少年の野望 暗い洞窟を歩いていた。 「なぁ、ゼロ。」 「なんだ?」 「ここに何かあるのか?」 「・・少なくとも私にはある。」 進んでいくと、扉のような建物を見つけた。 少し崩れた後が残っている。 「ここか・・・。」 遺跡を見つけたルルーシュは刻まれているマークを見た。 それは己の瞳に宿している形と同じだった。 ギアスのマークだった。 ブリタニア軍がここの遺跡の調査をしているのは、このまえ無人島に漂流したときにわかった。 あの時、きっと自分の瞳に反応した遺跡は地面を崩したのだ。 ルルーシュはこの遺跡と一度ちゃんと見ておきたかったのだ。 「C.C.。」 「なんだ?」 「お前このことについて知っているか?」 「すまん。私にもそこまで詳しくはわからない。」 ルルーシュとC.C.はギアスの形に触れた。 「「く・・!!」」 「え?」 「ゼロ?!」 「なんだよこれ!」 突然遺跡は赤く光りだした。 ルルーシュは目を押さえて、C.C.は額を押さえて膝を突いた。 少し苦しんだ後、光は強くなり目を開けていられないほど光った後、やんだ。 「なんだったんだ?」 「それよりゼロは?」 カレンはルルーシュのところへ無事を確認しようとした。 「ゼロ!!大丈夫ですか?」 「え・・・ゼロ?」 掴んだ腕はいつものゼロの腕ではなかった。 それに小さい。 「え?」 一瞬カレンは混乱した。 そこにはゼロがいない。 でも確かにゼロが身にまとっていた服がそこにあり、着ているその人物はゼロだ。 ここには黒の騎士団の他に、誰もいないのだから。 「・・・君は・・?」 声も高い。 「ゼロ・・・?」 「ゼロ?もしかして、僕のことをそう呼んでいるの?」 もしかして、少ない確率だがこれは・・・ 「・・・・幼児化・・・?」 カレンをはじめ、幹部が呆然としている中C.C.が冷静に指示だした。 「何をぼっけとしている!さっさと戻らんか!」 「え・・でも!!」 C.C.は小さくなったらしいルルーシュをひょいと持ち上げた。 「戻るぞ。コレでは身動きが出来ない。それにここに来た目的はゼロ本人しか知らない。」 「と、なると?」 「ゼロがこうなってしまっては、元もこもない。引き返す。」 C.C.の意見に納得したらしい指揮をとって、遺跡にいた団員たちを戻らせた。 「キャー可愛いじゃない。こんなに小さくなちゃって!」 「どうしたんですか?ゼロ!!ああ・・・お顔が見れないのは残念です。」 戻るなり、ラクシャータとディートハルトに仮面越しに頭をなでられた。 「・・・・あ・・・」 「あれ?変声機つけても声可愛いわね〜。」 「そうだゼロ。そんなブカブカは服では貴方も動きずらいでしょうに!新しいのを新調しましょう。」 「・・・それもそうだな。」 今ゼロの服を折りたたんできているのだ。 モチロン仮面もはずしてはいない。 「ゼロ・・・おいたわしい。こんな姿になってしまって・・。」 カレンはルルーシュの目線に合わせてかがんだ。 ゼロが小さくなったぞと話を聞いてきたほかの団員たちがいっせいにやってくる。 「え・・・・・?」 「本当ですか?」 「小さい。」 「ん・・・」 「ヤダ!ゼロ可愛い!!」 「・・・え、。」 「「「「「そんな!声まで可愛い」」」」」 たじろんでいるルルーシュをみんな可愛いカワイイとほめていた。 正直ルルーシュはどうしたらいいのかわからなかった。 自分はブリタニアの皇子で今、留学で日本にきている。 そう、最後の記憶ではこれだ。 それでやっとスザクともなんとか打ち解けてきた頃だった。 どうやら迷子のなったから居候先の枢木家まで連れて行ってくれないか・・・ では駄目だろうか? 見たところ、ここにいいる多くは日本人でほんの少しブリタニア人がいる。 そして、この人たちはルルーシュを”ゼロ”と呼ぶ。 「あの・・・ここは・・」 「黒の騎士団ですゼロ!貴方が結成した反ブリタニアの最大勢力ですよ?」 