*五年後くらい。ツナがボスに就任して間もない頃。
 骸は普通にボンゴレの霧をやっていますが、
 ボンゴレのアジトは住んでいなく、千種と犬、クロームと四人で霧専用の館があります。



告白



誰も予想はしていなかった。
六道骸といえば、わずか十五歳で数多くのファミリーを根絶やしにし、
脱獄もお手のものといった有名人だった。

骸が十五を迎えて間もない頃、ボンゴレ十代目候補を手にかけようよ戦いを挑んだが、
逆に倒され復讐者たちに捕まったのは有名な話し。

そして復讐者に捕らえられれたのにもかかわず、ボンゴレ霧の守護者に任命された。

数年後、ボンゴレの総力を挙げて骸を解放したのもマフィア関係者らは記憶に新しい。
現在骸は正式に、ボンゴレ十代目霧の守護者として任務をこなしていた。

雲の守護者と共に、ボンゴレ二強として現在でも名前を轟かせいたのだ。


だから、骸が任務で重傷を負うなんて誰も考えていなかったのだ。


今回の任務は決して簡単なものではなかった。
雲雀は現在他の任務に出ていて、骸に白羽の矢がたった。

一人で行くのは危険だからと、綱吉は複数連れて行くことを進めた。
千種と犬とクロームを連れて行くだろうと

案の定、骸は三人の 部下を連れて行った。
長年連れ添ってきた四人なら、連係プレイもお手の物だろう。
綱吉は安心していたのだ。


数日後、ちゃんと骸は帰ってきた。

千種におぶられて・・・・。



「骸・・!!!」

どうやら骸は一番危険な役割をしていたせいで、深手を負っていた。
血が止まらなく、今も綱吉の部屋でドクドクと流れ続けている。

「早く医務室に・・!!」


いそいで、医療室のベッドに寝かせて止血処置を行った。
骸は血の気が失われていて顔が真っ青だった。

止血をしただけでは駄目だ。
何か命に関わる変な攻撃を受けたのかもしれない。


「シャマルに診てもらおう。」

綱吉はシャマルを呼び出したが、肝心のシャマルは女性しか見ないかなりの偏屈者。
ボンゴレ幹部なら仕方ないと、シャマルも骸の体に触れようとした時だ。

「・・・!!僕に・・ふれ、るな!!!」


骸がシャマルを拒否したのだ。
さっきまで気を失っていたのに、シャマルが触れようとしたとたんセンサーが動いたように
目が覚めて、手を払いのけた。

一同はそんな状況に開いた口が塞がらない。

「何いってんだよ。六道骸、一応俺だってみたくもねぇ男の体みなきゃなんねぇんだよ。
 さっさと終わらせたいんだ。」

「いや・・・やめてくださ・・。」

まずは触診とお腹の辺りに手を置いた瞬間骸は暴れだした。

「あ”あ”あ”ああぁぁぁあぁぁ!!」

「おい!骸?!どうしだよ?!」


「イヤです!!僕に・・触れるな!!イヤだ!!!」


綱吉とシャマルの助手が押さえつけようとするも、骸の力が強くてビクトもしない。


はぁっと大きな溜息をついたシャマルは、傷を治す気のない患者を見ても仕方ないと
医療室から出て行ってしまった。

「あ。ちょっと待ってください!」

綱吉はシャマルを説得させようと足止めするが、肝心の骸がコレじゃ意味がなかった。

「千種・・犬。」

「なんでしょう?骸様。」


「僕たちの家に帰りましょう。こういう所には一秒たりとも長くいたくありません。」

「OKらぴょん。」


綱吉がシャマルを説得している間、千種と犬は骸を運び込んで帰ってしまった。
今頃きっとクローム辺りが、骸のベッドの用意と白湯や清潔なガーゼを準備しているはず。

「まだ止血しかしてありません。クロームに消毒させます。」

「ありがとうございます。」







霧の館に勝手に帰ってしまった骸。傷の具合は一向によくならない。
やはり、敵の攻撃を食らったときになにか特殊な術が施されていたのだろう。

ベッドの中で荒い息をする骸。


何度かシャマルに診察を受けても、診察しようとするたび暴れだす。
シャマルは怒ってもう骸の事は二度と診ないといってしまった。

骸の顔色は悪くなる一方だ。

「柿ピー、どうする?」

「どうするも何も・・・骸様は・・・。」

「アイツに頼んでみる?」

「駄目だ。それじゃ骸様のことがバレてしまう。」


骸が暴れだす理由を犬と千種、クロームは知っている。

