すれ違い 「市丸隊長ですか?さっきまでこちらにいたしてたんですが・・・」 「ああ、三番隊の隊長なら十番隊のところへ行くとおっしゃってたのですが・・」 これは一体何?! 別に用があるわけじゃなかった。 それだったら別に探さなくてもいいのだが・・・ 乱菊がいつも視界に入るあの男が今日は珍しくいない。 いないならいないで、スムーズに仕事が進むからいいのだが、乱菊は何か落ち着かなかった。 いつも十番隊のところへ現れては何かとちょっかいを出すギン。 今日も来るかと思えば、おとなしく何もない。 逆に調子が狂ってしまった。 仕事の量はそんなになく、比較的早く終わった。 日番谷もどこかへ行ってしまい、このまま現れないつもりか? なんか腹が立ってきた乱菊はギンを探し一発文句を言ってやろうかと思ったがなかなか見つからない。 「もう!どこにいるのよ!あいつは〜!!」 そして今に至る。 三番隊のところにはいなかったし、 吉良が相変わらず苦労人だなと改めて合唱した。 行き先を聞いていってみたら、さっきまでいたがもういない。 今度の所では、自分の所に向かうといっていた。 なんだ、今日は遅いだけだったのか。 気を取り直して帰った。 きっと今は十番隊の執務室は誰もいないから、もしかしたらいないかも知れないが・・・ でも、もしかしたら待ってるかもしれないと思って期待してみる。 あ、そうだ。 この前七緒からもらったおいしいお菓子があったんだ。 お茶でも入れてやろう。 一体自分は何を考えているんだろうと思いながら、十番隊の宿舎へ戻った。 部屋を空けるとガランとしている。 ああ、やっぱりいないのか・・・・ こうなるなら待っていたほうがよかったのかもしれない。 でも、なんで自分は一人の同期の男にこんなにも振り回されているのだろう? 「・・・声に出して叫びたいわ。全く。」 お菓子があるからお茶でも出してやろうなんて考えた自分が馬鹿だった。 「何を叫ぶん?乱菊?」 「はひゃあああああ!!!」 ガバっと後ろを振り向くと、いつもの銀色のお邪魔虫がいた。 「な・・・あ、アンタいつからここにいたのよ?!」 「え?ついさっきや?それにしても今日の十番隊隊長さんはいやに機嫌がよかったわ〜。」 「あぁ・・今日は仕事が比較的に少なかったから、終わって隊長も好きなことしてんのよ。」 「なに乱菊もう、終わったの?」 「アンタたのところはまだでしょ!早く吉良の手伝いに行ってやんなさい!」 「え〜、いやや。せっかく乱菊に会えたのにぃ〜。」 ギンは口をとおがらせ、乱菊に抱きつく。 「もう、やめなさいよ!」 さりげなく手が胸にいっているのを阻止し、離れる。 「そういえば、乱菊今日はどこ行ってたんや?」 「え・・・」 まさかアンタを探していましたなんていえない。 言ってしまったら最後。 この男は浮かれて死んでもはなれない・・・。 「別にどうだっていいでしょ?」 「それに叫ぶってなんやの?ちょう気になるわ。」 「アンタのせいよ・・・。」 「?」 「あぁ・・もういいから!」 「えぇ?なんやの一体ごっつ気になるわ!」 「あ、そうだ七緒からおいしいお菓子をもらってんのよ。食べる?」 「話をごまかしても駄目や。」 「う・・・」 この男はなにかと自分にかまう。 もう慣れたけど・・・いいたくない事だってあるのに・・・ 「アンタは今までどこにいたのよ。」 「?」 「アンタはいつも私のところへ来ては仕事の邪魔をして・・・・今日も来ると思ってたのよ! それがなかなかこないし。なんか調子狂うし・・だから文句を言ってやろかと・・・」 赤面する乱菊に市丸は口をポカーンをあけてしばらく動かなかった。 「ギン・・・?」 乱菊が手を目の前で動かして意識があるのか確認しようとしたときだった。 「乱菊ボクめっちゃ嬉しいわ!」 「!!!!」 「な・・なんなのよ!」 また抱きつかれ離れようとしたが、今度は力の加減が先ほどの倍だ。 抜けられない。 「なんや乱菊もボクを探しとったんやな。」 「な!!違うわよ文句を言いにいこうと!!」 「隠さんでもええわ!ボクも乱菊に会いに行こうとしとったんやから〜。丁度すれ違いになってたんやな〜。」 「ああ、もう!わかったから放しなさいよ!!」 やっとギンから逃れた乱菊は恥ずかしさのあまり、耳まで真っ赤だった。 「なぁ・・・今度は乱菊がうちに遊びにおいでよ。」 「死んでもごめんよ。」 「んな殺生な・・・」 ギンの行動がエスカレートしたため、乱菊に追い出されたギンはしぶしぶと自分の宿舎へ戻った。 「あ・・市丸隊長お帰りなさい。」 吉良は市丸の顔を見るなり、また追い出されたんだなと悟った。 「・・・あ、でも隊長、乱菊さんと会えたんですね。」 「ん?どういう意味やイヅル?」 「乱菊さん昼間、隊長探しにここまで尋ねてきたんですよ。」 「!」 ギンの顔がパっと明るくなった。 イヅルはどうやら余計なことを言ってしまったと思ったらしい。 しばらくギンもおとなしくしようと思ったが、やっぱり毎日乱菊のところへ行きちょっかいを出すことにした。 乱菊に合掌 -----------------------------END----------------------------- 書いていくうちにわけわからなくなった。 この題から瞬時にこの内容が浮かんだ。 ほとんどの人は恋のせつない内容を書くと思うんだが・・・ 私はコレが浮かんだ。 なんか最後をどうしめくくろうか苦労したがあやふやになってしまった。 そりゃこの文30分もかかってないから・・・。 あちこちおかしいです。 お題は難しいよ。_| ̄|○ |
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