宿木 〜風になりたい番外編〜





マルチェロはククールが女だということは知っていた。

知ったキッカケはいとも簡単だった。

水浴びをしているところを偶然見かけてしまった。
夜に女の声がして、夜更けに危ないから注意をかけようと思った。
修道院の川で二人の影を見た。

一人は修道院の食事係りの人だった。
皆から親しまれていわばお母さんのような存在だった。
こんな夜に・・・・・マルチェロは声をかけようとした時だった。



「ククール、もうそろそろあがりな。」
「え・・・もうちょと」

ククール?

眼を凝らしてみたら銀色に輝く髪の毛と綺麗な肌が見えた。
「危ないよ・・。こんなところを誰かにみられたら・・」
「大丈夫だよ。皆寝てる。それに浴場はマルチェロが夜遅くに使うからなかなか使えない。」


ククールの体は他も修道院の者とは大分違っていた。
「あんた・・大丈夫なのかい?あたしは心配だよ。」
「平気よ。普段はさらしで隠してるから・・。」


豊満な胸
くびれた腰
しなやかな脚


一瞬眼を疑った
だが、次第に腑に落ちない点が一気に結びついた。


年頃になるのに声変わりはしない
からだは華奢で力も弱い
なにかと見目麗しすぎる



マルチェロチェロは二人に気づかれないようにそっと自室に戻った。



ククールが女?

驚いたが滑稽すぎて笑いがでる。
今まで憎んできたものは一体なんだったのだろう?

憎しみとか、殺意とかを通り過ぎて可笑しかった。




「そうか・・・お前は・・・クククっ・・・」



女は正当な跡継ぎにはなれない。
ククールの母親はきっと男として育ててきたに違いない。
女はいろいろな面で不利だ。
そんなものすぐに壊れる。

いや・・壊してやる。


「傑作だよお前は・・・」






今まで酷い仕打ちにに耐えてきた根性だけは認めてやろう・・・





しかし、不適な笑いが響いた。


どう処分してやろうか?
なんせ女人禁制の騎士団で男と偽って今まで来たのだ。

いっそのことメチャクチャに犯してやろうか
苦痛に歪む顔を想像しただけで身震いしそうだ。


















ある夜マルチェロはククールを団長室へ呼び寄せた。

「失礼します。」

ククールは何も知らないで団長室へ入る。
「鍵を閉めて私の前へ来い。」



言われるとおりにし、マルチェロの前へたった。



「お前は・・・いくつになったらちゃんと成長するんだ?」
方をつかまれた。
のどを触れられる。
「声変わりはない」

体を撫でられた
「細い・・・」


もっていた短剣で服を破かれた。
「やあぁ!!」

つい声を上げてしまった。
破かれた服から白布が見えた。

「それで男に成っているつもりか?」
「!!!」

「やだ!」


逃げようとしたククにマルチェロは捕まえ、さらしも破いた。
「いや!!」

そこからは形の良いふくらみが顔を出した。

「傑作だな。長年恨んできた憎き弟は実は”妹”だった」
マルチェロは馬乗りになって、胸をわしづかみにした。
「いた・・・・」


「大人しくしろ・・・追放されたくなければ言うとおりにするんだな。」
こういってしまえば簡単だ。


ククールは耐えるしかない。


床の上で乱暴な愛撫をされる。
「つ・・・あ・・・」
「・・・感じてるのか?」
「やだ!!」


もう、一糸纏わぬ姿にされていたククールは恥ずかしさのあまり震えていた。


ふくらみに吸い付き、突起を歯で刺激する。
「あ・・・」
脚を大きく開かされて憤死しそうだ。
「ぐしょぐしょになっているぞここは・・」
指でとつかれた。
その後はもう強引だ。

素早くズボンだけを緩め、ククールのなかへ無理やり入り込んだ。
「やぁぁぁ!!」
悲痛な叫びが響いた。

「叫んでもいいが・・・あまり大きすぎると周りに聞こえるぞ・・・。」
結合部分から卑猥な音が聞こえる。
いやだ・・・聞きたくない。



「やめ・・・痛い・・・いたぁぁl!!」


その部分から血が流れる。


「ほう、初めてか・・・なおさらいい・・このままメチャクチャにしてやる。」

「いやぁ・・・」


































コレが禁忌の始まりだった。


それからはククールは女であることの口止め料としてマルチェロに体を開くこととなった。


団長室へ呼ばれるのがサインだ。
抵抗も許されない。


別に・・・抵抗するつもりもない・・・・・





ククールは物心がついたときにはマルチェロを兄以上としての感情を持っていた。
憧れとかならまだ良かったのに・・・

なんでこんな感情を持ってしまったのか自分で自分を呪った。



自分を愛して欲しかった。
それだけだった。
次第に愛情は違う方向へと軌道が変わってしまった。

だからあの時、本当は女だと気づいてもらえたのは嬉しかったのだ。


どうしたらいいんだろう・・・。





そんなこと考えたって、意味がない。
マルチェロのことがだ・・・あいつは鋭い。
こんな自分の気持ちなんてお見通しだろう。


そして今日も団長の部屋へドアをたたく。













「やめ・・・あん・・」

艶やかな声が漏れる。




揺さぶられてめまいがする。
今繋がってるんだ。
その感覚がククールを惑わす。

「いい姿だなククール。」
心なしか、マルチェロも息が荒かった。


マルチェロはスライドを強めた。


「あ・・やだ・・・だめ・・・今日は・・・・・」
「煩い・・・私に恋慕しているならおとなしくしていろ・・」

「あ・・駄目・・」


マルチェロは突きが強くなった。
そろそろ限界だ。

「やぁ・・・やだぁ!!」


「ぅ・・・っ・・・・」


中で脈打つのを感じた。


「あう・・・」


ククールは涙で視界が見えなくなっていた。
ぼんやりするなかで、そのまま意識がとんだ。







こんなこといつまで続くんだろう?
どっちかが修道院を出て行かない限りは続くのだろうか・・・・?



