*最終回 if もしネウロとシックスが相打ちだったら






ありがとう、皆。







花束を持つのは久しぶりだ。
自分の好みで選んでしまったので、相手に喜んでもらえるかどうかは分からない。
そもそも、その相手がどんな反応を見せるかなんて分からない。

花束を贈りたい相手は、既にこの世から去っているのだから。


墓の前に膝をついて線香をあげる。
両手を合わせて、この墓に眠る相手の冥福を祈った。

本当はもっと早くこうするべきだったのだが、なかなか時間が合わせられなく、
四十九日の今日、やっと訪れることが出来た。


「終わったよ。笹塚さん・・・、シックスはこの世からいなくなった。」


私達人間が勝ったんだよ。
その勝利には、大きな犠牲を伴ってしまったが・・・・。

ネウロとシックスの戦いは互角だった。
互いに相打ち。ネウロも永遠の眠りについてしまった。

「ね、笹塚さん。そっちにネウロいる?」

彼は魔人だから、もしかしたら地獄でのんきに暮らしているかも知れないけど・・・
弥子は笹塚以外にも花束を用意していた。

「ごめんね、笹塚さん。私そろそえお行かないと・・・。」


立ち上がり弥子は最後の笑顔を見せた。











「よっと、相変わらずここは不気味だな。」

本当なら二度と来たくなかった森。
ネウロとシックスとサイを撃退した場所。

「でも、一人じゃ淋しいよね?サイ・・・。」


看取った弥子が吾代と一緒に作った粗末になってしまった墓。
そこに植えた木は、少しばかり成長をしていた。

「君も向こうでアイさんと楽しくやっていたらいいね。」

持っていてた花束を添える。

「ね、サイ。アイさんに宜しく言っておいてね。」

以前、アイに世話になった事がある弥子。
あのブランドのハンカチを貰った事は、未だに忘れていない。










「で、最後になっちゃってゴメンネ。ネウロ。」

シックスと最後の戦いをした場所。
シックスの死体はそのまま警察に引き渡され、処理されていたが、
ネウロはそのままココに眠っている。

サイよりかはマシに作った墓だが、これじゃネウロも気にいらないと化けて出てきそうだ。

「アンタのことだから、地獄でも支配しようとしてるんじゃない?」

ふと、地獄の万人を虐めているネウロの姿が、容易く想像出来てしまった。


「あれからね、私ね、普通の女子高生に戻ったの。事務所も閉めちゃった。
 あかねちゃんは、あんたの瘴気がないと駄目みたい・・・。動かなくなっちゃった。」


不思議にと意志を通わす髪の毛とも別れを告げて、何もない生活に戻っている。
ネウロと会う前の、普通に学校に通って、友達と遊ぶそんな生活。


「私ね、ずっとお礼が言いたかったの。ネウロのお陰で私お父さんの死から立ち直れて
 アンタの仕打ちは理不尽だったけど、悲しさなんて忘れるぐらいに・・・。」


楽しかった。



だから、疲れたよね?ネウロ。



「お休み。 ネウロ。」


最後の花束は投げられた。


みんな、ミンナ・・


「大好きだったよ・・。」





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まさか、19才弥子ちゃんがあんなに美人になってるのは驚いた。
弥子ちゃんは髪の毛長いほうが可愛いよ。
あの肩ぐらいの感じが凄くよかったです。



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