寝顔






階段をあわてて駆け上がり、事務所の扉を開ける。

「まだ、セーフよね?!」


弥子は勢いよく駆け込んだが、事務所はしんと静まりかえっていた。

「あれ?」


弥子は携帯のメール文面を確認する。

”10分以内にこい、できないなら体中の間接を逆に折る”

で、一応ギリギリでついたのだが・・・・


「あかねちゃん。ネウロは?」

パソコンでメールの対応をしていたあかねは毛先で、ネウロのいるところを刺した。
そこにはソファで寝ているネウロの姿がある。

「あ、寝てる・・・。」

こっちは必死で走ってきたのに、こっちは居眠りかよ!
と毒づきたかがったが、いつ起きてくるかも分からないので黙っていた。
しかし珍しいものだ。
あんまりネウロが寝る姿を弥子は見たこと無かった。
誣いて言えば以前に温泉地に行ったときぐらいか?

無理やり起こしてもなにかされそうだなと決めた弥子はネウロが起きるまで、大人しくしていることにした。


向かい側に座り、あかねから紅茶とクッキーをもらう。

「ありがとう。あかねちゃん。」


紅茶を人のみして、ネウロの顔をマジマジと見る。


作り物だけど綺麗な顔だな。


人間らしからぬ色素の髪の毛(本人は染めてると言って誤魔化しているが・・・)
綺麗な輪郭に、シャープな顔のパーツ。
街を歩いてると女性が9割がた振り向いているのは、気がついているのだろうか?

あぁ、まつげも長いな。
一体この顔はどうやって決めたのだろう?
どっかのモデルの顔でも参考にしたのだろうか?

「もうちょっと綺麗じゃなかったら、嫌えるのに、諦めもつくのにな・・・」

所詮外見も、人を見る目にカウントされる人間に、外見がいいことはポイントは高い。


「はぁ・・・見てる人はみてるんだよね。」


女性誌の恋人にしたい人ランキングに、堂々とトップ10入りを果たしている
桂木探偵の助手。

7位脳噛ネウロ(桂木弥子探偵助手)
”カッコイイ””ミステリアス””探偵さんが羨ましい!!”などと書かれていた。

「あんた目立つのがいやなら、もうちょっと不細工な顔にしてよ。そしたら・・・」


そうしたら、私もネウロの事好きに・・・ならなかった・・・?


「早く起きてよ。ネウロ・・・私、惨めになっちゃうじゃない・・。」











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弥子ちゃんは「私はネウロの事が好きなの〜?!」って内心混乱してたら面白いな。
ネウロVSサイ後の、お手手ギューがとっても忘れられません。

人の心というものを知らないネウロの事だから
弥子ちゃんがこういう気持ちになっていることを、理屈ではわかっていても
肝心の心は、なにもわかっていないんだろうな・・・。








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