ディートハルトはしゃがみ、ルルーシュの顔の位置に合わせる。 「貴方が作った貴方だけの組織。そしてこの組織のトップが貴方。」 「僕が・・・嘘だ!!」 「本当ですよ。ゼロ。」 カレンもルルーシュに意見した。 ルルーシュ自身に何が起きているのかわからない。 わかることはほんの少し。 少なくともここは、反ブリタニア勢力のグループのテイトリーに居ること。 ルルーシュはこの組織のトップ、総帥であること。 ここにいるみんなルルーシュを知っているが、どうやら本名は知らない。 だったら、教えてもらうしかないだろうと、ちゃんと自己紹介したらちゃんと教えてくれるだろうと ルルーシュは仮面をとってそうしようとした。 ルルーシュの仮面をとる仕草を見た団員たちは、ついに幼い頃ではあるが”ゼロの顔”を見れると少々力んだ。 「まて!」 それを止めたのはC.C.だった。 「何をするんですか?僕はだた・・・」 「おまえの知りたいことすべて教えてやる!だから来い!」 「え・・・ちょ!!」 「ディートハルト、こいつの年齢はきっと9歳ぐらいだ。細身だから服を新調するには気をつけろ。」 「はい。」 C.C.はルルーシュの腕を引っ張っていった。 ルルーシュの個人の部屋に着くと、仮面をとれと命令する。 「いったい何なんですか?貴方は!!これでも僕は」 「皇子様。知っている。すべて知っている。少なくともお前のことは・・・」 「え・・・だったらどうしてさっき教えてくれなかったんだよ!」 「お前はここでは絶対に顔を見せてはいけないのだ。」 「え・・・」 「今は・・・皇暦2017年だ。」 「え!!」 「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。今から話すことはすべて真実だ。」 C.C.は何も隠さずすべて話した。 日本は戦争に負けて占領国となった事。 ずっとルルーシュはブリタニアに復讐すると、計画を練っていたこと。 C.C.が授けたギアスの力のこと スザクとの事、ナナリーや人間関係や 今のエリア11の状況。 「・・・・・そうだったのか・・・僕は・・・」 ルルーシュは皆の前に戻ってきた。 そこにはもう先ほどの挙動不審な子供の様子はどこにもなかった。 「・・・今僕の替わりに大半の指揮をとってるのはディートハルトといっかか?」 「はい、なんでしょうゼロ。」 小さいながらも威厳は変わらなかった。 さっきとは打って変わっての変貌振りだ。 一体C.C.は子供に戻ってしまったゼロに何をいってのか知りたい。 「・・・ごめん暫く一人にさせてくれないか?C.C.さっきのことだけど・・・」 「大丈夫だ。心配はない。」 「そう、よかった。」 ルルーシュは自室に戻っていった。 まだ10歳にも満たないルルーシュにとっては今の状況はキツすぎるであろう。 「C.C.あんたゼロに何を言ったの?」 皆を代表してカレンがC.C.に問いただした。 「あいつに余計な事を言われては、ゼロが元に戻ったときに困るからな。私が知っていることを教えたまでだ。」 「え?」 「要するに、私はゼロが今までどうやって生きてきて、何で黒の騎士団を結成させた理由を知っている。 そして今のあいつの生き方を子供に戻ったアイツに教えたまでだ!」 「そんな・・でもそれじゃちゃっと可哀想じゃない?だってまだ子供でしょ?」 子供はもっと自由にさせてあげるべきなんじゃない? 幸い記憶もないし、そのほうがいいと思うと、なんとも大人の女性らしい意見をラクシャータが言った。 「それが出来ればすでにそうしてる。あいつはあの年齢で”子供でいる事を捨てた”のだ今更だろう。」 「え?」 「生き方を10歳そこらで決めてしまった不器用なやつだ。あの年ぐらいからだよ。あいつが・・」 「ブリタニアを壊そうと考えていたのは。」 C.C.の考えをディートハルトが先読みをする。 