「ね、あの人なら・・。」

「何?クローム、何かいい方法あるの?」

「骸様を守護者に任命した人なら・・。」


「行くよ!犬、クローム。」

「うん。」

「あいよ!」





体がとても気持ちのいい。
骸はさっきまでの体のダルさが嘘のようだと手を動かした。

目を気持ちよく覚ます事が出来た。
こんなの久しぶりだった。


「気分はどう?」


聞き覚えのない女の声だ。

「貴女は・・・・?」

「私?私は・・・そうね、貴女専用の医師とでもいっておきましょうか?」

おでこで熱を測られて、異常がないと女は骸が意識を取り戻した事を伝えに行った。

「「骸様!!」」

「骸しゃん!!」


三人はすぐに駆けつけてきた。


「お前達・・これは・・・?」

骸も状況判断が出来ないようだ。

「すみません。沢田家光に・・・・手配をしてもらいました。」

「ごめんさい。骸様、私達骸様が心配で・・・。」

「その・・・・骸さんのこと喋っちゃったぴょん。」


「・・・そういう事でしかたか・・・。ありがとうございます。皆。
 三人がこうして僕の為なんかに、頭を下げて・・・・。」

「骸様のためなら・・。」

「なんでもやるぴょん!」

「私も!!」


「ですが・・・そうお前達にそういつも心配かけさせる訳もいかないですね。」


「骸様・・・?」


「潮時なのかも知れませんね。」



いつも静かな霧の館に、慌しい足音が聞こえる。


「骸!!お前!!よ・・よかった!」


骸の回復が、離れたボンゴレアジトにもすぐに情報が行ったのか、
綱吉が慌てて骸の部屋に来てくれた。

「おや、ボンゴレ。」

「おやって!なんだよ!コッチはすっげぇ心配したんだぞ!シャマルさんだと暴れるし!
 お前一体どうしたんだよ!」

「その事でボンゴレ・・・・。」

「何?」

「君に話しておいた方がいいと思って、お前達席を外して頂けますか?」

三人は承知してすぐに、部屋から出て行った。


「何だよ。急に・・・。でもとにかく無事でよかった。」

綱吉は横にあった椅子に座った。
ふっと笑う骸の笑みに、一瞬ドキリとした。
いつもの骸の見せる雰囲気ではなかったからだ。


「ボスである貴方には知っておいて貰った方がいいでしょう。」

「え・・骸?」


骸は着ている服を脱ぎ始めた。
服の下からは女性の体を覗かせた。

「骸・・・お前・・・。」

「僕は、小さい頃からフォミリーの実験体だったって事はご存知ですよね?」

「え・・あ、うん。」

「僕はどうやら他の子供達達より容姿も整っていたせいか、研究員達のいいオモチャでした。」

骸の告白に、綱吉は背筋をビクっとさせる。
骸の話す内容は生半可なものじゃなからだ。


「昼は、兵器としての実験で、夜は夜の道具として・・・・・・だからでしょうか?
 男性に体を触られるのがとても怖い。あ、千種と犬は別ですよ。あの子達と他の男共を一緒にするなんて
 あの二人に失礼です。特に白衣を着ている30代以上の男は駄目はんです。医者とか研究者とかは・・・」


だから骸はシャマルに異様に反応したのだ。
その時のトラウマが発動してしまったのだ。


「千種たち以外には君にしか言ってません。が、僕の為に女医を手配するのに、
 君の父親には言ってしまったみたいですが・・。」

「え?父さんが?」


どうして自分を頼ってくれなかったんだろうと、自分はこんなに頼りないだろうか?

「違いますよ。ボンゴレ、”ボンゴレ”に弱みを見せたくなかったので・・・
 顧問外チームならまだいいだろうと、あのこ達の判断でしょね。」

「そういう事だったんだ。」


「こんな厄介者を部下に持つなんて、君もとことん苦労人の星の下に生まれましたね。」

「はは・・・もう慣れたよ。だから、ホラ、そんなに気にしないで?」

「有難うございます。ボンゴレ。」


骸は少し肩の荷が下りたような気がした。



---END---

トラウマ持ちの骸が書きたかっただけです。
骸には辛い思いをさせてしまった・・!!
ゴメンよ骸様〜!!


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