差し伸べられた 手






一緒に行きたかったのは本当。

でも、ギンは今の乱菊には恐ろしい存在以外何者でもなかった。

幼少の頃から時を一緒に過ごし、
死神になる決意をして、学校に入り、
護廷十三隊とギンと乱菊は順風満帆な道のりを歩んできたはずだった。


でも、それは乱菊の思い違いだったのかもしれない。


ギンは尸魂界を裏切り去っていった。



---------------------ゴメンな---------------------


「謝るぐらいなら最初からするんじゃないわよ。」


「え〜、しょうがないやろ?」

「な!!」




今乱菊の目の前にいるのは、紛れも無く市丸ギンだった。
どうして?


何故今彼はここにいる?

尸魂界の警護はあの事件があってからは、警戒態勢に入り尋常ではない厳しさになっているというのに・・・。
それさえも今のギンには通用しないというのか?
もしかしたら仲間がいるかも知れない・・・

乱菊は距離をとろうと離れ、様子をとる。


「なにそんな顔しとんの?乱菊?」

「あんた!今更何しにきたのよ!!」

「え?きまっとるやろ?」

ギンは何食わぬ顔で、乱菊に近づき手をとった。

「え?ちょっと・・・・」






「迎えにきたんよ。」






一瞬、何を言っているのかわからなかった。
迎えにきた?どういう事だろう。

「ギン、離して。」
「嫌や。」
「・・・私はここを離れる気はないわ。」
「ボクは乱菊は一緒にいきたいんや。」
「嫌よ。」


両者一歩も引かない。


「ギン、私は・・・行きたくない。たとえ貴方と敵対することになっても・・・。
 私の事を信頼してくれている人達をおいては行けないわ。」

これは自分へのけじめ
これは貴方へのけじめ


初めて差し伸べられたては、戸惑いがあったけど信じられた。
じゃぁ、今は?
今は受け入れられない。
もう戻れないのだから。

「アンタから去っていったくせに、今更なによ。もうそろそろ人が来るわ。
 今なら何も言っておかないでおくから、早く行って・・・・・。」

ここは決して人気のないところではない。
気づかれるのも時間の問題だ。
乱菊は副隊長だ、帰りが遅いと上司も部下も探しにやってくるだろう。

「・・・堪忍やな。ほな仕方ないわ、今日は諦める。けど・・・ボクは諦めるつもりないで・・・」

ギンも気配に気づいたのか、近くに誰かの気配がした。

「じゃぁ乱菊、またね。」


ギンは一瞬のうちに消えていってしまった。







「・・・松本副隊長!!」


入れ違いに数人の部下が探しに来た様だ。

「あ、ごめんごめん。もしかして隊長探してる?」
「そうなんですよ、早く行ってあげてください。」
「わかった、ありがとう。」

部下はそういうとぺこりとお辞儀をして、自分の持ち場に戻っていった。


「・・・間一髪ね。でも・・・ギン今度はきっと・・・」




刀を貴方に向けるわ





”迎え”と言う言葉に一瞬でも心が揺らいでしまった自分を消すために

もう、相容れぬ道にいる。













-------------------------END-------------------------


もっとラブラブな二人を書いてみたい。
でもこの二人って、シリアスなイメージが強すぎて・・・
ギャグとかかければいいのにな。

なんか別れの話ばっかり書いてる気がする。
もっと普通のギン乱がかきたい・・・・・

なんかブリーチの話って書くの難しいと思うのは私だけ?
慣れの問題なのだろうか?





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