王宮のメヌエット    5






鼻歌交じりに政庁の廊下を歩く。
周りから見れば、もう17になる少年が鼻歌なんて恥かしいのだが、可愛らしい面影をもつスザクからみばば
セーフにはいってしまうのだろうか?


「どうした?スザク。随分とご機嫌だな。」

「あ、只今ルルーシュ。ちょっとね、学校でいい事あったんだ。」

「そうか、で?」

「うん、生徒会でね・・・。」


スザクはさっきシャーリーとの会話をルルーシュに話した。
己の主人が、こうやって人に上に立つべき人物だと、褒められるのは従者としては幸福極まりない。


「お前・・・それを素直に言ったのか?」

「まさか?僕はルルーシュの騎士だなんて、一言もいってないよ。」

「それならいいんだが・・・。そうか、シャーリー・フェネットか・・。」


「そういえば、シャーリーのお父さんて、バトレー将軍の直属の部下だよね?」

「ああ。確かクロヴィス兄上が調べている遺跡調査の第一人者ときいているが・・。」

「・・・詳しいね。」

「そんなの副総督として常識だ!!」

「本当に?」

「くどい!!」

「ま、いいけどね。」

「そもそも、スザクお前はやく着替えて来い!!」

「分かったから、そんな風に怒らないでよ。」

「いい、俺は先に言っている。」

「待ってよルルーシュ!!」


からかいすぎたが、ルルーシュはさっさと会議室へ向かってしまった。
今日は大事な会議の予定が入っているのだ。
エリア11の治安状況、経済、ナンバーズの実態と、テロ対策等など
問題は山済みなのである。


ルルーシュは新米副総督だ。
皇子といえども身分は決して高いとはいえない。
もっと支える自分もしっかりしないといけない。


ルルーシュはしかっりしているようにみえて、意外とうっかり者だ。
彼の隣にいる人は、ルルーシュのうわべだけ見ている人じゃなくて
本当のルルーシュ自信を分かってくれる人がいいなと思った。


ルルーシュはすぐにお見合いの話を断っている。
きっと、そういったことにまだ興味はないのだろう。
でも、形だけもと貴族達や後ろだけになっているアッシュフォードも婚約を押してくる。
そして、妥協策をとったのが、ミレイとの形だけの婚約だった。

ハッキリいって、二人のその気はない。
お互い好きな人が出来ればそれでさようならの関係。


ミレイがそう簡単に好きな人が出来るとは思えないけど・・・



「この分だと、ルルーシュは近いうちにありそうだな・・。」



スザクは、ルルーシュとシャーリーの二人並んだ姿を思い浮かべて思った。








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