僕の隣



一族が滅んだ
透き通った空だった。

波の国で瀕死になった
霧が多かった。
サクラが泣いてた。

大蛇丸から呪印をもらった
苦しかった。
サクラは泣いて手を握ってくれた。

イタチからかかった幻術が解けた
白い天井だった。
やっぱりサクラが泣いてた。

里を抜けた
無理やり連れ戻された。
思いっきり引っ叩かれた。
これでもかというほどサクラは泣く。




里を抜けて変なものを飲まされて瀕死状態になってた。
しばらく意識がなかった。
目が覚めて、サクラが瞳から溢れるばかりの涙があって・・・
「サスケ君・・・。」





バシッ






一瞬何が起こったのかわからなかった。
頬に痛みが走る。
顔を殴られたのは久しぶりだった。
骨と皮しかない腕からどうしてそんな力が出てくるのかわからない。
女ってのは、わからない。
すぐ泣く

サクラもそうだ
すぐ泣く



「サスケ君の馬鹿・・・。」

馬鹿といわれた。
何でお前なんかにそんなこと言われなきゃいけないんだよ。

「心配したんだからぁ・・・」

泣きじゃくって俺に抱きつく。
服にサクラの涙がしみる。


さっきとやってることが違う
さっきは俺のことビンタしたくせに。
そんで泣く。


お前はいつも泣いてばかり
思えば俺は、泣き顔しか見たことない
いつも泣いてないてナイテ

俺が泣かしてる
原因はいつも俺
離れればいいのに
そうしたらお前は泣かずにすむのに
楽しくいられるのに
自分から進んで俺のところへ来る
流さなくてもいい涙を流して
目が腫れるまで



どうしてお前はいつも俺なんかのために泣いてるんだよ?
どうしてお前はいつも俺なんかのために涙を流すんだよ?



好きとかの次元じゃネエだろ?
なんなんだよ?

まだサクラは泣きやまない。

俺はどうしたらいいか解からなくてボーっとしてる。


「うう・・・ヒック・・・。」

俺の服を放さないでギュっとつかんで放してくれない。
無理もない
里抜けを目のあたりにしたのだから・・・



「サクラ・・・」

ふと呼んでしまった。



「どうしてお前はいつも俺なんかのために泣くんだよ・・」


「それは、サスケ君が泣かないから・・・」

「答えになってネエよ・・」



俺が泣かないから代わりに泣くってどういう意味だよ?
わけわかんねぇ


お前はそんなことしなくても泣くだろ?
それなのに・・・・

「サスケ君・・・辛いなら、泣いていいんだよ?」


なんか目が熱くなってきた。
お前がそんな事言うから・・・

よくわからなく座り込んだ。
当然サクラもそうなる。


今の顔をサクラに見られなくなかった。
顔をサクラの方に埋めた。


「サスケ君?!」
サクラは驚いて泣きやんだ。
今度は・・・・俺が・・・


「なんでもねえ・・」


今、きっと俺は泣いてるんだ。
泣くのなんて久しぶりだ。

もう、ずっと泣いてなかったから。
熱くて涙が止まらない。
きっとサクラは気づいてる。
だって、俺の涙が下に下りていってサクラの肩に落ちている。


サクラはずっと俺を抱きしめて何も言わずに

「辛かったね。」

などと言って抱いたままだった。

他の連中がいないのがせめてもの救いだった。
こんなの見られたくなかったから

じゃあ、どうしてサクラには見せられた?


「サスケ君・・・一人じゃないからね。それだけは忘れないで・・・」

きつく抱きしめられる。
この温もりが何故か気持ちよかった。
居心地がよかった。

お前はいつも無条件で俺を受け入れるから
俺はいつも甘えようとする。

それがいけないと一度断ち切った。
それでもお前は必死で追いかけてくる。

心のそこでは嬉しかったのかもしれない
いつも、一人だったから
一人だったから・・・・
一人で・・・

心の中で泣いてたんだ。

いつ止まるか解からない涙を流しつづけて、もうどのくらい経ったのだろう?
もう、泣くこともできなくて弱っていた。
いつの間にか荒んでいった。

弱い子猫みたいに弱いくせに警戒して強がって
笑っちまう


今度は俺のほうからサクラに縋り付いた。
力いっぱい抱きしめて

「サスケ君・・くるし・・・」

サクラが苦しがってるのに聞きもしないで力を強める。





ずっと探してたんだよ。
涙を流せるところ

やっと見つけたんだよ
泣けるところ




探してもサガシテモさがしても見つからなかった。

きっと一生見つからないと思ってた。




人の温もりってあったかいんだな・・・

ずっとずっと忘れてた。



いつも俺は復讐とかウザイとか言って拒絶してたから
こんな気持ちになるのは初めてで・・・

暖かくて居心地がよかった。

ずっとこうしていたい。


「もう少し・・・このままでいさせてくれ・・・」


自然と言葉が出た。

「うん・・・」

やっぱりお前はどんな事になっても俺を受け入れてくれるんだ。


俺は人の気持ちなんて解からないから
きっとまた傷つけることもあるかもしれない


それでもお前はいつも俺のそばにいてくれる



俺の隣にはいつも


「サスケ君」



「サクラ・・・」




君がいてくれる








きっとまだ涙は止まってないけど
お前にならみっともないこんな顔見られてもいいと思った。




お前が俺にとって唯一安らげる場所だから・・・・・











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チャットでもしサスケが戻ってきたら・・・
ということで私はこんな感じに・・・

サスサクではなくサクサスだね。
サクラに甘えるサスケってのが私には萌え
サスケ一人称で書くのは久しぶり
もともとキャラの一人称で書くことがあまりないから楽しかったです。

AKI様・ゆり様、これでいかがでしょうか?
私にはこれが限界です。




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