陰に咲く花 3 「ね・・・スメラギさんとアレルヤってやっぱりそうなのかな?」 「ミスは一番アレルヤを可愛がってるからな・・。」 食堂で偶然、ロックオンとクリスティナが相席した。 二人とも共通して、アレルヤとスメラギの仲を疑っている。 そんな話を持ちかけてきたのは、クリスティナの方だった。 はやり女のほうがこういった事には詳しい。 「そうそう、俺とアレルヤが飯食ってるときにさ、ミス・スメラギが終わったら部屋にきてって。」 「で、私がアレルヤとあったのは、スメラギさんお部屋から出てきたアレルヤ。」 「何時ぐらいだ?」 「えっとね、午後一時半ぐらいかな?」 詳しくは覚えていないが、午後一時は過ぎていた。 時間的には30分以上は、アレルヤはスメラギの部屋にいたと推測される。 酒を飲んでいないとなると、個人の部屋で一体何をやっていのか気になる。 「匂うな。」 「でしょ?」 その瞬間、ロックオンとクリスティナの間で同盟が結ばれた。 アレルヤとスメラギを幸せにしよう同盟。 「と、言うわけで周りの協力もないど駄目だから!」 「俺はいいっすよ。」 「わかった・・。」 今食堂にいた、リヒティとフェルトは返事をした。 興味のない刹那は、無視してトレーを片付けて帰ってしまったが、 「俺は協力しよう。」 「「「「え?!」」」」 「なんだ?それなら邪魔してもいいんだぞ?」 まさか、返事をもらえると思っていなかった、ティエリアが快く引き受けてくれた。 明日の地球の天気はきっと雨だろう。 「ティエリア、お前が珍しいな。」 「気まぐれです。これで彼の精神が安定すれば、ミッションの成功率は高くなる。」 ミッションの成功率のためらしいが、それでも二人のためだと思い ロックオンと、クリスティナはティエリアに余計な事を言って、刺激するのをやめた。 「そう誤解し続けていてくれたら、俺には好都合だからな。」 「ティエリア、なんか言ったか?」 「いいや。俺はこれで失礼する。」 それからというもの、何かの話し合い。 みんなで集まる時には、アレルヤとスメラギは隣同士になることが多くなった。 これはロックオンとクリスティナがどうやらCBクルーに、なにか言ったらしい。 『おい、どうするよアレルヤ?』 (そんな事言われたって、僕女の子だよ) 『こいつら、お前の事本当に男と信じて疑ってないんだな。あ〜笑えるぜ?』 (ハレルヤ・・!!) 『あー、そう拗ねんなよ。悪かっって・・・。』 (もう・・・) 「アレルヤ?聞いてる?」 「え・・・」 「もう、聞いてなかったわね。」 「すみません。」 「いいわ。もう一度説明するわね。」 部屋に戻る帰り道。 アレルヤは盛大にため息をついた。 これは本格的にクルーの皆は、アレルヤとスメラギをくっつけようとヤッキになっている。 どうしたらいいものか・・・ 「困ったな・・・。」 『フリをしちまえば?そうなってしまえば、女だとバレル可能性はグっと減るぜ?』 「でも・・僕は・・・・」 『あのいけ好かない茶髪が気になるってか?』 「そんな事一言も!!」 「アレルヤ!!」 「ス・・スメラギさん。」 「アレルヤ、気付いてるわね。」 スメラギが腕を組んでいる。 組んでいるのは、スメラギが何か考えている時にするクセだ。 「クルーの皆、僕とスメラギさんの事誤解してる。」 「そうね。私は別にいいけど、アレルヤこれじゃ貴方がかわいそう・・。」 「そんな・・。」 「で、アレルヤさっきからクリスが覗いてるのわかる?」 「え?」 かすかに人の気配を感じる。 あ、いるのがみえた。 これでまた、誤解を受けるのか。 アレルヤは、さっきより憂鬱な気分になった。 「でね、考えたんだけど・・・」 「え!ちょ!!」 「アレルヤ、味方が私一人じゃ駄目だわ。増やしましょう!」 「スメラギさん!?」 アレルヤはスメラギに引っ張られて、スメラギの部屋へ連れ込まれた。 