変わらないもの


それは、ほんと些細な出来事だった。
木の葉に来たのは任務に過ぎなかった。
ただ、ターゲットを組織に連れて行かなくてはならなく、木の葉を潰しにきたのではない。

途中、サスケという弟と思わぬ再会をしたが自分には関係ない。
任務を遂行するのみだたが、思うようには事は運ばなく体を痛めた。
身を潜めてそろそろ回復に向かい任務の続きを遂行しようと思っていた。





誰にもわからない隠れ家に仲間の鬼鮫と少し過ごしている間何かが変わった。


キッカケは一人の少女


名前はわからない
年はサスケと同じぐらい
珍しい桜色の髪の毛

その表情はいつも悲しみに満ちていた。


結界を張っていた為ここには気づかれることはない

少しイタチは様子を見ていた。

いつも、この森にその少女は来ていた。

涙を浮かべ何かを言っている。
遠くからで聞こえないが・・・
ふと気になる単語が聞こえた気がした。




「サスケ君・・・」




“サスケ”その言葉を聴いたときイタチは全てを理解した。


自分がサスケに施した術・・・・
原因はそれにある。きっとサスケはまだ目覚めていないのだろう。




サスケの周りにはいつも暖かかった。

優しい両親・近所の一族
愚かだ。そんな繋がりなんて所詮すぐ切れてしまう。
サスケはいつも笑っていた。
家族の中でぬくぬくと
愚かしい・馬鹿らしい



だから奪った

大切なものを奪ったのだ。



失ってもお前はまた暖かいものを手に入れている。
お前を想ってくれている者がいる。
あの少女も然り。



きっと近づいたのは興味本位だ。


あの状態では気づかれることはない。
そっと後ろに回りこんだ。











「お前は何故泣いている?」

涙のわけなんてわかってるのに聞いてしまう。


「貴方には・・・・・・!!」


サクラは話を促そうと想ったがイタチの顔を見てやめた。

写輪眼が写ったからだ。


「貴方は・・・・・・サスケ君の・・・」
「そう・・・兄貴だ。」


言い終わった瞬間サクラはイタチの胸を大きくたたいた。


「なんで?なんでよ!!何でサスケ君を!!それに・・・それに!!」
サクラは取り乱していた。







「サスケの大事なものを奪いたかったから・・・・。」
「・・・・・」

サクラの顔は歪んだ。
そんなもののために、イタチは・・・・・




「俺は、サスケが羨ましかったのかも知れない。」
イタチはサクラの顔を自分のほうへと向けなおさせた。
「どういう意味?」



「あいつは、あいつの周りにはいつも暖かい・・・・君を含めて奪っても奪ってもなお光を増す。」

「そんな理由で・・・」
「それが重要なのだ。」
「!」
「でも、今回の件でサスケは、少しは気持ちも変わるかもしれないな・・・・。」
「・・・・・・」

イタチは歪んだ笑みをサクラに向ける。


「大事なものは裏を返せば弱点となす。」

イタチはサクラの腕をつかんだ。
あまりの力の強さに悲鳴を上げる。

「サスケが目覚めたら、まず君を目の前で殺してみようか・・・・」
「!!!」
「冗談だよ。そんなことしたら、本気で俺は殺されそうだからね・・。」

「一体何を考えているのよ!!」
「べつに、どうやってサスケを苦しめてあげようかなって・・」

イタチは本気だ。
きっと本心だ。

「なんだったら、サスケの目の前で犯してやろうか?」














気が付くと病院にいた。
目の前ではサスケが眠っている
まさか、


本気・・・・・?



「やだ・・・」
後ろへ後ろへ下がりだす。

体が震えてうまく動かない
怖い
恐い





イタチはサクラに近づいたと思ったら、その寸前で消えていた。


「・・・・・」

サクラは暫く恐怖感で暫く動けなかった。
サスケの顔を見て少し落ち着く。








きっとイタチの言っていることは本気だ。


今度あったら、さっきの言葉を実行する。



「サスケ君・・・お願い早く目覚めて・・・。」



サクラの言葉もむなしくサスケは眠ったままだ。

「サスケ君・・・・・。」

















「イタチさん、なんだか嬉しそうですね。」
「ああ、面白いことがあったんだ。」
「へえ、、」

イタチはあの後すぐ帰っていた。


「サスケの弱点を見つけたんだよ。」
「ああ、弟さんの弱点ですか?」



「面白い娘でな、今度サスケが目覚めたら楽しいことをしようと思っている。」

「まったく、イタチさんはお遊びが好きですね。」
「お前ほどではないがな・・・・」





桜の少女

穢れない少女が自分の目の前で奪われたらサスケ・・・・・





お前はどうする?





全力で俺を殺しにくるか?






「どっちにしろ、サスケが目覚めたら楽しみだよ。」






イタチは静かに笑った。












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なつかしのイタサク
突発的にイタサクが描きたくなった。
チャットでイタサクトークが少し出たらこれが思いついた。
執筆おそ!!

イタチが黒い!!
紳士なイタチが好きなのに!!
こんなイタサクも好きなんですよ。






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