。

刹那が来た場所にはもう先客がいた。


「アレルヤか?」

「え・・・・」

「あ、刹那・どうしたんだい?」


鋭い瞳とは反対に、アレルヤの言葉遣いや振る舞いは物腰の柔らかさを感じる。

「いや、別にただの散歩だ。」

「エクシアはもういいのかい?」

「あぁ、きっと今は煩いのがいるからな。」

「?」

「いや、こっちの話しだ。」

「そう・・。」


刹那はアレルヤの隣に座った。
ここなら暫くは見つからないだろう。

静かに宇宙が見渡せるこの部屋で、刹那は眠気に襲われた。
コクリコクリとしてるとアレルヤは刹那が眠たそうにしているのに気付く。

「刹那、眠いの?」

「・・・別に・・。」

「寝てていいよ。何かあったら、起こしてあげる。」

「そう・・・「あ、刹那こんなところにいた!!」

「え?」


扉を開くと、血相を変えたロックオンと、ティエリアが入ってきた。

「ロックオン、ティエリア、どうしてここに?」

「刹那を探していたんだよ。」

「し・・・」


ロックオンの声を抑えてというように、アレルヤは人差し指をたてて口元に置いた。
そして、指を下に向けた。


「げ・・・。」

「ふん・・。」


良く見ると刹那は眠っていた。


「疲れてるんだよ。静かにしてあげよう。」

アレルヤの膝を借りてあどけない寝顔を見せている。


「まったく説教はこれからってのに。」

「時間の無駄だったな。」


「今起しちゃ可哀相だよ。」



ソレにして、アレルヤの膝枕で寝ている刹那なんて羨ましいのだろう。
ロックオンもティエリアも刹那に敵意を向ける。

ふと刹那の目がうっすらと開いた。
起きるのだろうか?

チラっとロックオンとティエリアと目が合った。
そして、ニヤっと笑ってまた眠りに就いた。


((コイツ!!!))


「アレルヤ!刹那をたたき起こせ!」

「え?ロックオン駄目だよ。」

「いいや、ロックオン・ストラトスの言うとおりだ。起せ今すぐ。」

「どうしたんだい?二人とも??」


「「お前は騙されている!!」」


「え?何を言ってるんだい?」



刹那・F・セイエイ年下の特権をフルに使う。









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私の中のせっちゃんはこんな感じ。
どうも総受けにすると、勝者は刹那かハレルヤにしちゃう。
だって、刹アレって可愛いんだもん。

後ろから抱きツキとか!!
きゃ〜刹アレ萌えだ!!



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