切なさのゆくえ2 〜風の通り道〜  11









サクラの前にサスケが立ちはだかる。


「何故だ?何故イタチなんかといる?!」

サスケはサクラを見つけると、サクラの方を掴み木の方へと押し当てた。

「い・・・!」
「答えろ!!サクラ。」
「サスケ君・・・話して。」

「いやだ・・・。」
「サクラ・・!!」
「!!」


その瞬間自分はサスケに抱きしめられていた。

「お願いだから・・サクラ・・・一緒に帰ろう・・。」


前の自分だったらこんなことされたら、即うなずいていただろう。
でも・・・今自分の心を動かしているのはサスケではない・・・



イタチなのだ。




「サスケ君・・・痛いよ。放して。」
「嫌だ。」

「放して!!」

「嫌だと言っている。」


サクラは思いっきり抵抗を始めた。
約束したのだ。洞窟で落ち合うと!
行かなくては!
イタチと鬼鮫ならば戦闘もすぐに片付くだろう。


「嫌よ!!お願いサスケ君、私の事は放っておいてよ!」
「お前が好きなのは俺じゃないのか?」

「・・・正確には”好きだった”」

そう過去形なのだ。


サクラの過去形の言葉にサスケは一瞬力が抜けた。
サクラはその隙を見逃さないうちに、サスケの腕から逃れた。


「・・・私が好きなのは・・・イタチさん・・。サスケ君じゃない・・。」
「なんでだ・・サクラ・・・お前は。」

サスケも信じられなかった。
今まで自分を好きだといってくれたいた女の子は別の男を好きだといっている。
一体何がいけなかったのか?


「だから・・お願いサスケ君・・私のことは見逃して。そして忘れて?」
「そんな事できるわけないだろう?」



このままでは埒が明かない。
いる他の木の葉の部隊が来るのか分からないのだから・・・。



「だって、サスケ君は私の事なんてどうでもいいでしょ?だった私をこのままいかせてよ。」
「いやだ!!」


サスケの腕を逃れたサクラだったが、またもやつかまる。

「お願いはなして。」
「嫌だ嫌だ!お前一体どうしたんだよ!」



「・・・・・ごめん・・。サスケ君・・。」


サクラはサスケの顔を見ようとはしなかった。
本気なのだ。
もう、本気でサクラの心はサスケから離れている。




「おま・・・・」

「ごめんなさい・・。」



私の事は・・・忘れて下さい。


サスケは力なくサクラを放した。

「サクラ・・・」
「サスケ君・・・。」

「行けよ・・。」
「え・・。」


「行け・・・。俺の気が変わらない内に・・。」

サスケの声が震えている。
サスケもサクラの顔を見ようとはしなかった。


「ありがとう・・。サスケ君・・。さようなら・・。」



サクラが見えなくなったと、サスケは膝を突いた。





そして・・・仲間の場所へと戻っていった。
























どれくらい経ったのだろうか?
先に森の終わりが見えてきた。
心なしか、潮風の香りがする。


「もしかして・・・・」


海が見えた。
サクラは生まれて初めて海を見た。
と、そう感動しているのも今の内、早く隠れなくては・・。




イタチも早く来るだろう・・。





洞窟の中は薄暗くて明かりをつけたかったが、それではバレてしまう。
サクラは小さくなって、気配を消してじっと待つことにした。

さっきの震えがとまらない。
サスケの腕の力の感触がまだ残っている。



「ごめんね・・。サスケ君・・。」




そう・・サクラはサスケの手ではなくイタチの手を選んでしまったのだから・・。






足音が聞こえてきた。

ああこの足音は紛れもなく・・・


「サクラ・・・。」

「イタチさん!」


「無事だったみたいだな。」


「イタチさんもね・・。」


















「すごい・・・海を渡るんですか?」

鬼鮫は予め用意しておいた船をだした。

「この地は俺達は目立ちすぎる。」

きっと自分達の向かう先は荒野なのだろう。
生きていくにも過酷な環境。
でも、そこなら誰も近づかないだろう。




シートに隠れていたのは少し大きめの船だ。

「出ますよ。イタチさん、サクラさん乗ってください。」



先にイタチがのり、サクラの手を引く。


サクラは躊躇いもなくイタチの手をとる。
そう、サクラが望んだのは年相応の少年の手ではなく、
少々華奢な青年の大きな手をと選んだ。








「サクラ・・・きっとこの先は何もない。お前はそれでいいのか?」

「はい・・。イタチさんがいれば私は幸せです。」






霧が濃くなってきた。


一緒に乗っている鬼鮫でさえ見えない濃い霧。



「ありがとう・・。サクラ・・。」
「いいえ・・。」



「まだお前に言ってなかった事が一つだけあった。」
「まだ残ってたんですか?」



イタチはサクラの耳元で囁いた。








「好きだ・・・。」





「イタチさん・・・・。私も・・・です。」





そう、イタチは今まで言葉を曖昧にして何も言ってくれなかった。
しかし今彼はハッキリ言ってくれたのだ。
”好きだ”と
サクラはそれで十分嬉しかった。



自分の選んだ道は想像以上に過酷だろう。


でもそれでも良かった。
イタチが一緒ならそれでもいいと思った。























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あれ・・・なんか中途半端?
続編は二人の逃避行と言うことで・・・

やっぱり続編はなかなかの難産でした。何年かかってんだよ!
一度完璧に終わらせた話の続編を書くのは難しいですね。
なんか前の作品と比べてなんか言葉が変なのですよ。
アニメでも2とか続編が楽しくないというのは、1が良すぎたから
はいコレだ!!

で2で書きたかったのはサスケを捨てるサクラ(笑)と二人+一人で駆け落ち
なんか私鬼鮫をセットにしないとイヤみたいです。
なんかめまぐるしい展開でしたね。
話が進むの早かったような・・。



切なさの行方はこれでもう完結です。
つ・・・疲れた・・。

まだまだ消化し切れてない作品は残ってる!
頑張れ自分!

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