ただ、好きなだけだった




ただ・・・好きなだけだったんだ。
本当に好きなだけだったんだ・・・・・。

アンタの傍にいたいだけだったんだ。
声が聞けるだけで幸せだった。






「いいざまだな・・・・ククール・・・。」


湿気の多い拷問部屋

視界にはいくつモノ拷問器具が今か?今かと待っているかのようだ。
光も少ないこの部屋で、ククールとマルチェロはいつもの事のように行為をする。


マルチェロからの仕打ちをククールが耐えていると言った方が正しいかもしれない。


もう、何度このように抱かれたのかわからない。


「あぁ・・・・はぁ・・・」

ククールの事など知る由もなくマルチェロは行為を続ける。
マルチェロにとってククールとの情事は、彼を痛めつける方法の一つに過ぎない
そして、丁度いい性欲処理。


「やぁ・・!」

全裸にされ、手も戒められ抵抗も出来ないようにしている。
別にそんな事しなくたって、ククールは抵抗しないだろう。

恋焦がれている兄からの繋がりは痛みを伴いながら、嬉しさを覚える。


後ろから、前から容赦なく揺さぶられる感覚に、酔ってしまいそうだ。

「嫌がってる割には、体はいやとは言っていないぞ?」

マルチェロは嫌味な笑いをしながらククールのものを掴んだ。
「はぁ・・!う・・」
「そんなに・・・気持ちいいか?それとも痛いか?」
耳からゾクッとマルチェロの低い声が張り詰める。

「・・・!!!」

ククールが耳が弱いと知っていての事だ。
それを知ってていつも耳を攻める。
体中ゾクゾクして、なす術がない。



「こんなに濡らして・・・どうしようもない淫乱だな。お前は・・・。」
「・・・つ・・・・は・・。」



耳でささやかれてその後は、耳を舐めるのだ。
いつもの繰り返し
しかし、それは慣れることなくククールを快楽の世界へと引きずりまわす。
マルチェロもククールの反応が楽しく長い時間、音をわざとたてて繰り返す。


「いやぁ・・・・はぁ・・・んん!!」


「まだ・・・気絶するには早いぞ・・・。」


マルチェロはいつだって、ククールを気絶させるまで抱き続ける。
痛めつけて、疲れさせて、全てを奪いつくすのだ。



初めて抱かれたのは、13の時・・・・
初めてこの拷問部屋に呼ばれ、怖かったのを覚えている。

いきなり押し倒され、服を全部脱がされた。


「イヤだ!!・・・」
「うるさい。大人しくしろ!!」


それからは、痛みと苦しみの時間だった。
蕾からは鮮血が流れ出る。
もともと、受け入れる機能ではない場所に無理やりいれるのだ。
痛み以外の何ものでもない。



その夜から、次の日は体中痛くて体を動かせなかった。

他の騎士団員からは、嫌な視線が飛び、散々だった。




そう、あれからだ。
あれからマルチェロはククールを抱くようになったのだ。


もう、すっかり慣れてしまった体は、逆に快感を得ることさえ覚えてしまった。
そして、自分の中にある女々しい感情さえ芽生えてしまった。





「どうした?気持ちよすぎて昇天しそうか?」

それからの行為は、マルチェロの言葉攻めだった。


何か反応があれば嫌味の一つが飛ぶ


それでもいい
マルチェロに突かれながらククールは自分の欲に正直になっていた。


「マル・・チェロ・・・。」



意識がおぼろげになりながらククールは名前を呼んだ。




マルチェロはそのククールの行動が気に入らなかったのか、ククールの両足首を掴み上に上げ高い位置でとめた。

「何・・・?」
「・・・いやらしい格好だな。丸見えだ。」
「いや・・・放せ・・・。」

恥ずかしい格好をさせられ、羞恥心が我慢しきれない。

「今に、そんな恥ずかしい気持ちすぐ消える。」

マルチェロの動きが激しくなった。


「いや!!・・・はぁ・・・あん!!」
「そんなに大声を上げたら・・・誰かに・・・聞かれてしまうぞ・・・。」
今は夜中
就寝時間だ。

マルチェロの激しい動きに、ククールの声が一段と高くなった。
地下ともいえども、人はいる。
誰かに聞こえたら・・・・


「こんな姿、誰かに見られたら・・・傑作だな・・・。」
「やだ!!やめ・・・あぁぁ・・・」
怖い笑いを作りながら、無言で続ける。

マルチェロもそろそろ限界に近いようだ。



「・・・・」

「や・・・っつ・・」






「・・・出すぞ・・・」

「え・・あ・・・!!」




「・・・・っつ・・・・」










その後すぐマルチェロは達した。
ククールの中に白いものが注ぎ込まれる。





















二人とも息が荒い
ククールは体をぐったりさせて、横になっている。





マルチェロは素早く、乱れた衣服を整えてまるで何事もなかったかのように去って行った。
別に、いつものことだ。
驚くつもりもない。


ククールは余韻が残る体を起こし、己の体を見る。
体中に散らばる血痕・・・



それを見て喜んでる自分が居る。



マルチェロに抱かれるのが嬉しいのだ。
好きだから・・・・・


マルチェロに触れられる唯一の儀式なのだ。


近くで声が聞ける。顔を見れる。
これ以上の幸せなんてない。





好きだから何をされてもかまわないとは言うけれど、本当にそうなんだ。
改めて実感する。

































「・・・・お前は・・・本当にいやらしい体をしているな・・。」

「あん・・・ん・・」


マルチェロのことが好きなんだ。

「まるで女だな・・・全く・・・!」


またいつものように揺さぶられ、攻め立てられる。
それが嬉しくて堪らない

「はぁ!!・・・あぁ・・・あ・・・・・・」







「お前は俺を飽きさせない。」



飽きさせはしない・・・・・
アンタは俺のものだ。



本当ならずっと繋がっていたい


このまま溶け合ってしまいたい・・・・・・・・・・・

















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ついにやってしまいました。
ちょっと短めかな・・・

でも、そんなにエロクナイ
ネタの神様が降臨してくれないのです。
ククールの初めの相手はマル様を希望しています。
ククールは「貴方が望むなら何をされてもいいわ」的な感じで・・・・

ククールはマル様のこと好きで堪らないのだけど
マルチェロは憎くて仕方がない
そんな二人が素敵なのです。






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