櫻の中に異質な黒。

月の夜に魅せられて

丑三つ刻にせせら泣く。




黒鴉の寝床




サクラは桜を見つめていた。

夜に咲く華は白く
これが本当に災いの木なのかと思うと
軽い眩暈がした。




桜ノ木ハ血ヲ吸ッテ生キルンダ。




同じ名前の、この木が
それほど残酷な性格をしているのは
きっとわけがあるのだろう。

そう、思った・・・。
























がさっ。
























「誰」

木の上から音が降る。
何かが木の枝と華に触れた音。

「誰」

もう一度、桜に向かって声を投げた。
しかし、返って来たのは沈黙。

桜が揺れる。

―― こんな時間に・・・誰?

今は丑三つ刻。
草木も眠る深夜の時間。
サクラは闇の中
空へと伸びる桜に触れた。

「出て来なさい」

そして、現れたのは。




「こんばんわ」




黒鴉の面・・・。









「貴方は誰?」
「見ての通りだよ」

面により遮られた声は
それでもよく通った男のモノだった。

―― 怪我してる。

サクラは男の腕から血が出てるのを見た。
男もその視線に気が付いたのか
面の奥で笑ったのがわかった。

「ここは俺の寝床でね」
「桜に血を与えているとでも?」
「聡いな」

男は笑った。

「君はこの木の精かな?」

そこで、サクラに高揚感が沸く。
この男は大丈夫だと・・・。

「そうよ」
「それは凄い。俺の血は美味いか?」
「わからないわ」

そこでサクラは男から視線を逸らした。

「貴方が与えているのは
 【桜】であって【私】ではないもの」
「・・・そうか」

ふっ。
空気が揺れたかと思った次の瞬間には
木の上に居た男が目の前に現れていた。

「!」
「驚いたかい?」

目を開いたサクラの前に
血に濡れた腕を差し出した。

「桜は与えられた血によって華の優劣を決める」

尊いのは【血】だと。
男は語る。

「・・・そう」

サクラは男の腕に触れた。
ゆっくりと唇を近づけて
その濡れた場所へと舌を這わす。




ぞくっ。




二人の肌に鳥膚が立つ。

そのままサクラは腕を支えて
持っていたハンカチを傷に巻きつけた。

「・・・どういうつもりだい?」
「血を与えすぎると桜も枯れるわ」

桜にも限界はある。
そう、呟いた。

傷の手当てが済むと
サクラは男に向かい合い。




「あまり桜に近寄らない方がいいわ。
 自分でも気付かないうちに狂わされるから・・・」




くすっ・・・と、サクラの微笑を見て
男もまた、微笑んだ。

「もう、狂ってる」

サクラの細い髪を摘んで
鴉の嘴に口付けた。

「君の所為だ」

頭を撫でると
男は闇の中へ消えて行った。




それが始まりだった・・・。
























月が照らす中
桜の木の下に残されたサクラは
大きく深呼吸をして、囁いた。

「【私】の優劣はあの人の血で決まるのね」

口の中にまだ残る血の味。
与えられた血によって
華の価値が変わるのならば
サクラはあの男によって
価値は決められた。

「私も狂わされたかしら?」

白く輝く桜を見つめて
居なくなった鴉を想った。




桜が風に揺られて笑った・・・。




end




高柳紗雪様のリクエスト
「イタチ×サクラ」です。

イタチの名前が出てこないのは何故。(汗)

鴉に重点を置いたらこうなってしまった。
そして、サクラと桜もややこしい。(笑)

サクラが傷を舐めたのは消毒です。念の為。
でもイタチ兄さんの方は一目惚れでv

・・・紗雪様。スミマセン。(土下座)

―― ゾロ番・22222のリクエスト小説です。







キャー!!御巫様のイタサク最高です!!

一目ぼれですか!!
私のツボしっかり押して手最高です
イタチの名前が出てこないのがまた良い味出してます。

22222踏んでイタサクリクしたらこんな素晴らしいものが、、
御巫様ありがとうございました






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