かくれんぼ 風がない。 日差しもポカポカしていて心地よかった。 公園のベンチに座っていた骸は読み途中の本を取り出す。 たまには外で、いい空気でも吸いながら読書なんてのもいいでしょう。 幸い遊んでいる子供がいる所から離れていたため、雑音には困らなかった。 外で読書をして正解だったかも知れない。 室内だと犬が煩く騒音とは日常茶飯事だったからだ。 今度からここで読書をしよう。 そう骸は決めた。 黙々と読書中だった骸の耳に、一つ聞き覚えのある声が聞こえた。 「ミードリ、ターナビクナーミモリノー〜〜」 「おや、この鳴き声は・・。」 「ムクロ!、ムクロ!」 「今は確かヒバードと呼ばれているんでしたね。」 かつては、脱獄仲間のバーズが飼っていた小鳥。 黒曜ヘルシーランドの戦いで、小鳥は雲雀に懐いてしまったのだ。 それからこの小鳥はヒバードと呼ばれて常に雲雀の傍にいる。 どうやら彼も可愛い小動物には手出しをしないようだ。 「今日は一人なんですか?」 「サンポ!サンポ!」 「クフフ・・そうですか。」 ヒバードは骸の肩に止まる。 そういえば、以前はこの小鳥もよくこやって骸の肩に止まっていた。 とても賢い鳥で人間の言葉を理解する。 「ムクロ!ムクロ!」 「何ですか?」 「アソボ!アソボ!」 「すみませんね。僕は今読書中なので・・」 「ワカッタ!ワカッタ!」 一緒に遊べないと分かると、ヒバードは肩から膝に移動した。 膝の上にちょこんと座るヒバードはとても愛らしい。 そのまま骸は膝の上にヒバードを乗せたまま、読書を始めた。 「全く、あの小鳥どこに行ったんだい?」 「〜〜!!〜〜!!」 「ん?」 一瞬、ヒバードの鳴き声が聞こえた。 その視線の先は公園だった。 「ここか・・あれ?」 視線の先にいたのは、ヒバードではなく骸だった。 ベンチに座って寝ている。 これはついてる、たたき起こして噛み殺そう。 そう思って雲雀は骸に近づいた。 熟睡しているのか、雲雀の気配に骸は気付かなかった。 「ねぇ君、起きてよ。」 「う〜ん。」 「ヒバリ!ヒバリ!」 「え・・?」 ヒバードの姿が見えないのに、ヒバードの声が聞こえる。 「ちょっとふざけてるの?骸?」 骸のイタズラだろうか? 幻聴でも見せているのだろうか? 「ヒバリ、ココ!ココ!」 「・・!!」 「う・・ん・・あ・・。」 骸から寝言がでた。 でも少しおかしい。 「ココダヨ!ココダヨ!!」 「や・・んぁ・・。」 ヒバードがしゃべると、骸が反応する。 一体どうなっているのだろうか? それに骸の声は若干艶が混じっているのは気のせいだろうか? 「ヒバリ!ヒバリ!」 「あ・・・ん・・・ぁぁ・・。」 (ワォ、なんかいたたれない気分だよ。) よく見ると、風もないのに骸のシャツが動いている。 そういえば、ヒバードの声はさっきから骸から聞こええている気がする。 これはもしかしなくても・・・・ 雲雀は骸のシャツを掴んだ。 「くひゃぁ!!!」 人に触れられる感触に、骸は目を覚ましてしまった。 「やぁ、六道。」 「・・・あ・・・雲雀・・君?」 目が空ろな骸にはまだ状況が理解できていない。 「ムクロオキタ!ムクロオキタ!」 「え・・あん!やぁ・・」 骸のシャツがモゾモゾと動いている。 胸から段々上に上がってきた。 「カクレンボ。カクレンボ。」 「きゃぁぁ!!」 「やっぱり君、六道の服の中に入り込んでたの。」 さっきから骸の反応といい、シャツが不自然に動くといいそうではないかと予想していた。 骸はびっくりして耳まで顔が赤くなっている。 「ミツカッタ。ミツカッタ。」 「もう、いつから僕の服の中に入り込んでいたんです?」 「ムクロネテタ。ネテタ。」 「はぁ・・どうやら寝てる間に忍び込まれたみたいですね。」 全くと、骸は手の上にヒバードを乗せた。 ヒバードは無邪気に、雲雀の名を呼んでいる。 「全く、ペットは飼い主に似るといいますが・・・。」 「何?僕がやましい事してるとでも言いたいの?」 「違うんですか?」 「・・・もういい、帰るよ。」 骸に背を見せて歩き出したら、ヒバードも雲雀について行く。 「ムクロ、マタナ!マタナ!」 「今度は僕の服の中に入ってはいけませんよ。」 「ヤダヤダ!」 「全く、君のせいで僕が恥かしい思いしたじゃないか。」 「オコッテル?オコッテル?」 「別にいいけど・・。」 「ヒバリ、ヒバリ。」 「何?」 「ムクロ、ヤワラカイ。ヤワラカイ。」 ヒバードの爆発発言に、ヒバリは吹きそうになったが何とか堪えた。 これでは本当に自分がムクロに、ヒバードを使って悪戯した変態みたいではないか。 「君、それを他の人にいうんじゃないよ。」 「ヒミツナ!ヒミツナ!」 「・・・そうだね。」 ついでに、めったに聞けない彼女の色っぽい声が聞けたこともナイショだ。 ---END--- ヒバード×骸(笑) いやむしろ、ヒバード+雲雀×骸でもいいとおもう。 メインはヒバードね。 骸の胸の谷間にヒバードが入り込むという話が書きたかっただけです。 その後、ヒバードは隙あれば骸の服の中に入り込み胸の谷間に潜みます。 そしてボンゴレの守護者さん達を翻弄してればいいよ♪ きっとみんな羨ましいと思ってるから(もちろん雲雀も) 10年後は骸の谷間にいるのが標準装備になってたらなおいい 雲雀さんとヒバードで骸の取り合いとかいいな・・・ |
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