もう一つの未来   13





性別:男の子
体重:2900グラム
母子ともに健康体。

うちはの家から第三子の誕生は、また号外を作る騒ぎとなった。
そろそろ12月が始まろうとする中、サクラは赤ん坊を抱いている。


「ありがとう。君が生まれてきてくれて・・。」


赤ん坊は、声を上げて機嫌のいい声を出していた。


「サクラ。」

「サクラちゃん!」

「いの、ナルト!!」


「お見舞い!今日退院でしょ?」

「うん。有難う二人とも。」

今日はサスケは任務でこれなかった。
心配したサスケは、ナルトといのにサクラのことを頼んでいたのだ。

「へー今度は黒髪の男のか・・。」

「サスケそのものだってばよ。」

「目はサクラの色かも知れないわよ。?」

「その方がいいってばよ。」

生まれたばかりだから、瞳は開いていない。
この子の目は何色だろう?
サスケの黒か?サクラの緑?それとも、二人のいろを混ぜた深緑でもいいなと思ってしまう。

「そういえば、シカマルは?」

「シカマルも、サスケ君と一緒の任務なのよ。」

「そうなの・・。」

じゃあ、帰ってくるのは夜ね。

「あいつの事だから、ハリキッテ早く帰ってくるってばよ。」

「そうね。」


ナルトはサクラと赤ん坊の荷物を、二人の家まで持つ。
いのはサスケが帰ってくるまで家にいるつもりだ。
まだサクラには、楓と紅葉がいる。
サクラ一人じゃ大変だからだ。

「悪いわね。いの・・・見てもらっちゃって。いのだって・・。」

「いいのよ。うちは親がいるし、サクラん家は居ないでしょ?」

流石に実家に帰ると部屋が足りなく、親を呼ぼうとしたが、
サクラの親はうちはの敷地にはいるなんて滅相もないと断られた。

「もう、家族なんだから・・。」

「遠慮してんのよ。二人の邪魔したくないんでしょ?」

「まぁ。いのがいるからいいけどさ!」



家に着くとお留守番をしていた楓と紅葉。
どうやらイイコにしていたようだ。
紅葉は初めて出来た弟に、興味心身でさっきからベビーベッドから離れない。
かえでも楓で今度は男の子だというと、嬉しそうだった。


「大きくなったね。楓も紅葉も・・。」

「いののとこだって・・。」

「めんどくさがりが二人に増えちゃってもう・・」

「あはは・・。」


ピーと鳥の鳴き声が聞こえた。
この泣き声は、暗部が任務に帰ってきた無事を知らせる声だ。

「帰ってきたみたいね。」

「そうね・・。」

「じゃ、私帰るわね。」

「気をつけて。」

「サスケ君に宜しくね。」

「そっちこそ、シカマルに宜しくね。」

「あいよ!!」

玄関までいのを見送ると、サクラは赤ん坊の眠る部屋に急いだ。
起きているだろうか?
ベビーベッドを見ると、スヤスヤと可愛らしい寝息が聞こえた。

「まぁ、これから毎日見られるからいいか。」



只今と玄関からサスケの声がした。
赤ん坊を抱き上げると、一緒に出迎える。

「お帰り。サスケ君。」

「只今。サクラ・・・そして新しく生まれてきてくれた俺の・・・」

「そうだね・・名前まだ決めてなかったね。」

「生まれてから決めよと言ってたもんな。」

サスケは流石に、返り血を浴びたまま子供を抱き上げられないから、
シャワーを浴びてきた。
サクラはゆっくりと、赤ん坊をベビーベッドに乗せた。

シャワーを終えたサスケは、子供部屋へ入る。

「冬か・・・どうするか。」

「男の子だもんね。カッコイイ名前がいいね。」

「それに強そうな名前がいいな。」



「・・・吹雪なんてんのはどう」

「凍てつく氷さえ跳ね除ける強さを・・吹雪いいかもな。」

「じゃ、きまり。吹雪。今日から貴方はうちは吹雪!」


どうかどうか健やかに育ってね。
生まれてきてくれて有難う。

一夜明けたら、サスケとサクラの同期たちは、
うちは夫婦の新しい子供の顔を見に来た。

「三人目か、よくやるわね〜。」

「可愛いでしょ?」

「うんサスケ君似でかわいい。」

「で、あんたら一体何人子供作る気?」

「いけるところまで。」

「え?!」
「ちょ・・!!」

サスケのシレっとした発言に全員が固まった。
一族復興はサスケの夢であり、野望である。

「サスケ君・・男の子2人に女の子1でしょ・・もういいんじゃない?」

「最低5人だ。サクラ。」

「え!!」


まだまだ子供を作る気満々なサスケに、一同はサクラに同情の目を送った。
同情されても嬉しくない。
同情するくらいなら・・・


「誰か!サスケ君にもう子供はいいって説得してー!!」


誰もサクラを助けてやろうだなんて思わない。
だって二人は幸せそうだから。

ずっとそんな二人でいてください。
愛する子供に囲まれてどうか幸せに、この今ある現実こそが彼らの未来であるように
たとえばこんな、なんてもうひとつの悲しい未来なんて作らないでください。

だってとても今が幸せだから、
他の未来なんていらない。















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幸せなサスサクの未来を書こうとおもったら、こんな話が生まれました。
前からサスサク夫婦ネタを書いてみたかったので、拍手の場でかけてよかったと思います。
今回で、このシリーズは終わりです。

原作も、サスケとサクラに幸せな未来が待ってますように・・・・







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