みんなはあなたを、
 
まるであじさいの花の様だというけれど・・
 
【・+・+花言葉+・+・】
 
「おはよう、サスケくん」
「・・はよ」
今は任務のための待ち合わせ時間。
いつもなら、サクラのマシンガントークと言っても良いほどのおしゃべりが始まるのだが、今日は違った。
「???」
(サクラのやつ、今日は静かだな。つまんねぇ)
実はサスケ、いつもうざったそうな顔をしていても、サクラと一緒にいるのは嬉しかったりするのだ。
その時、サスケはサクラが何か本を読んでることに今更ながら気づいた。
 
「サクラ?」
「んー?何〜サスケくん」
返事はするものの、サクラの視線は本に向いたままだ。
これにサスケは、少しムッとしたが、
「サクラ、何読んでるんだ?」
「へ?ああ、これよ」
そう言ってサクラが見せたのは、
『花言葉物語』
という本だった。

「・・花言葉?」
「うん!とっても面白いの!いのにどうやったら花言葉そんなに覚えられるの?って聞いたらくれた〜」
「なんで花言葉なんて・・」
「楽しいわよ?そうね、今使う花言葉といえば・・」
サクラは一つの花を見せ、
「この花、木蓮ね。」
「もくれん?」
「そうよ。木蓮の花言葉は『自然への愛』なのよ。」


「なるほど・・」
「フフフ、サスケくんにはわからないかしら?」
「んな!バカな事言うんじゃねぇ!わかるぞ、花言葉くらい!」
「じゃあ、山梔子(くちなし)の花言葉は?」
「・・・・・・・・・」
「わからないじゃない。サスケくんってば!」
「んなもんいちいち覚えるか・・」
「さっきと言ってる事違う気がするけど、ま、いっか!山梔子の花言葉はね。『私は幸せです』だよ!」
「私は幸せ・・?」
「うん!だってサスケくんとこんなに話せるなんて、すっごく幸せだもん!」

「な・・・・///」
「真っ赤だよvあ!ナルト達来たよ!おお〜い!」
 
「あ!サックラちゃ〜ん!おはようってばよ!途中でカカシ先生と会ったってばよ!」
「やあ、みなさんおはよう」
「遅いわよ!二人とも。3時間遅刻!」
「・・・ハァ」
「ごめんってばよ〜」
「まあまあ、いつもの事じゃないか〜さて、今日実は任務ないんだよね!だから花園に行こ〜!」
「花園?!やったー!!しゃーんなろー!」
「なんで花園に行くことになるんだ?」
「んー?お前等も大きくなったら好きなやつとかに花束送ったりするようになるだろ?その時のために花束作りの練習」
「げ〜!俺ってばできないってばよ!」
「サクラに聞けば大丈夫だろ。ねっ、サクラ?」
「うん!あ〜楽しみね〜!」
 

「うわ〜!!キレ〜!!」
「じゃ、適当に作ってればいいから。じゃ!」
「あ!カカシ先生ってばどっか行っちゃったってばよ!」
「とっとと終わらそうぜ」
 
「サクラちゃん、どういう花の組み合わせがいいのかな?」
「そうね、まずは花の特徴を考える事ね。」
「特徴?」
「ええ。たとえば、このコスモスがメインなら、こっちのふじばかまはオマケみたいなかんじ」
「かわいいってばよ!」
「でも、どうせならでかい花を合わせた方がいいんじゃねーか?」
「サスケくん、違うわ。花は競い合っちゃだめなのよ。変になるわ」
「そういうもんなのか・・」





「次に、色合いとかかしら。メインの花に合うような色の花をつけるといいわね」
「ふ〜ん、なるほどなるほど・・」
「他にもあるのか?」
「ええ。最後に花言葉。正反対の意味を持つ花なんかは飾るとあまり綺麗じゃないわ」
「花言葉なんてわかんねぇってばよ!」
「同感だ・・」
「私に聞いてくれればいいわよ!さあ、ちゃっちゃとやりましょう!」
 
「サクラちゃーん!こんな感じどう?」
「ここの花園季節に関係なく花が咲いてるから嬉しいわってナルト?どれどれ?」
「このピンク色の花に白っぽい花だってばよ!」
「あ〜萩の花になずなね〜あ!アンタさ〜これ見つけた時何か考えながら選ばなかった?」
「うん。考えてたってばよ。」
「何を考えてたの?」
「別に・・この花ヒナタにあげたら似合うだろーなーって・・」
「やっぱりね!この花を見ればすぐわかるわ!」
「??花言葉?」
「うん!萩はね、『内気』や『想い』って花言葉があるの。なずなは『すべてをあなたに捧げます』。
 つなげて考えてみると、「内気な想いを持ってる君に、俺はすべてを捧げます」ってところかしらね。」


