Angelica 10





第二の試験スタート!

制限時間は五日間。

合格条件は天地両方の巻き物をもって三人で来る事。

失格条件は1、途中で巻物の中身を見た班。2、一人でも班員が欠けた班。3、制限時間に巻物を持ってこれなかった班。


死の森へと進んでいく下忍たち。
早くもデスサバイバルは始まっており、開始早々悲鳴が森中に響いた。


途中まで進んだサスケたちは、逸れても本物と分かるように合言葉を作った。
あまりの長い合言葉に、ナルトは頭の中が真っ白になったようだったが・・・・。

毒草、猛獣、意図的に作られたトラップにやられて脱落していく中、
サスケ達にも強敵が現われた。
さっき、雨隠れの下忍を撃退したばっかりだったと言うのに・・・

額のマークを見ると、どうやら草隠れの下忍のようだ。
今度もまた一人だが、この忍びはさっき戦った下忍とはレベルがはるかに違った。
不意打ちでやられて攻撃に、サクラとサスケはなんとか持ちこたえたが、ナルトは気絶をしてしまった。

草隠れの忍びがひと睨みすれば、サスケとサクラはあまりの恐怖心に足がすくんでしまった。


(何・・・コイツ・・?普通の人間じゃない?!)

サクラだって今までいろんな悪魔と戦ってきて、多少は戦える身だ。
しかし、この忍びは今まで戦ってきた悪魔よりも禍々しいオーラを感じた。

(人間でここまでの邪悪な力・・今まで見たことない!)

冷静に分析している暇はなかった。
草隠れの忍びは次の攻撃に入っている。
すっかり足が震えて動けずにいたサスケは、なんとかクナイを足に刺して我に強制的に返らせて、
サクラを抱えて攻撃をかわした。

サスケは見て分かるように動揺している。
無理もない。
ここまで強力な殺気は今まで感じた事がないからだ。
サクラに物音を起させないように口を塞いでいたが、ソレが逆にあだとなった。
背後に大蛇が潜んでいるのをサクラは気付いて知らせようとしたが、冷静さを失っているサスケには
なかなか気付く事はなかった。

「サスケ君!蛇!」

この一言で、開けに取られていたサスケは今いる場所を離れた。
どうやら草隠れの忍びは、サスケと戦いたいようだ。
さっきから攻撃の矛先がサスケに向いている。
途中、眼を覚ましたナルトも反撃といわんばかりに、今までにない戦闘力を発揮してその場にいる三人を驚かせた。
力の消耗が激しかったのか、長くは持たずにすぐにまた気絶をしてしまったが・・・

サクラも助太刀をと考える。
今ならひ弱なクの一と思われて不意打ちをつけるかも知れない。


しかし、サスケの様子がおかしい。
さっき眼を位一度覚ましたナルトの一言が十分気聞いているらしい。

”ビビリ君”と・・・


「サスケ君?」

「違う!!!!」

「え?」


サスケの纏う空気が変わった。
オーラにさっきより、より強い力が来れられているのが見える。


(そういえば、カカシ先生がサスケ君の家系には不思議な力があるって言ってたっけ・・・・)

水の国で覚醒した力。
まだまだ覚醒したばかりで、完全にはなっていない写輪眼。
段々と、力に目覚めていき完全へと近づいていく。


「もしかして、今のでまた一歩完全に近づいたの?」


サスケの瞳に迷いはない。
クナイを口に咥え、腰を落として構える。
草の忍びも”そうこなくちゃ”と楽しそうに笑った。


サクラの思考を無視するかのように、サスケと草の忍びの戦いははじまった。
息をつく暇のない体術と、技の張り合い。
辺りが火遁で炎に包まれ、変わり身の術合戦へと騙しあい。

一度不意を付いたサスケが、最後に火遁の龍火の術で幕が下がったと思いきや、敵はいきていた。
金縛りでサスケとサクラの動きを封じると、蛇のように首だけが長くなってきた忍はサスケの首に噛み付いた。