さすがだなとC.C.は笑った。 「まぁ、あいつの頭脳は小さくなっても変わらないだろう。もともとのIQは高い。」 一同騒然と黙ったままだった。 少しだけ、ゼロの過去に触れることが出来たが、彼らの考えよりもゼロの人生はもっと辛いことがあったのかも知れない。 だからあんなにブリタニアを憎むのかと、納得できた。 「ゼロ・・・私は・・貴方がどんな姿になってもついていきます。」 少しばかり感動したカレンが拳を握り締めた。 「そうね・・・それに今のゼロのほうが可愛くて私もいいかな〜」 井上とラクシャータが続く。 いい人の扇もまんざらでもなく、むしろ庇護欲を刺激された。 あんなガキにと不服そうな玉城だったがきっと子供になっても勝てないだろうと考え渋々従うといい。 幹部たちがそうならと・・他の団員たちも頷いた。 「これじゃ、皇子と臣下だな。」 「今更なんじゃな〜い?私はどっちでもいいわよ。ゼロは面白い男だしね。ま、今度は子供らしい所が見れるんだもの。少し楽しみだわ。」 みんなラクシャータと同じ意見だった。 「ナイトをD2へ、ビショップはそのまま前へ・・・・。」 ルルーシュは机においてあったチェスを動かしていた。 「僕は・・・ブリタニを壊すための軍隊を作った。指揮は・・・総帥は僕・・。スザクは・・・敵・・・。」 そんなの初めからわかっていたのだ。 スザクは最悪の敵になると、初めて会った時から小さい頃の予感を的中させた17才の自分は今何を思うんだろう。 「僕は・・・ブリタニアを壊す。」 母さんのために、ナナリーの為に・・・ ルルーシュは仮面をかぶり部屋を出た。 元の場所に戻るとまだ皆そこにいた。 先ほどとは少し顔つきが違って見える。 「ごめん・・・心配かけた。僕はもう大丈夫だから・・・そのなんか途中だったものとかあるの?」 ゼロの言葉にディートハルトは途中だった案件を伝えた。 ルルーシュは小さいながらも的確に細かく指示をだした。 その姿にC.C.を除いた者たちは唖然とした。 こんな小さな子がなぜこんなにも軍事に詳しいのか?と・・・ そして極めつけは戦略、大人顔負けに藤堂とやりあえる。 「なんだこいつは!どっかの漫画の名探偵かよ!」 「落ち着け玉城。」 ルルーシュの様子に一部納得できない者もいたが・・・・。 「ゼロ!!」 カレンはすぐに駆け寄って、膝をつく。 「ゼロ・・!私は、私は貴方が誰であろうと、貴方についていきます。」 「え・・・と・・。」 「カレンといいます。これでも私はゼロの親衛隊の隊長です」 「そうか・・・君が僕の騎士なんだね。」 「ゼロ!!」 騎士の発言にカレンは気を良くしたのか、ルルーシュに抱きついた。 「う・・・くるしい・・。」 「ああ、ゼロすみません!!」 「ゼロ私も、貴方についていきます。すばらしい方だその年でその頭脳、思考・・・素晴らしい。」 ディートハルトの笑みに少々引き気味だったが、この男は自分の思考とよく読み取る。 副官みたいな存在だったのだろうか? 「ありがとう・・。」 お礼を言うと、ディートハルトは嬉しそうだった。 「行きましょう、ゼロ。貴方の思いのままに私たちは動きましょう。」 「・・・みんな、ありがとう。」 その声には嬉しさが含まれているように聞こえた。 -----------------------END----------------------- ただかわいいゼロが書きたかったの。 アットホームな騎士団が書きたかったの。 ヤッパリ私にはこいったお茶らけた文章は無理がある・・・ なんか似合わない。途中で変になる。 これかいててなんか変な方向にいってしまった 考えている事と書いてる事が違う方向に・・・ もっとギャグテイストにしたかったのに!! |
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