最近ククールは体の異変に気づいた。
なんだかだるくて熱っぽかった。




初めは風邪かな?って思った。
でも・・・違った。


食べ物に吐き気を覚えた。


「あれ・・そういえば・・・来てたっけ?」



月の障りの記憶をたどった。
そういえばここ2〜3ヶ月きていたっけ?





「まさか・・・・」




でも、原因は山ほどある。
可笑しくない。







「どうしよう・・・」













こんなこと誰にもいえなかった。
院長にだっていえない
マルチェロに知られたらきっと追い出される。





「やだ・・・・・」
















暫くククールは情緒不安定だった。
気晴らしに、夜中こっそり抜け出してドニへ向かった。






「ククールおまえなんか雰囲気変わったね。」
酒場にいくないり、店主のおばちゃんにそういわれた。

「そうかな・・・」
「ああ・・あんまり体を冷やさないほうがいいよ。お前は男として育てられたが女の子なんだからね。」
「わかってるよ・・・」
「飲みすぎてもだめだよ。」




でも、そんな忠告も聞かずククールのお酒を飲みすぎてしまった。
帰り、修道院で待っていたのはマルチェロからの仕置きという名の陵辱だった。





次の朝、だるすぎる体に鞭をうって自室へ戻る途中だった。
足がうまく動かない。
ガクガク震える。



視界がぼやける。




「!!!!!!!!!!」





ガタン!!













「おい!なんだ今の音?!」
他の団員達が大きな音に驚き駆け寄った。


「おい!ククールが階段から落ちたみたいだぞ!!」
「マジかよ?!」


「おい!ククールしっかりしろ!!」



ククールはぐったりしていた。
そしてだんだん顔色が悪くなってきている。


「う・・・・・」

「おい!どこか痛いのか?」



「何の騒ぎだ?!」

「団長!ククールの奴が階段から落ちたみたいで・・・・・」

「全く人騒がせな奴だ。だれかククールを部屋へ運べ。」
「はい。」


「おい、ククール・・・大丈夫かよお前・・・すごい汗が・・・」
良く見ると小刻みにククールは震えていた。

他の団員達も心配でククールを見る。

「ククール?」
「痛い・・・・」

「え?」

「お腹・・・・・」

「腹いたいのか?」



「おい!院長呼んできたほうがいいんじゃないか?」
「お・・俺呼んでくる。」





院長はすぐさまククールの異変を聞いて飛んできた。
「こりゃまずいのう!医者を呼んでこなければいかん!ククールをわしの部屋へ・・」
「はい・・・」


「ククール・・・・しっかりするのじゃ・・」


「やだ・・・痛い・・・・・・だ・・」

ククールはうわごとのように何か言っていたが誰も良く聞こえなかった。




こんな光景をマルチェロは少し離れたところから見ていた。

































眼が覚めたら、院長とおばちゃんの顔があった。
「あぁ・・・ククール心配したんだよ。」
めがさめるなりおばちゃんはククールを抱き寄せた。
泣いているみたいだった。


「さて・・ククールおぬしには酷かも・・・」

「・・・・・赤ちゃん・・・死んじゃったんでしょ・・・?」

「「!!」」


「気づいておったか・・・。」




「ククール・・」
おばちゃんは何がなんだか解からない様子で見ていた。


「父親は・・・マルチェロ・・・じゃな・・」

「はい・・・・

院長は気づいてたみたいだった。







「ククール2〜3日は安静にしてるようにと先生は申しておった。暫く此処で休むといい。」
「アリガトウございます。院長。」






ああ・・・そっかやっぱり妊娠してたんだ。
流産して確信するなんてなんてばかげてるんだろう。


















ウミタカッタ










































「全く・・・階段で足を踏み外して全身強く打った・・・人騒がせなのもいい加減にしろ・・」
「申し訳ございませんでした。」


やっと元にもどってから最初に言われた言葉がコレだった。






いいんだ。
このまま知らないままのほうがいい




「ククール・・・聞いているのか?」
「はい・・・」




私・・・ちゃんと普通にふるまえてるかな?




「ククール?」
マルチェロが怪訝にこっちを見つめ返した。







私ちゃんといつもの男の顔してる?




「聞こえてるのか?」








私・・・産みたかったの




誰にも祝福されない子供だったけど・・・・・



いっぱい愛情注いで育てたかったな・・・・・









「ゴメンね・・・」




「何に対しても”ごめんね”なんだ。」


「もちろん・・・・・・」









マルチェロ・・・・・・貴方に・・・・・・・・









「”迷惑をかけた事”に対してですよ・・・・・。」










家族を作ってあげられなくて・・・・ゴメンね・・・・・・・・・



















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何がエンドなの?って話しです。
短編史上最大の長さで最大のアイタタねたでした。

石を投げつけられるの間違いなし!!


いや・・・やっぱり女体で極め付けに妊娠流産なんてすみま・・
ゴメンねククちゃん
ちゃんと・・・夫婦&子供編もあるから←はい?!
あ・・・これが本編です。こんなの読む奴だれがいるんじゃい!!

苦情は受け付けませんよ?






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