もし、あなたに安らぎが無いのなら
 もし、あなたが毎夜悪夢に魘されるのなら

 私があなたの安らぎとなって
 私があなたの優しい夢となって
 そっとあなたを包み込んであげる、、、、。






子守唄





その日、はたけカカシ率いる第七班は泊りがけの任務を行っていた。
依頼はとある宿を経営している夫婦からだった。
その内容とは、改装オープンしたいのだが人手が足りないらしい。そこで、里に依頼したという、、。

「あー疲れたってばよ!!」
ナルトが思いっきり背伸びをした。第一日目終了思っていたより結構重労働だった。
コレが後、4日も続くのだ。 期間は五泊六日なのである。

「おーい!お前ら先風呂にはいいてこい飯はその後だ」
「「「はーい」」」
よほど疲れていたのか ナルト、サスケ、サクラはカカシの言うことにすぐに従い風呂場へと向かった。


「るんるん、、、、るん」

サクラは洗面道具と着替えを持って鼻歌を歌いながら風呂場えと向かっていった。
「わーひろーい!!」
浴場は広く綺麗だった。自分たちが来るまでにはもう風呂の改装は終わっていたのだろう。
サクラは新しくなった浴場でのんびり体を洗い流した。


お風呂上りサクラは開けっ放しにしてあったドアが凄く気になった。
思い切って中を見たらそこには一台のグランドピアノがおいであった。
「すごい、グランドピアノ。」
サクラは椅子に座ってピアノを弾き始めた。
(実は小さい頃からピアノやってて得意なのよね!何弾こうかな?)



「あら?こんな所にいたんですか?もうお食事の時間ですよ」
「え?」
宿の女将さんがサクラを探していたのだった。ああとサクラで揃うらしい。
「あっ!ごめんなさい」
「いいのよ。このピアノね昔はよく弾いていたのよ。今は全然だけど、、、。」
「あの、暇な時ここのピアノ弾いていいですか?」
「もちろんよ。さあご飯が冷めてしまうわ行きましょう」
サクラは女将さんに食事へと案内された。


その夜、サクラはみんなが寝静まった後さっきのピアノの部屋へ来ていた。
「本当はこんな夜中いけないんだけど静かな子守唄なら大丈夫かな?」
本当はさっきの時も子守唄を弾こうと思っていた。

サクラは知っている。自分の班のサスケは時々悪夢に魘されることを偶然知ってしまった。
もともとそんなに眠りの深くないサスケ、ここにいる時だけはせめていい眠りにつくようにと、サクラは思った。
元から音楽は好きだった。弾く曲は自分の作詞作曲の子守唄。
(私ってロマンチストね、、サスケ君のためだけにこんな唄を作るなんて)

静かで優しいメロディーが流れて綺麗な歌声が木霊する。その暖かな旋律と声は眠りについている者皆に安らぎを与えた。


「んー昨日は久々によく眠れたな」
「あっ、先生俺もだってばよ!なんかいい感じだったんだよなー!」
「お前が爆睡するのはいつものことだろう。ウスラトンカチ」
「んだと!サスケ」
「あー!もうこれから任務始まるぞ。二人とも、、、、、サクラどうした?なんか顔色悪いぞ?」
サスケとナルトは同時にサクラを見た。心なしか疲れが取れてないように見える。
「ううん。大丈夫平気よ!さあ任務、任務!!」
明らかにサクラは無理をしているように見えた。

(昨日殆ど唄ってたんだよなでもみんなそれで夢見がよかったみたい。よかった今日も唄おう!)

そして今日もみんながいい夢を見られるように安らげるようにサクラは唄い続けた。
次の日も次の日も、四日目の朝サクラにも限界が来たのか途中で倒れてしまった。
「サクラちゃん大丈夫?」
「サクラは今日はゆっくり休め」
「ごめんね。みんな」
「、、、、、、」
サスケはサクラになんて言葉をかけたらいいのか分からなかった。

ただ分かることはサクラは殆ど寝ていないことだけだった。
その日の任務はサスケ、ナルト、カカシの三人でやった。

夜中ふとサスケは目を覚ました。隣ではカカシトとナルトが熟睡していた。
そして、綺麗な歌声が聞こえてくる。ピアノの音と一緒に、、。
聞いてみるととても落ち着く感じがする。そして心地よい。

「なるほど、、夢見がよかったのはこの唄だったのか」

すこし好奇心が出たのかサスケは声のするほうへ近づいていった。無論気配を消して、
(どうやらあの部屋からみたいだな、、)
ゆっくりドアを開けてみると、そこにはピアノを弾きながら唄うサクラの姿がそこにあった。









「サクラ!!」
意外な人物でサスケは声を出してしまった。
ピアノの音と声が止まった。
「サスケ君、、、」
突然の珍客にサクラも驚いた様子だった。
「お前何してるんだ?」
「みてわかんない?子守唄を唄ってたの」
指をピアノの鍵盤に乗せた。旋律が響く、、、
「もしかしてお前毎日、、」

「うん」
「なんでだ?」
「サスケ君ていつも悪夢に魘されてるでしょ?だから私がこうやってあなたに安らぎを与えてたの」
「そうか。だからここにいる時は夢見がよかったんだな」
「えっ」
サスケの意外な台詞にサクラは顔を上げた。サスケもなんか神妙な顔つきをしている。
「サクラ」
「なに?」
「唄ってくれないか?」
「うん!」
サクラは又先ほどの曲を弾き始めた
サスケは壁にもたれかっかて腕を組みサクラの唄に耳を澄ませていた。

(サクラって唄上手いんだな、、、やべえ、、コレ聞いてると、、、、ねむ、、)
サスケは途中で寝てしまった。そんなサスケにサクラは毛布をかけてあげた。
「こんなところで寝てると風邪引くよサスケ君、、、」

「あら今日はやめるの早いのね。残念だわ。」
隣の部屋がちょうど女将さんの部屋だった。女将さんはサクラの唄が気に入っていた。
コレはサクラと女将さんの秘密だった。
「サスケ君にばれちゃった。」
「そうだったの。じゃあどうします?ここで寝ますか?なんだったら隣が空いてるからそこ使いますか?」
「ハイ。お願いします。」
サクラはサスケを空いてる部屋へ運んだ。途中起きるかと思ったが眠り続けたままだった。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」

「っつ、、、、ん」
サスケの声がした。どうやら魘されてる。今日は唄う時間が少なかったのだ。
サクラはサスケのもとによって唄い出した。














そっと手をサスケの頬へ触れた。無意識なのかサスケが手を握り返した。
唄い終わるとサスケの表情は安定していた。落ち着いたのだろう。
「いい夢見てねサスケ君。せめて私が傍にいる時はあなたは安らいでいて、、。」
そしておでこにそっとキスをした。

その後もサクラは唄い続けた。
その姿は慈しみあふれる母親のように、また慈愛の象徴の聖母マリアのように優しさにあふれていた。
横にいるサスケの顔はとても穏やかだった。


もし、眠りの天使が訪れないのなら私があなたの安らぎとなってそっと優しく包んであげるから、、





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ってかコレ シリアスになってんの?シリアス目指したつもりなんだけど、、、
サスサクよりもサク→サスな感じが、、ってかサクサス??
わお・・・今思ったけどこれがサスサク処女作品!!


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