「う、うわー!うわー!俺ってばなんでそんなこと!でも、ヒナタは好きだし・・ってあー!!
 俺ってばどうしたんだってばよ!だってばよー!だってばよー!」
「混乱しないの。いいじゃない。ヒナタにあげなさいよ。喜ぶわよ?」
「そ、そうかな。じゃあ、今度渡すってばよ!」
「今度じゃなくて、今日の帰りにでも渡しなさいよ!」
「そっか!じゃあそうしよっかな!ところでサスケは?」
「あっちの方で花選んでる・・私行って来るね!」
「うん!またわかんなくなったら聞きに行くってばよ〜!」
 

「くそ!花言葉なんてわかんねーよ!」
「サスケくん?なんか・・怒ってる?」
「サ・サクラ!ま、まあ・・花言葉がわかんねーからな」
「言ってくれればこっちに来たのに。どれどれ?」
「あの赤っぽい花と、色んな色の花」
「ああ、あれはエリカと時計草ね。・・・?」
「どうした?サクラ」





「ね・ねぇ、サスケくん。もしかして今、好きな人いる?」
「な!!なんでそんなこと聞くんだよ//」
「いいから!好きで好きでしょうがない女の子っているの?!」
「うっ・・まあ、いるけど(目の前にな)」
「そ・・そんなぁ・・」
「なんでそんなこと急に聞くんだ?」
「エリカの花言葉はね、『孤独』なの・・時計草は『恋の激しい苦しみ』・・」
「??だからなんだってんだ?」
「だから!「孤独な俺が恋をして、その恋で激しい苦しみを味わっている」って意味じゃない!」
「な!!言っておくが俺は孤独じゃねーし、苦しみを味わうどころか毎日幸福に溢れてて困ってるくらいだぞ!」
「だって・・花は人の気持ちを表すもの・・」

「花に翻弄されてたら生きていけないだろ・・安心しろ、お前が悲しむ相手じゃねぇから」
「ホ・ホント?いのとか?でもいのにはシカマルくんがいるよ?」
「なんで山中になるんだよ・・大丈夫だから、安心しろって!ほら、お前も花束作りすれば?」
「あ!そうだね!じゃあ、サスケくんとナルトとカカシ先生に作ってあげるね!」
「ああ・・」
 

「そうね、カカシ先生にはこれでしょ、ナルトにはこれでしょ、サスケくんには・・この花ね。」
 

「おおーい!お前等そろそろ帰るぞー!」
「見て見て先生!俺ってばこれヒナタにあげるんだーv」
「おー綺麗じゃないか。ヒナタも喜ぶだろうな〜」
「花束作りって結構おもしれーもんだな・・」
「サスケは2つも作ったの?なんか以外だなー」
「ねえねえ!私、みんなに作ったよ!もらってくれるかしら?」
「マジ?!やったってばよ!ちょうだい!サクラちゃん!俺のガーデニングセットに加えるってばよ!」
「俺もウッキー君の隣にでも置いておくかな。」
「それにも花言葉があるのか?」

「うん!はい、これがナルト」
「うわー!これ綺麗だってばよ!なんて花?」
「これはね、フリージアに菜の花よ!」
「花言葉は?」
「フリージアが『無邪気』・『純潔』、菜の花は『快活』よ!元気で明るいナルトにぴったりじゃない?」
「そうだってばよ!絶対枯らしたりしないからね!」
「当たり前よ!あ、ハイ、カカシ先生。」
「おー昼顔にすずらんか。ありがとうな、サクラv」
「いえいえ、先生にはいつもお世話になってるし」
「ところでサクラ、この花の花言葉は?」
「えっとね、昼顔が『絆』・『親しいつき合い』、すずらんが『純愛』・『幸福が訪れる』とかよ!
「親しいつき合いで、7班の絆を愛してくれてるから幸福が訪れる。」って意味なんだけど」
「なるほどー、サクラちゃんスゲーってばよ!」
「嬉しい事言ってくれるね、サクラ」
「えへへ。じゃあ、最後にサスケくん!」
「あ・・サンキュ」
「この花はなんだってばよ?」
「これはね、アイリスに霞草(かすみそう)に胡蝶蘭(こちょうらん)よ」
「で、この花の花言葉は?」





