いつかの風景







ここの空間は独特な匂いがした。
油絵の具の特徴的な匂い。



「あらあら、ナナリー動いてしまってはクロヴィス殿下が困ってしまいますよ。」
「は〜い。」


ルルーシュ、ナナリーと母のマリアンヌは今絵のモデルとなっている。








絵画はクロヴィスの趣味だった。
いままで風景画や抽象画を見たことあったが、人物画をあまり描かれる事はなかった。
先日、ルルーシュがチェスの相手をしている際、クロヴィスに聞いていたのだ。

「何故、兄上は人物や自画像を描かれないのですか?」
「・・・そういえばそうだな。」
「風景画の方がお好きですか?」
「そんなわけではない・・・あ!」

「待ったは無しですよ。」

「う〜む・・。あ、そうだ。」
「?」


クロヴィスは何かひらめいたようだ。


「ルルーシュ今度私の絵のモデルになれ!」


チェスの一手ではなく、自分の趣味の事だった。


「え・・・」
「妹のナナリーやマリアンヌ后妃の3人で・・。きっと素晴らしい出来になるだろう・・。」
「はぁ・・・。」



そして今に至るのである。

絵のモデルぐらいならいいだろうとルルーシュは思っていたが、結構疲れるものである。
ナナリーはもう飽きてしまったのか、チョロチョロと動き始めた。

「申し訳ございません。殿下・・・せっかくの申し出なのにコレでは描き難いでしょうに・・。」
「いいえ、とんでもございません。同じポーズを長い時間とるのは誰だって疲れる事ですから・・。」


気にすることのないようにクロヴィスは丁寧に筆を進めていく。


「兄上、出来上がったら是非見せてください。」
「ああ、もちろんだとも!」











しかし、3人がクロヴィスの絵の完成を見ることは出来なかったのだ。



突然の母親の暗殺。



外交の道具とされるルルーシュとナナリー




離宮の忌み嫌われる中でクロヴィスだけは二人を可愛がっていた。
この完成した絵が見せられなかったのが、クロヴィスも残念だった。


「まぁいい・・・いつかは戻ってくるだろう。そのときにでもルルーシュに見せてあげよう。」






でも二人の再会は残酷にも、暗殺者と皇族という形で会うことになる。



「全てを変えるために戻ってまいりました・・。」


「ルルーシュ・・・私は・・・。」








ただ・・お前に会ってあの絵を見てもらいたかった・・。


















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意味不明なまま終わる。
小話程度でしたね。

よくチェスの相手をしていたという話だと
クロヴィスって結構二人を可愛がっていたらいいなっという
私の希望・・・。

クロヴィス結構好きだったのにな・・・
3話で死んでしうなんて・・・・


幼少の頃の王子達が見たいです!!



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