それでも構わない。





異国の地に一人で歩くのは怖いと思っていたが、慣れてしまえばそうでもない。
傷心旅行三日目、町並みを歩いて観光名所をめぐる。


アレルヤは付き合っていた男がいたが、先日振られたばかりだ。
付き合っていた男は、アレルヤではなく別の年下の女性にプロポーズをしていたのだ。


『アレルヤ、お前さんはしっかりしているし大丈夫だろ?』


優しい笑顔でアレルヤにとってもは、残酷な言葉を投げつけられた。
イヤだ。傍にいて欲しいとか言っていたら、今の未来は変わっていただろうか?



「今更考えるのはやめよう。」


次にいくお店のチェックをしているときだった。
余所見をして人とぶつかった。


「キャ!ごめんなさい。」


とっさのことだったので、つい自国の言葉で返してしまった。
現地の人じゃ通じない。もう一度ごめんなさいと言い直そうとしたときだった。


「危ねぇな。余所見なんかすんじゃねぇ。」

返ってきた言葉は、アレルヤにも馴染みのある言葉だった。
同じ国の人だったのか。ほっとしてもう一度謝ろうと顔を上げたら驚いた。

「な!!」

「え・・・」


ぶつかった相手は男だったのだが、アレルヤと瓜二つな顔だった。













「俺はハレルヤ。」

「わぁ!名前もおそろいだね!僕はアレルヤっていうんだ。」

「マジかよ・・・。」

「本当だよ。ホラ。」

アレルヤは身分証明書を見せると、確かにアレルヤと書かれてある。
ハレルヤはこんな偶然て有るんだなと、感心していた。

コレも何かの縁だろうと、アレルヤはハレルヤと行動を共にする事にした。
聞いたところ、ハレルヤは留学でこの国に訪れているそうだ。
その期間ももうすぐ終わるらしい。


名前もまるで、双子みたいに一緒で驚いた。



「で、何でお前はこんな所で一人でウロチョロしてるんだ?」

「え・・・一人旅だよ。」

「・・・女が一人旅なんて、さてはお前失恋でもしたか?」

「・・・!!」

「どうやら図星か?」


アレルヤの反応は分かりやすい。
だから、嘘をついてもすぐに相手にバレてします。
今の事も、ハレルヤにはバレバレなのだろう。
だからアレルヤは正直に話すことにした。


「そうだよ・・・、僕失恋したんだ。付き合ってた人ね、年上の大人の人でとってもカッコよかったんだ。」

「へ〜そりゃ、良かった事で・・。」

「僕の中では結構上手くいってたと思ってたんだ。でも、いきなり結婚するからって別れを言われちゃった。」



『お前さんは・・しっかりしてるからな。じゃあぁ、アレルヤ。俺はちゃんとアレルヤの事も愛していたよ。』


愛しているなら何故別れなきゃいけないの?



アレルヤのあの時のことを思い出したのか、涙があふれてきて、
話すことが出来なくなっていた。


「あ〜・・・・。その・・悪かった。いや・・泣かせたかったんじゃ・・・。」


ハレルヤはアレルヤに話をぶり返させたと、バツの悪そうな顔して慰めた。
流石にココまで泣かれるとは思ってもみなく、不幸にもここは町のど真ん中、
どう見たって周りの視線は、ハレルヤとアレルヤに注がれる。