「えへへー、内緒v」
「なんで?!なんでサスケのだけ内緒?!」
「言えない花言葉でもあるのかな?」
「そ、そうなのよ!いいからいいから!気にしない気にしない!」
「ううー、気になるってばよ・・」
「ナルト!ヒナタにあげるんじゃなかったの?早くしないと日が暮れちゃうわよ!」
「いっけねーそうだった!じゃ、また明日ね、サクラちゃん!」
「それじゃ、俺も帰るか〜」
「じゃあ、さようなら先生!花枯らさないでくださいね?」
「わかってるよ〜じゃあ、また明日v」
「さて、私も帰ろうかな。サスケくんは?」
「帰る・・」
「じゃあ行こっか」
 

「・・サクラ、この花、お前に・・」
「え!私にくれるの?うわぁ、嬉しい!ありがとうサスケくん!」
「いや・・それより、さっきお前がくれたこの花束・・花言葉なんだよ?」
「え?うーん、中にカード入れておいたから帰ったら見て?」
「そうか、わかった」
「・・サスケくん、この花言葉、知ってて私にくれたの?」
「フッ・・当たり前だろ?お前に渡すものならそれくらいわかってる」
「///ありがとうサスケくん!!ホントにホントにすっごく嬉しいよ!」
「うわ!だ、抱きつくな!ほら、ここで分かれ道だぜ?」
「あ、ホントだ〜もうちょっと話してたかったのにぃ〜」
「俺は早く帰ってこのカードが読みたいんだがな・・」
「あ!そっか!じゃあ、絶対帰ってからよ?ではでは、また明日!」
「ああ。また明日な」
 

「一体サクラはなんでカードにしたんだ?」
 サスケがカードを開く。そこには−−−−−−
 
 
− サスケくん。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                                         
 この花、「アイリス」「霞草」「胡蝶蘭」の花言葉はね、         
                                         
 アイリス=恋のメッセージ                         
                                         
 霞草=清き心                               
                                         
 胡蝶蘭=あなたを愛します。                                              
 
 です。                 
                                                    
 「恋のメッセージ。清き心を持ちしあなたを愛しています。」 
                               
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 
 
「・・あのウスラトンカチ・・///」
「こんな意味の花をくれやがって、俺のやった花の意味もわかってたんじゃねーだろうな・・」
 

「えへへ。サスケくん、この花の花言葉ホントにわかってたんだろうね?」
「桜にコスモスにれんげ草・・か。競い合っちゃ駄目っていったのに。まあ、花言葉が嬉しいからいっか!」
 
 桜=優れた美人
 
 コスモス=少女の愛情
 
 れんげ草=私の苦しみを和らげる
 
「つなげてみれば、「優れた美人のあなたの愛情が、私の苦しみを和らげる」ってトコかしら」
「サスケくんって・・ホントは優しい人なんだよね。」
 
「今度は南天の花をあげようかしら?」
「次はペチュニアでもやるかな・・」
 
 南天=私の愛は増すばかり
 
 ペチュニア=あなたといると心が休まる
 

 
 
 みんなはまるで、
 
 あじさいの花の様に『あなたは冷たい人』だと言うけれど、
 
 みんなは知らないだけ。
 
 あの人は、サスケくんは・・・
 
 ホントはとってもとっても、春蘭の様に『飾らない心』の持ち主で。
 
 嫁菜の様に『隠された美しさ』を秘めていて。
 
 勿忘草(わすれなぐさ)の様に『私を忘れないで』といつも願っている、
 
 私が『あなたを信じます』と花菖蒲(はなしょうぶ)を渡したくなる様な人。
 
 愛するあなたに捧げます。
 
 花を通して通じる気持ち。
 
【花言葉】と呼ばれる、私の気持ちの伝え方v
 
                                 
                                    終わり
 




すご〜い!!
花言葉の数々素敵!!

あず様こんな素敵な小説ありがとうございました。
優れた美人のあなたの愛情が、私の苦しみを和らげる とか
恋のメッセージ。清き心を持ちしあなたを愛しています。
とか、、

最高にいい〜!!!!

おかげさまで、私サイトに華ができました。
どうもありがとうございます!!



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