EAT HAVE





「え?料理を教えて欲しい?」
「はい、そうなんです!」


ミレイはリャーリーに相談があると、話をされた。
きっとルルーシュの事だから、からかってやろうと思っていたが違うらしい。

「でも・・・?何で?」
「その・・・ホラこの前ミレイさんカレンの歓迎会の時、料理してたじゃないですか。
 前から思ってたんですけど、私もあんなふうに作れたらいいなって・・。」

もじもじと恥ずかしそうにしゃべるシャーリーに、ミレイは任せないと胸をはる。

「でもどうして?シャーリーいつもお弁当作ってきてるじゃない。」
「そ・・・それは、いつも適当だから・・・だから!ちゃんとしたの作りたいの。」

そう、時々生徒会のメンバーでランチをする事は多い。
食堂もある。寮生活をしている大半の生徒は、購買や食堂で済ませる方が多い中、
シャーリーは自由に使える料理場で毎日作っていた。

殆ど自己流で、決して人様には見せられるような物ではなかったが・・・・。

「いいわよ。で、どんなものがいいの?イレブンの料理なら咲世子さんの方がいいと思うけど・・」
「咲世子さんは駄目!!」
「?」
「あ・・・あとでちゃんと自分で聞きます。」
「ハイハイ・・・。で?何作ってみたい?」

「えっとそれじゃ・・・・・

























ルルーシュは昼の時間になると、一人でいられるところを探す。
または、生徒会室で過ごすことが多い。

適当に買ってきたものを胃に流し込んで、後は寝るだけ。







今日もルルーシュは一人になれるところを探していた。

「あ!ルル見つけた。」
「シャーリー。」

”見つけた”といったシャーリーはパタパタとルルーシュへ駆け込んだ。

「ね、ルル。ランチまだこれから?」
「ああ・・・そうだけど。」
「じゃ、一緒していい?」
「シャーリーはいつも会長たちか、又は友達と食べてなかったか?」


「・・・今日はいいの。それとも迷惑?」


シャーリーはルルーシュは一人を好んでいる事は知っている。


「いいよ。シャーリーなら。」
「本当に?ありがとう!」


丁度いいベンチを見つけて、シャーリーはお弁当を広げた。

「シャーリーはいつもこのぐらい食べるのか?」
「え?違うよ。今日沢山つくりすぎちゃって、会長達は持ってきてるし、
 ソフィ達も太るからいやだって・・・ね、ルルもこれ食べるの手伝って。」


確かにこれはシャーリー一人では食べきれない量だ。

「・・・俺はあんまり食べる方じゃないぞ。」
「分かってるよ。でも、沢山つくっちゃったんだもん。」
「そっか、でも俺が食べていいのか?」
「モチロン!ルルの為につくったんだから。」
「へ?」
「ああ!!いや・・・その・・それ・・は・・・つまり・・・。」



つい口が滑って本音を出してしまった。
訂正しようとしても、前言撤回できないぐらいの慌てようだった。
茹蛸のように顔を真っ赤にして、動かないシャーリーにルルーシュはつい笑ってしまう。


「それならそう言えばいいのに・・。ありがとうシャーリー。嬉しいよ。」


めったに見えないルルーシュの笑顔に、シャーリーはもっと赤面した。

「で?フォーク取ってくれる?」
「あ・・うん。・・・・・・・・・!」
「・・?シャーリー?」


正気に戻ったシャーリーは口角を上げると、フォークを出して、おかずを刺した。

「・・??」

「はい♪ルル。」

シャーリーはルルーシュにその刺したおかずを口元に向ける。

俗にいう”はい、あ〜んしてv”だ。

「おい!シャーリー!」
「ごめんね、私一度やってみたかったの。」

さっき笑ってしまったお返しといわんばかりに。


プライドの高いルルーシュの事だから、こんな事に乗ってくれるわけないと思うけど、
一度くらいこっちのマガママを聞いてくれたっていいと思う。

「それに食べてくれないと、ルルにフォークあげないんだから!」

それならそれで手で食べればいい話だが、ルルーシュは育ちがいいせいか行儀の悪い事も仕方ない。
観念したルルーシュは、周りに誰もいなかどうか確かめた後、

「仕方ないな・・・今回だけだぞ。」

ルルーシュは身を乗り出して、口をあけた。





「・・・・どう・・。」

「美味しい。」
「本当に?よかった!」

「にしても今日のは凝ってるな。」

「ヘヘ・・・ミレイさんの直伝だけどね。」
「会長に?」
「うん、教えてもらったの。」


恥ずかしくもなく、ルルの為だよと堂々と言われてルルーシュの方が恥ずかしくなる。

「お前、そんな恥ずかしい事堂々と・・。」
「ヘヘ・・・だって嬉しいんだもん。」

ルルーシュは顔を赤くして、横を向いてしまった。
横顔から見るシャーリーの顔はとても嬉しそうな笑顔だった。

「ホラ。」
「ん?」

「だせ、俺のフォーク。残さず食べてやる。」
「ルル!」

「”あれ”は今回だけだぞ。」
「へ?」

ルルーシュはシャーリーにフォークを貰い、おべんとうをつまみ始めた。


「アレをしなくていいなら、いつでももってこい。食べてやる。」
「ルル!ありがとう。」

結局、ルルーシュはなんだかんだいって、当初食べきれないと言っていたが全て平らげた。
シャーリーもルルーシュの満腹顔を見れて作ってきてよかったと思った。


「ありがとう。ご馳走様、シャーリー。」
「へへ、どういたしまして。ね、また作ってきていい?」
「さっき言ったろ?いつでも持って来い、食べてやるよ。」



それから時々、ルルーシュとシャーリーが仲良くお弁当を食べいるのを目撃されるようになったのは言うまでもない。
















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凛様の相互記念に贈りくけました。
もらうだけじゃいけないと、自分を奮い立たせてみた結果、惨敗です。
因みに凛様からありがたくリクエストを頂きました。
リクエスト内容は「シャーリーがルルにお弁当をつくってあげて一緒に食べる」でした。
あれ?なんか一緒に食べてる描写が少ない・・・。
ルルーシュをツンデレにしすぎました。
毎度のごとく終わり方が・・・。

人様への捧げ物ほど緊張する作品はありません。
いつもリクもらっても結局それにそえてないから。

こんなものでよろしかったら貰ってやってください。








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