「おい、アレルヤ泣くな。これじゃ俺が・・って俺が悪いんだけどよぉ〜。」

途切れの悪そうに、ハレルヤはしゃべるがアレルヤは未だに涙が止まりそうになかった。
それほどアレルヤの心の傷は深い。


「場所・・・帰るぞ。ここじゃ目立つ。」


ハレルヤは泣くアレルヤの背中を擦りながら、場所を移動した。



丁度、ハレルヤが一人暮らしをしているアパートの近くだったので、落ち着くまでアレルヤを部屋に入れた。
ハレルヤはアレルヤにお茶をだす。


「ゴメンネ。ハレルヤ・・。」

「気にする事ねぇよ。っくたく、お前のどこがしっかりしてるんだよ。その年上の男の目は節穴か!」

「違うよ、ハレルヤ!僕がロックオンの前では・・!!」

「要するに背伸びしすぎて、甘えん坊な女にとたれたんだろ?」

「・・・はい・・。」



アレルヤは出されたお茶を渋々飲む。
アレルヤのどこがしっかりしているのだろうか?
嘘がつけないほど分かりやすくて、正直で泣き虫で・・・。


「ま・・元気出せよ。」

ハレルヤはアレルヤをあやすように頭を撫でた。
不服そうにしているアレルヤだったが、ハレルヤの手がとても優しかったので好きにさせていた。


「ね・・・ハレルヤ。明日も会いに来ていいかな?ハレルヤさえ良ければだけど。」

「いいぜ?別に。お前こそ、どこのホテルに予約とってんだよ。」

「〜〜ホテルだよ。10057室ね。」


アレルヤは手帳のメモ部分を切り破り、ハルヤに渡した。
壁にかけてあった時計の針が気になった。
そろそろホテルに戻って、チェックインを済ませないといけない時間に迫っている。

「ハレルヤ・・僕そろそろ戻らないと・・・。」

「なぁ・・・アレルヤ。」

「何、ハレルヤ?」

「お前寂しいんだろ?いいぜ、ここに泊まっていっても・・・。」

「え・・!!」

「寂しいって顔にかいてるぜ?」



正直に言えば寂しい。
でも、今この手を取ってしまったら・・・・


「俺は構わない。お前のことが気に入った。幸い俺とお前は同じ人種だったから故郷は同じ。
 そこまで遠距離になる心配はないだろう?」


「ハレルヤ・・・。」


「お前次第だぜ?アレルヤ。」



意地悪に笑うハレルヤにアレルヤは手を伸ばした。
そうされた瞬間、ハレルヤは一気にアレルヤを自身の体に引き寄せる。

「大丈夫、お前は十分可愛いっての。」

「ハレル・・ん!!」


言葉を言い終わる前に口を塞がれた。
肉食獣が獲物を捕らえるような少し乱暴なキスだった。

すぐに舌は侵入してきて、口内を一気に犯される。
衝撃を与えないようにベッドに倒されるのが分かった。

「ん・・ふ・・ふぁ・・・。」


息をするのがやっとな濃厚な口付けに、アレルヤは息を上げる。


「おい、アレルヤ。根を上げるなんて早すぎだぜ?楽しみはこれからなのによ〜。」

「ひゃ!!」

ハレルヤは楽しそうに、アレルヤに首筋に息を吹きかける。
そんな事に気を取られているうちに、着ている物は殆ど脱がされていた。

「え・・いつの間に・・。」

「いいだろ別に、すげぇな・・この胸・・。」

「あ・・あぁ!」

アレルヤの豊満な胸を楽しむかのように、ハレルヤは両手でアレルヤの胸を揉む。
大きさのわりに、感度はよくアレルヤの艶のある声が部屋に響いた。
アレルヤのキメの細かい肌に、ハレルヤのつけた痕が残されていく。

「うつ・・はぁ・・・ハレルヤ!!」


アレルヤの蜜壷への入り口は既に潤んでいた。

「ひゃ!!」

指を一本入れると、放すものかと締め付けきた。
肉壁を刺激するとアレルヤは可愛く反応を見せる。


「アレルヤ・・・。」

ハレルヤの熱の篭った声に、アレルヤは震えた。
そんな声でさ囁かれたら溺れてしまう。



いつの間にかアレルヤの中に入ってる指が増えていた。

「ああ・・・あ!!」

「お前・・気持ちよさそうな顔してんな。」

「そんあ・・チガ・・・。」

「違わねぇだろ?ここ、こんなに濡らしてよう?」

「やん!」


一点を擦ると、大きくくねった。

「成る程、ここか。」

「や・・やぁ・・ああ!!・・やめ・・。」


アレルヤの一番感じるところを見つけたハレルヤは、そこを重点的に攻めた。
さっきの反応より、より敏感になる。


「はぁ・・やぁ・・ハレルヤ・・・。」

「アレルヤ・・・。」


ハレルヤはアレルヤの膝裏を掴み押し上げる。
広げられて、秘所は上にハレルヤからは丸見えだ。

「え・・・ヤダ!恥かしい・・・!」

「そんな気持ち今になくなる。」

「・・あ・・ああ!」


ハレルヤは自身をアレルヤの入り口に宛がい、一気に挿入した。

「あ・・・ハ・・・ハレルヤ!!」


「キツ・・アレルヤ力抜け!」

「む・・無理。」


仕方なくハレルヤは、アレルヤの力を抜かせるために他のところを攻める。
耳に首に、鎖骨。
案の定、敏感なアレルヤは感じて力が抜けた。
その瞬間をハレルヤは見逃さないように、律動を始める。


