無垢なる感情 後編 頭が朦朧としている。 記憶になるのは、眉間に皺をよせたティエリアの顔。 そのあと、すぐに皺はくづれ泣いていた。 何で、泣いているの?僕なにかした? 僕ティエリアの事好きだから泣かないで? 目が覚めたら体は鉛の様に重たかった。 腰がダルイ。腰以外にも、下半身が悲鳴を上げている。 横ではティエリアが綺麗な寝顔を見せていた。 アレルヤは一体自分が、ティエリアと何をしていたのか・・・セックスだ。 経験がないから分からなかったけど、脳裏をよぎった単語はセックスだった。 でも、これって好きな人同士がやるって・・ そうだ、アレルヤはティエリが好きだ。 それは今更訂正する気もない、刹那もロックオンも好きだ。 そしえティエリアもアエルヤの事も好きと言った。 だからか・・だからいいのだ。 アレルヤは、体がだるかった為もう少し寝ることにした。 幸いまだ、ティエリアはまだ起きていない。 もう少し、ベッドに寝かせてもらおう。 ロックオンと刹那が地上カラのミッションに戻ってきた。 一週間ぶりだった。 「お帰り、ロックオン・刹那。」 「あぁ・・。」 「アレルヤ!久しぶり、お土産だ。」 刹那はぶっきらぼうに返事をすると、さっさと自分の部屋に戻っていった。 ロックオンはアレルヤにお土産といって、本を買って来てくれた。 それはアレルヤの好きな作家の、最新刊だった。 「ありがとうございます。ロックオン。」 「丁度、買い物も頼まれていたしな。そういえば、ティエリアは?」 「ティエリアなら、今ヴェーダのところですよ。さっき行くって言ってましたから。」 「なんだ?オレのいない間に随分と仲良くなっちまって。」 「そんな事ないですよ。」 ティエリアはわざわざ自分の行動予定を人になんていわない。 ミッション以外他人と触れ合うことに、興味を示さない。 それが、ティエリア・アーデという人間かとおもったが、 だんだん、慣れてきたのか少し丸くでもなったのだろうか? 「いや、それだけでもすごいって!」 「今日はティエリアの部屋で朝食を食べたんですよ?」 「え・・・?」 ロックオンは何気ないアレルヤの発言に、眉をひそめた。 今アレルヤはなんと言った? ティエリアと一緒に朝食をとった? 「な・・・なぁ、それは朝待ち合わせをしたのか?それとも・・。」 「えっとティエリアの部屋に止まって、せっかくだからティエリア・・・ ガンと大きな音がした。 ロックオンが、アレルヤを廊下の壁にたたきつけた。 宇宙空間だというのに、重力を感じさせる程だった。 「ちょ・・痛いよ。ロックオン。」 「お前さん・・よくそんな事堂々といえるな?」 「どうしたの?ロックオン・・。」 「ティエリアが好きなのか?」 「え・・?」 そうなのかといわれ、アレルヤは首を縦に振った。 そうしたら、ロックオンはアレルヤから腕を放した。 「何でもっと早く言ってくれなかったんだよ。俺は惨めじゃねぇか?」 「ロックオン?」 「お前さんと、ティエリアが付き合ってるなら、別にオレの事なんてな・・」 「僕はロックオンも好きですよ。」 シレっと当たり前の用に、アレルヤは答えた。 それはなんだ?シーソーゲームか? 古き言葉で例えるならば、両天秤なのか? 「アレルヤ・・・?」 本気で言っているのか? アレルヤが嘘をつつような人ではない。 その首筋に、情事の痕が見えるのを残して言う台詞には冗談がきつすぎる。 「アレルヤ?オレをからかうのもいい加減に・・」 「ティエリアもいいましたけど、僕は皆好きですよ。 ロックオン、ティエリアに刹那。プトレマイオスのクルーの皆も・・。」 無邪気に笑うアレルヤ。 違うこの子は”スキ”を履き違えている。 「ティエリアはなんていった?」 「それでいいって、分からないならそれでいいって、僕ちゃんと分かってるのに」 「いや、アレルヤ・・お前さんわかってない。」 「分かってるよ。だからこういった事は好きな人しかしない。これでいいんでしょ?」 「・・・・!!」 あぁ、違う。違うんだアレルヤ。 ソレは、好意であって、愛じゃない。 アレルヤ、お前の好きは好意であって、俺やティエリアの好きは愛なんだ。 どうしたら分かってくれる? 「ロックオン・・。」 「なんだい?アレルヤ・・。」 「貴方も同じ、ティアエリアと同じように、泣くんですね。」 「え・・・・?」 「どうして泣いてるんですか?僕には分かりません。」 あぁ・・そうだな。 俺だって知りたい。この涙のわけを。 だが、お前はもっと分からないだろうよ。 頼むから、そんな無垢な瞳で見ないでくれ。 愛を知らないこの哀れな子に、どうやって教えたらいいのか分からないんだよ。 ----------------------END---------------------- 愛というものを知らないアレルヤが書きたかっただけです。 中途半端ですみません。 アレルヤが痛すぎて、ティエリアとロックオンがどうしたらいいか分からなくて 泣いてしまうというのを入れたら、こんなメチャクチャな展開になってしまった。 |
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