「スメラギさんたら大胆。」 クリスティナは、今の二人のやりとりをポカンと見ていた。 クリスは二人がどんな会話をしているのか、聞きたくなりスメラギの部屋のドア付近まで来た。 防音設備は整っているからなかなか聞こえないが、出てきたところをつめよれば・・ 「〜〜!!!・・いやぁぁあぁぁぁあああ!!」 「え?!」 突然聞こえた悲鳴。 スメラギの部屋からだった。 まさか、あのアレルヤがスメラギさんを?! アレルヤったら意外と大胆!? いやまてよ、今の声スメラギさんの声じゃなかった事にクリスは気付いた。 でも部屋にいる女は、間違いなくスメラギさん。 何?ラジオ?テレビ? 「クリス〜助けて!!!」 中の女性はどうやらクリスに助けを求めている。 よし、クリスは頬を叩いて、気合を入れた。 たしかスメラギさんの扉を開くパスワードはクリスは知っている。 ロックをスムーズに解除した。 「スメラギさん!!」 「「クリス!!」」 「あれ・・?」 そこでクリスがみた光景は・・ 「クリス〜助けて!!」 「クリス、アレルヤ押さえつけて!」 「えええ??!」 スメラギがアレルヤに馬乗りになって、アレルヤが涙目で抵抗してる姿だった。 クリスの予想と大幅にズレていて、拍子抜けしたがここは アレルヤよりスメラギのいう事を聞いていたほうがいいと、本能で悟りアレルヤの腕を押さえつけた。 「さぁ、観念しなさい!アレルヤ!」 「いや・・やだああ!!」 「ちょ・・アレルヤ暴れないでよ。痛い。」 「あ・・ゴメン」 そういえば、普通にアレルヤを押さえつけられる自分が不思議に思う。 アレルヤが手加減しているのか? それともスメラギさんがのッかかっているから、力が出ないのか? 「クリス〜これからいいもの見せてあげる。」 「ひ・・スメラギさんソレだけは・・」 「え・・ちょっとそれって・・。」 クリスは一人で、変な事を想像した。 (何何?もしかして?三人でえぇえ?!) 「ほら!!」 「ひゃ!!」 アレルヤの着ていたパーカーが剥かれた。 「クリス?あんた誤解してる。ややこしくなるから貴方には秘密をみせるわよ。」 「スメ・・ラギさんソレだけは・・・」 クリスが、アレルヤの腕を押さえつけているから、 スメラギは、黒のタートルを捲り上げた。 そこには、包帯とタオルが何十にも巻かれた体が姿を見せた。 「ちょ・・アレルヤ何これ?どこか悪いの?」 「違うわよ。クリス、よく見てなさい。」 「いや・・スメラギさんそれは・・」 「駄目よ。アレルヤ。誤解されるのはイヤでしょ?だから味方を増やしましょう。」 「いやぁぁあぁぁ!!」 (あれ?) それはさっき聞いた悲鳴と同じ声だった。 スメラギが襲われていると思ったが、実際襲われていたのはアレルヤの方だった。 そしてこんな高い声が、アレルヤから出るがビックリした。 「さぁ〜観念しなさい!!」 スメラギはどこから持ってきたのか、ハサミをとりだして、アレルヤの体に巻きついている 包帯とタオルを切り刻んだ。 そして今度は、クリスの絶叫が響き渡った。 「アアアア・・アレルヤ・・!!??」 「そ?クリス分かった?」 「ごめんね・・クリスティナ。騙してたわけじゃ・・」 「もう!何でもっと早く言ってくれなかったんですか?」 「「え?」」 「もう、それだったら、今度はアレルヤも誘って、着せ替え〜あはは〜」 もう既に、クリスティナの頭の中では、いろんな服に着せ替えされているアレルヤが見える。 「でもクリス、アレルヤのことは・・」 「大丈夫でうすよ。秘密にしておきます。困った事があったら、私にも言ってね。年も近いし!」 「有難う。クリスティナ。」 今日、アレルヤに心強い味方が一人増えました。 |
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