「あん!・・・はぁ・・あぁぁ!!」

腰の動きに合わせてアレルヤの声も短く切れる。


「ハレルヤ・・ハレルヤ!!」

「アレルヤ・・・。」

互いの名前を呼んで高めあう。
篭った熱に、熱い吐息。
肌の感触を感じて求め合う。

不思議だった。
会って間もない人なのに、こんなにも相手が愛しい。


まるで、生まれる前から一つだったような感覚がした。







アレルヤはその日、そのままハレルヤの部屋に泊まった。


朝、目を覚ますとハレルヤの綺麗な寝顔が間近にあった。
本当に、鏡の向こうの自分を見ているようだ。

いや、性別が違うからそこまでとはいないが・・・・



「ん・・・」


そんな事考えていたら、ハレルヤも起き出した。


「はよ・・。」

「おはよう。ハレルヤ。」


結局、帰国のギリギリまで、アレルヤはハレルヤと共に過ごしていた。


























帰国後、アレルヤを待っていたのは突然の訃報だった。
アレルヤは母子家庭だった。

アレルヤが旅行行っている間に、母親のスメラギの元夫が亡くなったのだ。


「アレルヤはお父さんの事覚えてる?」


本当に小さい頃、もの心つくくらいにアレルヤの両親は離婚した。
だから、アレルヤにあまり父親の記憶はない。

「ううん。あんまりないな。」

「じゃぁ、弟がいたのも覚えてないわね。」

「え?僕に弟なんていたの?」


初耳だった。
離婚した母に遠慮してあんまり、自分の家族がこうだったの?とかアレルヤは聞くのを伏せていたのだ。


「やっぱり覚えてないのね。双子だったのよ?貴方達・・・。」

「へ〜。」


一瞬ハレルヤの顔が浮かんだ。
まさかね・・・と考えるのをやめた。




葬式当日。
あんまり覚えていない人の葬式はハッキリいって、めんどくさい。
実の父なのにあんまり実感がなくて、アレルヤは気分転換に外の空気を吸いに行った。



向こうに人影が見えた。
その陰は見覚えのある人物だった。

ハレルヤだったからだ。



「「どうして・・・!!」」


「ハレルヤ・・!」

「アレルヤ・・!!」




「あら、アレルヤ。覚えてないなんて言いながら、会ったとたん思い出したの?」

「お母さん?」


スメラギは丁度良かったと、二人に説明した。


「貴方達覚えてる?二人は双子だったのよ?」





母親の一言で、一気に絶望に落とされた。


「たしか、アレルヤがお姉さんだったわね。」




心から愛しいと思った人は双子の弟。


心から欲しいと思った人は双子の姉。



「仲がよかったのよ。貴方達。」





それでもいい・・・僕はハレルヤが欲しい。


それでもいい・・・俺はアレルヤを愛したい。




禁忌を犯してでもいい。この恋を実らせたい。
この人を愛する事を許してください。














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罪ふたパロなハレアレでした。
いや・・・罪ふたってハレアレ♀はハマり役ですなvv

冒頭に出てきたアレルヤを振った男はロックオンにしてしまいました。
ロックオンはフェルトと結婚・・・(犯罪だ!!)
なんか私の書くハレアレは、ロックオンが絶対悪役になる。
ロックオン大好きだからこそ・・・なんてね。

私はロックオンを悪役にして、アレルヤをいじめるのが大好きらしい。

この罪ふたパロ設定
由貴→ハレルヤ
かすみ→アレルヤ
和樹→刹那
廉→ティエリア

なんかすごいカオス・・・。





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