サスケは噛み付かれたとたん苦しみだす。

「サスケ君?!」

首を見れば、黒の模様が浮かび上がった。


「これって禁術の呪い!」

「おや、知っているの?その呪い?」

「しっているも何も・・・これはもう下界では出回ることがないように・・・」

「封印されたハズだった?」

サクラはきつく睨む。

「あら、怖い怖い。自己紹介が遅れたわね。私の名前は大蛇丸。お嬢さん貴女一体何者かしら?」

「・・私はただの下忍よ。ソレよりアンタタダで返れると思ってるの?今度は私が相手よ?」

「・・・普通の下忍なら、私の殺気で立てないハズよ?貴女はサスケ君より同様が感じられてないわね。
 貴女は私の強さが分からない程鈍感なのかしら?それとも強いのかしら?」

「そんなのドウだって、いいんじゃない?」


危険レベルが高すぎる。
天使の力、今使わなきゃいつ使う?
使用禁止なんてどうでもいい!
だって、今ここにいる人間はもう人間の域を超えている。
ハッキリ言って、悪魔レベル。

しかも・・


「このオーラに殺気・・Aランクってところかしら?」


それなら・・・

「私がお前を倒す!」

「フフフ・・出来るかしら?」



サクラは背中から羽根を出した。
この方が力を出しやすい。

ああ・・最近は背中が開いている服じゃないから穴が開いてしまったが、
今はそんな事言っている場合じゃない。

全身に聖気を纏わせて、武器を出す。


「アラアラ?天使様の武器は、弓矢じゃないの?」

「そんな先入観早く捨ててくれるかしら?天使だって、使いたい武器を使うわよ!」


サクラは自分の体より大きな剣を振りかざす。
武器が大きすぎるため、おおぶりになり隙が出やすいと思いきや素早かった。
絶妙なタイミングで間合いをとる。

「フフ・・小娘にしてはなかなかやすわね。」

「そりゃ、これでも階級はうえのほうよ。」

「でも本気が出せないなら、私に勝てないわよ。」

「・・・ごちゃごちゃうるさいわね。」

図星をつかれてサクラはまた大蛇丸へと向かう。
大蛇丸は完全な悪魔ではないため聖気を使った術は効かない。


(こうやって地道にダメージを与えていくかないのかしら?・・そうだわ)

コチラにも普通に魔法が使える。
普通の攻撃魔法なら、少しくらいは出せるはずだ。

(威力が限定されて半減されるのはキツいけど、遠距離も少し取らないと私の体力が持たないわ。)


サクラは組み手をとっている最中に、呪文の詠唱を始める。


大蛇丸はサクラの攻撃を読み取って、逃げるように離れた。


「忍びは常に、裏の裏を読むのよ。お嬢さん、そんなバレバレな攻撃じゃ忍びを倒すなんてできやしないわ。」

「く・・・!」


根本的に戦いのスタイルが違いすぎる!
これは絶望的な差だった。

第一、スピードが命を左右する忍びの戦いは、サクラのスタイルではないからだ。
素早い悪魔もたくさんいるが、これはチームで連携して行い確保したり倒している。
一人じゃ分が悪い。

カカシを初めとする上忍の用に、風のような速さで術を発動させるなんてサクラにはまだ出来ないのだ。



(駄目だわ・・このままじゃ・・!!)


勝機はどう考えても大蛇丸が上だった。
しかし今サクラが諦めてしまえば、ナルトやサスケの命の危険を上げてしまう。
なんとか二人が眼を覚ますまで持ちこたえなきゃいけない。


背中の羽根を羽ばたかせて、力を増幅させる。

「あら、まだいけるのスゴイわね。でも、これ以上遊んでいる暇はないのよ。」

「どういう・・・」

「サスケ君に伝えておいて、私を倒したかったらもっともっと強くなりなさいって・・・。」


大蛇丸はそういって、姿を消してしまった。

















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