俺達の夏休みは以上に長かった

遠くにも行ってないし、行きたくもなかった。

どこへ行っても暑かったしそれに、これから幸せな時間が始まるのに

わざわざ遠くに行かなくてもよかった。

ただ、側にいてくれるだけでよかったから

俺も、サクラも寂しがり屋だったから・・・


第三部 過去との決別そして誤解


贖罪〜贖いの翼〜   10


サクラ中二夏休み

普通の中学生なら成績表にビクビクして、これから楽しい夏休みだと騒ぎ出す。
サクラは成績なんてどうでもよかった。
そんなに騒ぐほどでもなかった。

しかし、これから約一ヶ月カカシと一緒にいられるのはたまらなく嬉しかった。

「ただいま。」
「おかえり。」
いつもの何気ない会話もなにかいつもと違う。

「なんか、嬉しそうだね?」
「やっぱり?」
「成績よかったのか?」
(そんなんで喜ぶような子じゃないけどな)
「違うよ。」
やっぱり
「だってこれからはずっと一緒にいられるんだよ?」
予想もしていなった答えに、カカシは返答に困った。
「・・・・・・・。」
「なに?嬉しくないの?」
サクラがしゅんとする。
こんな、子供っぽいサクラは見るのは初めてで、何か変な感じjがした。

「あははは・・・なんか今日は子供っぽいね。」
「!!」
サクラが恥ずかしそうに照れた。
「何よ・・」
「ごめん・・・なんか意外な一面が見れたのが嬉しくて・・」
「まあ、いいわ。」

微笑を交わす。
いつもの冷たい感じのサクラに戻った。
すねたり笑ったりするサクラも可愛いのにな・・・

最近サクラが子供っぽい感じがする。


あの夜の一件から垢抜けたというか心がスッキリしたのかな?
二人ともすごく穏やかに・・・・・

だからサクラも素直に喜べるのかな?
どうでもいいさ。
これから一緒にいられるのは変わりはしないのだから・・

周りがどうなろうとカカシにはサクラがいればよかったのである。
そえれはサクラも同じことだった。











夏休みに入ってどれくらい経ったのだろうか?
7月も終わろうとしていた。



一日の時間が長く感じる。
二人でべたべたしていると思いきや結構あっさり午前なんか一言しかしゃべっていない。
それでも距離は短く感じる。

買出しだって人のいない夜が主だ。
閉店30分ぐらい前に二人できて買うものをさっさと買っていく。

この前、花火を買った。
水の入ったバケツを持って誰もいない公園で二人。
最後の線香花火も儚く散った。




次第に夏休みの変化が現れた。
7月最後の日
はじめはどこにも行きたくなかったが毎日家にいても飽きた。
といっても、人目を気にして外に出たくないのも確か・・・

だから、夜になってこっそり二人で外に出てみた。



「ねえ、大丈夫なの」
「何が?」
「ここ・・・サクラの学校でしょ?」
「・・・大丈夫。誰もいないわ」
日もどっぷり暮れてあたりは闇の中
「ここ・・学校のプールでしょ?見つかったらヤバイんじゃないの?」
「騒がなければ誰も気づかないわよ。」


ふとたどり着いたのはサクラが通っている学校。
誰もいなく校舎も気味が悪いライトもなくまっくら


「まさか、こんなこところで泳ぐとは思わなかったよ。」
「いいじゃない?無料で貸切。」
「・・・・・・って俺たち散歩してただけじゃ・・」
「泳ぎたいの。」
「水着持ってないでしょ?」

シュル

「脱げばいいじゃない」
サクラは着ていた服を脱ぎ始めた。

「おい!!」

パシャン!!

「気持ちいいよ」

カカシはもう何もいえなかった。
「ねー入らないの?」
サクラが手招きをした。
「ふー。」
サクラに聞こえるように大きなため息をついて
「じゃ、俺も入るか」
ジーパンとTシャツを脱ぎプールに飛び込んだ。

バシャ!!

「きゃあ!!」
水しぶきがサクラにかかった。
「ちょっと!!」
「ごめんごめん」
バシャン
サクラがお返しといわんばかりの水飛沫をかけてきた。

二人で水の掛け合いっこが始まった。
力いっぱい夢中になって泳いでそれから何も考えないで浮かんでたり


泳いで 遊んで もぐって 浮かんで・・・・・


「サクラ!」
突然カカシがサクラを呼んだ。
「こっちにおいで」
言われるがままサクラはカカシの元へと向かう。
「・・・・・」
「ここから見ると、星と月が綺麗だよ。」
「べつに、こっちからでも綺麗に見えるよ。」

「サクラと一緒に見たいの。」
「わ!!ちょっと」
カカシはサクラを抱きかかえた。
半分以上水の中なのでいとも間単に体が持ち上がってしまう。
「私はまだ泳ぎ足りないの!!」
「うん」
「それに、小さい子供じゃないの!」
「うん」

うんという返事しか帰ってこない。

暗闇の中



二人の距離がだんだん近づいた。
月の光でかろうじて見たサクラの顔は髪の毛の影で見えなかった。
それでも、お互いの唇が触れた。
サクラの手がカカシの肩から、ゆっくり上に首に・髪にへと移動を始める。
プールの真ん中で長くて熱いキスを交わしていく。

カカシの唇がゆっくり唇から首に鎖骨へと下がっていった。

くすくすとサクラが笑った。


サクラは腕でカカシの頭を抱きしめた。










どのくらいそうしていたのか?




気がつけば7月は過ぎていて



8月を学校のプールで迎えた。



8月にはいってからはまた、もとの生活に戻っていった。









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