蜜の味




パシャンと水の音がバスルームに響く。

お湯加減は良好。
のんびりと足を伸ばして鼻歌を歌う。

お気に入りの入浴剤を入れて、花びらを浮かべれば自分だけの空間に早変わり。



「クフフ・・・隠れていないでこちらに来たらどうです?千種・・。」

「骸様・・しかし・・。」

「僕がいいといっているんですよ。」

「分かりました。失礼します。」


骸の承諾を得ると、千種はソワソワしながらバスルームに入る。
千種の手に持っているのは、飲み物だった。

「どうして見えないところに置いて去ろうとしたのです。」

「そんな・・・・僕には・・。」

「僕がいいといっているのですから、遠慮しないで入ってきなさい。」

「はい・・・骸様。」


千種は骸に飲み物を渡す。
手元に置けるように、お盆を湯船に載せた。

「そういえば、ジャポーネでは温泉の中でお酒を飲む文化がありましたね。」

まねっこですねと骸はわらった。
ガラスの中に入った赤いザクロジュース。

一口飲んで、お盆の中に置いた。


「犬とクロームはどうしています。」

「二人はもう寝ています。」

「そうですか・・。」


骸がしゃべるまで千種は話せない。
骸の隣にただ待機している。


「フフ、こうしていると古代の王室ごっこをしてるみたいですね。」

「骸様?」

「王族の湯浴みには絶対側近や侍女がいるんです。
 気をきかせて花びらをまき、体を荒い、こうやって飲みものを持ってきたり・・・」

まさに今僕達のしているような事ですよ?


「そうですね。」



カランと氷がゆれた。
温度と湿度の高い部屋なだけに氷の溶けるスピードが速い。

「千種。」

「なんでしょうか?」

「僕が上がるまで、ずっとここにいてくださいね。」

「はい。」







そして湯船上がったら、後ろからタオルをかけてください。


響くお湯の音は骸様が湯浴みをしてるから。

お気に入りのザクロのジュースを持ってくるようにといわれたが、
中まではいる事は流石に出来ない。


骸様は気にせず入ってきていいと言った。

それでも気が引けます。


でも、貴女のその美しい姿を見れるのは自分だけだと思うと
道具の分際で優越感に浸れる。


骸様が女性だと知っているのは、
骸様自身と俺と犬にクロームだけ


誰にも見せたくはない俺たちの美しい人


「千種、タオルを持ってきてもらえますか?」

「分かりました。」


貴女の傍に入れるのなら喜んで道具となりましょう。

そうすれば、貴女の秘密の味をいつでも味合う事が出来るのだから。

俺たちの絶対的な存在の女神様

どうかずっとお傍にいさせてください。




---END---

私の中でチクムクはプラトニック
っていうか、千種は絶対骸に触れないと思う。

骸様に手を出すなんて恐れ多い!
絶対的な存在で、自分の全てである骸を崇拝しているから
絶対に手をださない!

千種は骸の騎士なの!!

そうれはそうと千種の一人称がわかりません。
結局僕と俺両方かいてしまった。どっちなんだ?
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