風にのって







「ネウロってさ、空飛べるの?」

「なんだ?急に・・。」

「いや、ちょっと疑問に思ってさ・・。」













いつものように、学校が終わりそのまま事務所まで走ってきた。
ドアを開ければネウロはモトの鳥の姿に戻っていたから一瞬どうしようかと思った。


あわせせ”早くそれをしまえ”なんて思わず命令口調になってしまいお約束通り嘴を頭につつかれた。

「痛い!痛い!痛い!」
「誰に向かって命令している?この豆腐め。」
「や・・・ごめんなさい・・。」

「分かればいい。しかしかなか良い謎がこない。」
「そんな頻繁に殺人事件があったら困るよ。」

弥子の言うことは正論なのだが、謎を主食としているネウロにとっては面白くない。

「それよりネウロ、早く人間に姿にならないと依頼人が突然きたら困るよ。」
「・・・仕方ない、エネルギー消費の節約で戻っていたのだが・・。」

ネウロは一瞬のうちに、綺麗に整えられた人間の顔になる。
黙っていれば誰もが惚れるであろうその顔・・・
そういえばここずっと、人間の顔しか見てなかったけど、ネウロは鳥・・・なんだよね?
と改めて思ったのである。

頭は鳥で体は人間。
羽とかあるのだろうか?鳥なんだから、飛べるのかな?なんて思ってみたらすぐに疑問が声に出てしまった。




「ネウロってさ、空飛べるの?」

「なんだ?急に・・。」

「いや、ちょっと疑問に思ってさ・・。」



弥子と同じ立場になった人間はきっと同じことを思うだろう。
”鳥”なのだから・・・

重力を無視できるのだから飛ぶなんてたやすいだろう。

「フン、そんなことか・・・そんなの当たり前であろう。」
「飛べるの?!」

弥子の顔が明るくなった。
子供が新しい玩具を手にしたような興味のある顔。

「なんだ?その顔は・・・」
「あ・・いや・・・その・・・」

「言え。」


ネウロの手の形が見る見る内に凶器へと変わっていく・・・


「いや、いや、別に変なことなんか思ってないよ!ただ・・・」
「ただ?」

「その・・・飛べるっていうからその、飛んでるところ見てみたいなって・・・」


子供のような意見で弥子は恥ずかしくなり、語尾が小さくなった。

「なんだ?そんなことか」

ネウロは興味なさそうに、もとの机についてパソコンをいじり始めた。

「なによ?!いいじゃんそう思ったて!気持ちよさそうジャン!!」








「じゃ、飛んでみるか?」
「へ?」
「飛んでみるかと言ったのだ。」

「でも・・・人間はそらを飛べません・・。」

この魔人は時々突拍子もないことをいう。
そういうことに限って結構、嫌な目にあうケースが多い。

そのサディスト魔人のことだ。今日は一体どんな目に・・・・



「だからこうするのだ。」

ネウロの頭から角が出てきた。
あぁ・・やっぱり鳥に戻るのかと思ったらどうやら違う形態だった。

ネウロの背中から大きな羽が出てきた。

「どうだ?驚いたたか?」

あいた口がふさがらなかった。
これはこれでカッコイイななんて、馬鹿な事思ったりもした。


「すご・・・天使みたい。」

「天使とはな・・・祈ることしか出来ない種族と一緒にするな。そら行くぞ弥子。」
「え?あ、きゃ!!」


目を開けると事務所のビルの屋上だった。
まさかここから落とされるんじゃ・・・・

「ネウロ・・・まさか・・。」
「せっかく貴様が飛びたいというから、ここまで来たのだぞ?」
「だから、人間は飛べないって言ってるでしょ?」
「そんなの知っているぞ。だからこうするのだ。しっかりつかまっているのだぞ。」

「え・・・あ、きゃー!!」


ネウロは弥子の体を抱き上げて、ビルの屋上から飛び降りた。

「いやぁぁーーー!!」

「ばか者。よく見ろ。」

「え・・・・」

そういえば、落ちている感覚がない。
ネウロにつかまっている状態ではあるが、自分は中を浮いている。

「わ・・・すごーい。」
「さて、いかがですか?先生?」

いつの間に、ネコかぶりの性格にかわったのか・・・?

「すっごい!すごいよネウロ!・・・そうだ姿とか大丈夫なの?」
「そんなのさっきアレをかけておきましたから大丈夫ですよ。」

・・・魔界777ッ能力か・・・いつの間に・・・


「でもすっごい。こんな気持ちいい展望台初めてだよ。」
「そうですか喜んでくれて僕も嬉しいです。それでは先生もっと高いところへいきますよ。」
「わ!!」

「しっかりつかまっててくださいね。」


羽が大きく羽ばたいた。

「気持ちいい風が当たる。ありがとう、ネウロ。」
「我輩の気まぐれに無理やり貴様をつき合わせただけだ。」
「あ、いつものネウロに戻った。」

「そんな先生ひどいv」

「いたたた!」


身動きできないことをいいことに、容赦なくつねられた。


「ハハハ。」
「ハハハじゃないわよ。痛いやめてよ。」

「それなら手を払いのければいいだろう。」
「出来るか馬鹿〜!」

手を放せば、まっ逆さまに落ちてしまう。
それを知っていてそんなこと言ってくるから腹が立つ。
しかもこんなことしてる癖にこの魔人は十分に自分を支えてくれていないから余計だった。


扱い方は不服であったが、彼なりの自分への報酬なのだろうだろか?
こんな事初めてだった。
何かと心を読まれてしまっているため、不満があったがこんな事をしてくれるのならたまにはいいなと思ってしまった。





「む?謎の気配がするぞ!空中散歩をしてて正解だったな。弥子行くぞ!」
「わ!!ちょっと降りるならせめて人気のないところで降りてよ!」


・・・・前言撤回きっと謎探しだ。


ま、それでも望みを叶えられたのだから、それはそれでいいと弥子は思った。













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初書きネウヤコ
うっかりネウヤコにはまってしまった自分。
タイトルがいいの思い浮かびませんでした。
しかもなんか展開おかしすぎ!!

実際ネウロって飛べるのかな?なんて思いながら書きました。
羽とかあったらいいな何ておもったり、原作でも二人で空中遊泳して!!

・・・ネウヤコ難しいです。
特に言葉遣い。しかもネウロ・・イキナり助手口調になっちゃったり
おかしいところたくさん・・・・・
ネウロ書くの早く慣れたい・・・・。






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