僕はまだ子供なんだ



臆病者




強くなりたい
力が欲しい

たとえどんな形にしろ


病院で目が覚めてからサスケはどこかやつれていた
いつも何か考えていてしゃべろうとしない



サクラが声をかけても上の空

ただただ、イタチへの憎しみと ナルトへの嫉妬心が募るばかりだった
「サスケ君林檎よ」
サクラがせっかく食べやすく切ってくれた林檎も
「きゃ!!」
にらんだ挙句振りはたいて床へ落としてしまった
案の定サクラは何事かのように驚いても
サスケは何も言わないで空ばかりを見ていた

「林檎嫌いなんだね。どんな果物がすきなの?」
「、、、、、、、、、。」
「そっか、果物って甘いもんね。サスケ君食べられないよね、、。」
「、、、、、、、、、。」






何も話もしないでサクラは床に散らばった林檎を片付けて帰っていった






なんて子供なんだろう?
サスケは一人後散る


イタチに一撃で倒れて ナルトの強さに嫉妬してサクラに当たってしまった
サクラは悪くないのに、、、、
顔は見えていなかったがまた泣いているのだろう



一体自分はどれだけサクラを傷つければ気が済むのだろう



平気で酷い言葉を投げつけて
冷たくて
なびかないで



俺なんて止めたほうが良いのに
いっそサクラを大事に思っているナルトの方が、、、

そんな考えがふと頭によぎる

「ナルトの方が、、良いに決まっている、、」


俺となんかにいても良いことなんて1つもない
傷つけることしかできない


手を血で染めることしか考えていない俺なんかに、、、、
「、、、ふっ、、、、」
サスケの瞳から涙が出てくる
「なんだよ、、、、コレ」
泣いたのなんて久しぶりだった
一族が滅ぼされた日から泣かないで頑張ってきたんだ



「そうだよ俺なんか、、、」
俺なんか一生一人でいるしかないんだ
涙は止まってくれなかった


それなのにサクラは
「サスケ君!!」
「おはよう」
「一緒に帰ろう!!」

どんなに離れても、突き放しても、追いかけて傍にいてくれる
それを失うことが怖いんだ、、、
今度、大切なものをなくしたらもう自分は壊れてしまう
だから大事なものは造らないほうが良いのにどうしてこんな
「、、、くそ!!」
涙が止まらないのだろう





「サスケ君、、、。」
声のするほうへ向くとそこには帰ったはずのサクラがいた
「サクラ、、、」
「戻ってきちゃった、、サスケ君なんか泣いてる気がしたから、、、やっぱり泣いてたね」
サクラはサスケに近づき両手をサスケの頬に触れた

「辛い?」
さっき冷たくしたのにまた傍に来て優しく微笑んでくれる
「悔しかったんだよね?泣きたい時は泣いていいんだよ?」
そういってサクラはサスケを優しく包み込む
「、、、、、、。」



サスケは静かに顔をサクラの胸に預けて声を出さないように
静かに泣いていた








この暖かい手をいつも差し伸べてくれる
本当はとても嬉しいんだ
でも、俺は臆病だから傷つけることしかできないんだ
だから俺はいつもこの手に甘えて自惚れて
どうしようもなく、暖かい温もりを持った君をズタズタに平気で引き裂いてしまうんだ
本当は嬉しい
でも、これ以上一緒にいれば必ず俺は、君の事をもっと傷つけて泣かせてしまう
それでもこの手を放したくない
なんて都合の良い臆病な自分




----------END----------





御巫様に捧げます
お世話になっているサイト様
こうやって自分もHPを開設した事だし
お近づきのしるしにこの駄文を捧げます
御巫様煮るなり焼くなり好きにしてくださいませ





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