猫と犬








生徒会室に猫がいる学校なんてここアッシュフォード学園だけだろう。
先日騒動を起こして以来、アーサーはここに住みついてしまった。
スザクは可愛がろうと、かまうのだが全く持って相手にされていない。
見ているこっちが可愛そうに思う。

それでもめげずに、スザクはアーサーになにかとかまってくる。



「スザクは本当に猫が好きだな。」


よくもまぁ何度もそっぽ向かれても、噛み付かれて飽きないもんだとルルーシュは思う。

「なんで?可愛いじゃん猫。」
「俺は犬の方が好きだ。」

「へー、ルルーシュは犬の方が好きなんだ。」
「なんだ?意外か?」

「うんん。別に普通だと思うよ。」
「そうか・・。」






スザクは飽きもせずに、生徒会で飼っているアーサーを猫じゃらしで気を引こうとしていた。
アーサーは無視しているようにも見えるが、なんとなく気になるようにチラチラと先端のフワフワしたところを見ていた。


「・・・そういえば・・何で猫の方が好きなんだ?」
「可愛くないところが可愛い・・というか・・なんか気を引きたくなる。」
「お前それじゃ答えになってないぞ。」

「え・・なってるじゃん。」


理屈が良く分からない。
可愛くないなら可愛くないでいいじゃないか?


そういえばよく昔もこんな事があった。
好きな色についてだ。
黒が好きなルルーシュに対して、スザクは白が好きだった。
こっちの色の方がいいとさんざん言っていたものだ。
その議題が今は、猫と犬に変わっているだけの話。



「犬の方がいいぞ。躾をすれば言うこと聞くし、第一主人には絶対服従だからな・・。」
「はは・・・ルルーシュらしいや・・・て!!」



案の定、スザクはアーサーに指をかまれた。


「いてて・・。」

「・・・だから言ったろう。諦めろって。」


ルルーシュは傷を見せろといわんばかりに、スザクの手を自分の方へ向けた。
今かまれた意外にもいくつか痕がある。

「これ・・・みんなアーサーにやられたのか?」
「ははは・・・・」


痛々しい傷口。

「お前のそういうところ、長所でもあるが短所でもあるな?」
「え・・?」
「諦めが悪いってことだよ。」
「あ・・・」


ルルーシュは血が流れる指を丁寧になめ取った。

「ルルーシュ・・・汚い。」
「大丈夫だ。これぐらい。」


「つ・・・」

指がくすぐったい。
舌を出してなめ取る姿はしなやかな猫そのものに見えた。
赤い下が官能的に動く。


「ルルーシュ・・くすぐったいよ。」
「あ・・悪い。ちゃんと消毒しておけよ。」

「えー・・ルルーシュがちゃんとしてくれたじゃん。」

「な・・!!」


スザクは傷口を自分でもなれた。


「これで間接キスだね。」

「馬鹿なこと言っていないで、保健室いってこい!」
「ルルーシュがしてくれるんなら、いってもいいよ。」




コレじゃ埒が明かない。




「・・・わかったよ。」

いつも折れるのはスザクだが、今回はルルーシュが先に折れた。
ヘヘっというかの様にスザクは嬉しそうに、ルルーシュと肩を並べた。

「なんだよ・・・気持ち悪いヤツだな。」
「・・・僕は猫の中でも、黒猫が一番好きなんだ。」

突然スザクが言ってきたと思えば、自分の嗜好について語った。


「黒猫・・・日本じゃ・・縁起がわるいんじゃないか?・・まぁ・・・世界共通でそうだと思うが・・。」
「え・・なんで?可愛いのに。」

スザクは気にしないらしい。


「日本じゃ黒猫が目の前を通り過ぎると不吉なんじゃなかったのか?」

「だって黒猫ってルルーシュそのものじゃん。」


「な・・!!」



スザクの一言にルルーシュは真っ赤になる。


「何を言い出すんだ!突然!」

「だってルルって本当に猫そのもって感じ。だから僕は猫が好きなの。」


自分で爆発発言言っているのを気づいていないようだ。
ルルーシュはあいた口がふさがらない。
そして、顔はおろか耳まで真っ赤になる。


「ルルーシュ顔が赤いよ。」


「うるさい!!お前が変なこと言うから・・・!」



「いいなじゃい。」



スザクはルルーシュの手の甲に触れるキスをした。




「要するに、それだけ僕はルルーシュのことが好きなんだよ。」



















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猫が好きなスザクさんと犬が好きなルルーシュさんの話
二人の好みは私が勝手に決めた設定です。
スザクの猫好き設定は公式ですけど(笑)

ずっと片思いって・・!!それってルルって全国の乙女が思ったはず!
私もそのうちの一人ですよ。


題名は坂本真綾さんの猫と犬より
この歌は私の中のスザルルソングの一つに
決定!




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