葛藤







ふわふわと浮遊してるような感覚だった。
暗い空間、脳裏に光が見えた。





そのイメージは人のようだった。
良く見るとそれはスザクの唯一無二の親友ルルーシュの姿だった。

(・・ルルーシュ・・。)


ルルーシュは一言もしゃべらない。
ただ妖艶に微笑んで手を伸ばした。
彼の顔がアップに映る。

スザクはルルーシュの突発的な行動に身動きが出来なかった。
反射的に顔をそらす。
ルルーシュは今裸なのだ。
何故裸なのか?と聞きたかったが声が出ないことに気づく。

(・・な・・・あれ?どうして・・?)

そんなスザクの様子を気にせずルルーシュは唇を近づけてきた。

(え・・ええ!!・・ルルーシュ!!)



















目が冴えるとソコは見慣れた天井だった。


「あ・・・夢・・。」

だいたい男のルルーシュがスザクに迫るなんておかしい。
でも思い出すと、ルルーシュのあんな綺麗な微笑み現実でも見たことなかった。
夢は時々自分の要求を満たしてくれるように、願いがそのまま出るときもある。

「まさか・・・・ね・・。」

その日は軍の仕事がなく、朝から学校があった。
ルルーシュに顔向けできないスザクは、戸惑っていた。



「スザク、おはよう。」

「あ・・ルルーシュ・・。」

思っていた矢先に、親友は真っ先にスザクの方へ向かってくる。

「どうした?スザクなんか顔色が悪いぞ?」
「え・・・あ・・!!」

ルルーシュがスザクの顔を伺うために一歩近づいた。
スザクは今朝見た夢が重なる。
目線が彼の魅惑な唇へと泳がせる。

「顔・・赤いぞ。熱でもあるんじゃ・・・」
「い・・・違うよ。大丈夫!!」
「・・??・・・そうか、でも無理するなよ。」
「わかった・・。」


死んでもいえない。
まさか、ルルーシュと自分が淫らな行為に陥ろうとしていた夢を見たなんて


スザクは深くため息をついた。
その日の授業は全く持って上の空だった。

























『・・・はぁ・・・はぁ・・ま・・・て・・・スザク・・あぁ!!』
『駄目、ルルーシュ・・・我慢できない。』

『い・・あぁ・・・』


あぁ・・まただ
スザクは意識的に感じ取った。
まるで昨日見たものの続きのようだ。

スザクがルルーシュを組み敷いて、ルルーシュの体を味わっていた。
夢の中の自分は、ニヤリと笑いルルーシュの感じるところを突いていた。

『いや・・・あぁ・・・いやぁぁぁ・・・』

そしてルルーシュは、酷く乱れていた。
白い肌に無数に印がついている。
あぁ、夢の自分がつけたんだと他人事のように思った。

息をするのでさえ苦しそうに顔を歪めていた。
それがとても淫らで、スザクの鼓動が高鳴る。
泣いている彼はとても綺麗だ。

ましてや自分の腕の中で、涙を流しながら泣いているのだ。
普段なら考えられない、たまらない。

「・・ざ・・スザ・・・クっぅ・・・。」








思いっきり起き上がった。
スザクの鼓動はドクンドクンと尋常じゃい程、早かった。

「は・・・最悪だ。」


下半身が湿っている感覚があった。
きっとしてしまったのだと思う。



男を相手に欲情した。


そして夢は日に日にエスカレートしていった。







今日でもう5日間。

スザクはもうルルーシュと接触するのを避けていた。
目が合ってしまえば思い出してしまうから。

本当にどうかしてるんじゃないかと思う。
夢だけじゃ満足できずに、現実でそんな彼を見てみたいなんて・・・

「僕・・・頭おかしくなったのかな・・?」



「お前・・今頃気がついたのか?」




「え・・ルル・・!!」


「お前・・・何故俺のことを避ける?」


「そんな・・避けてなんかないよ。」


「ホラ、今だって目を合わせようとしない。」


あわせられる訳がない。
スザクは暫くほとぼりが着くまで、一人で居ようとしたのだから。

「ちゃんと俺の目を見て言え。」


「あ・・・」


ルルーシュはスザクの頬を掴んだ。
自然に目と目が合わさるようになる。

綺麗な紫水晶の瞳。
その眼に吸い込まれそうになる。


「で・・・なんで俺を避ける?」
「だから・・・大丈夫だって。」
「何が大丈夫だ?よそよそしい態度、不満があるならハッキイ言え。」



貴方の厭らしい姿を想像して欲情してます。



言ったら殺されるだろうな。とスザクは笑った。

「何笑ってるんだ!」

「だって・・・ルルのせいなんだもん。」

「な・・・!」

正確には夢の中のルルーシュだが・・・・




「迫ってきたルルーシュがいけないんだよ。」
「せま・・・!!何言ってる・・ん!!」


スザクは我慢の限界だった。
日々の過激な内容と、目の前に居る現実の親友。
親友は今、手を自分の頬を掴み、顔を間近へと焦点をあわせている。


スザクはルルーシュの頭と腰を掴み、そのまま唇を合わせた。

「んん・・!!」


ルルーシュはイキナリのスザクの行動に、驚きやめさせようと肩を叩いた。
本気で叩くから、スザクも痛みに顔を歪め一回ルルーシュを放した。


「な・・・何するんだ・・イキリナリ!!」

ルルーシュはとっさに、制服の袖で唇をふいた。
拭いても意味がない。しっかり舌をいれられていたのだから。


「だから・・・ルルーシュが悪いんだよ。」


そんな色っぽい唇を近づけてくるから・・・







「ちょ・・・スザ・・・つ・・・」


スザクはルルーシュの制服のボタンをはずした。

想像通り真っ白の絹肌。
吸い付くと、ルルーシュは曇ったような声を上げた。



「あ・・・やめ・・・スザ・・・ク・・!!」

身長はルルーシュの方が少し高いが、体格的にはスザクの方が勝る。
しっかりと押さえつけられてしまっては、ルルーシュも対抗できない。

「あ・・・ぁぁ・・・」


ルルーシュはスザクの与えられる感覚に背筋が凍った。


「やめて・・・スザク・・・お願いだ・・。」






ルルーシュの言葉にハっとしたスザクは慌てて離れた。

ルルーシュは乱された制服を調えた。
スザクは何をどう説明したらいいのか分からず、顔を赤くして眼を泳がせていた。


「スザク・・・お前・・なんでこんな・・。」


「ゴメン!!ルルーシュ・・!!」


スザクは慌ててどこかへと去ってしまった。


「おい!!待て!」


待てと言われても気まずくて居られない。




「・・・何が一体どうなってるんだ!くそ・・!」


ルルーシュは自己完結されて納得がいかなかった。


















「は・・は・・・はぁ〜・・・どうしよう・・。」

寮まで全力疾走で戻ると、膝を丸めて小さく座り込んだ。
スザクは明日からルルーシュになんて顔して合えばいいのかわからない。
ましてや・・・襲ったまま逃げてきたのだ。
口を利いてもらえないかもしれない。



「あ・・・本当にどうしよう!!」







その夜、スザクは一晩中
ルルーシュに対する言い訳を必死に考えていた。





















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終わってしまえ!!

書きたかったのは葛藤するスザクさん(笑)
ルルーシュさんでいろいろ妄想するスザクさん
やばい・・・楽しい←お前ナ・・・











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