陰に咲く花   7




キュリオスの性能解析をしている間に、アレルヤの意識が戻ったとの報告を受けて
グラハムはすぐに医務室に戻った。

待ちに待ったガンダムパイロットとの対話。
しかも女性ときたものだ。
心躍らずにはいられない。


医務室に入ると、医師とグラハムの上司がすでに来ていた。


「来たか・・・。」

「は・・・遅くなりました。」


ふとベッドを見ると、アレルヤは拘束されていて口も塞がれていた。
グラハムがここに来るまで、強い抵抗があったので仕方なくそうしたらしい。

「まさか、ガンダムのパイロットが女だったとは・・・、。」

「私も凄く驚いています。」


アレルヤは観念したのかとても大人しくしている。
今無理に動くのは得策ではない。
ハレルヤからの反応も無い今、自分ひとりで勝手に行動するのはやめたほうがいい。
ハレルヤの意識が戻ってから、二人で相談してからにしよう。

「偉く落ち着いているな。」

「私設でも訓練は受けてるんでしょうね。」

女の捕虜は捕らえられて治安の良さによって、扱いはがらりと変わる。
ユニオンは比較的紳士的な人が多いと聞くが、それが本当かはわからない。
それが本当だとしても、アレルヤは今世界中が欲しがっているガンダムマイスター
何もないという分けないはいかないだろう。


意識が戻った今、特に大きな怪我もしていなくアレルヤは独房に移された。
薄暗い牢の中で一人、大人しくしていた。


(キュリオスはそう簡単にコクピットを開ける事は出来ない。
 万が一、開けれたとしても角膜と音声認証が必要だ。一致しない時点で
 MSは完全に機能停止を開始する)

最悪、自分がとうなろうと太陽炉の事は秘密のままにできるだろう。
せめて今、口を開く事が出来れば、音声遠隔操作でキュリオスだけでもトレミーへ戻す事が出来るのだが・・・

(上手く隙をついて操作するしかないな・・・。)






「どうだ?カタギリ。解析の具合は?」

「それが・・・頑丈なセキュリティと材質で出来ていてかなかな進まないんだ。」

捜査は難航している。
さっきから、入り口を破壊しようと兵器まで持ってきている始末。
それでもガンダムの機体は傷一つすら出来ない。


「まさに、夢のような機体だな。」

「あそこまでしっかりしていると、きっとパイロットが設定したパスワードとかがあると思うんだ。」

「そうか・・・・。では、私がソレを吐かせよう。」

「いいのかい?いくら君でも気が引けるんじゃないかな?」

「さっき、上司との命令でね。女性だからって言っている場合ではないそうだ。」


カタギリはアレルヤに同情した。
可愛そうに、普通の一般兵の捕虜だったら、丁重に扱われたのに、
ソレスタルビーイングのガンダムなんか操縦していたバッカリに、これから受ける不当な扱いを思うと心が痛くなった。

「グラハム。あまり手荒なマネはするなよ。」

「十分承知だ。」


そのまま、アレルヤの面倒を見るのはグラハムの役目となった。
暫くは口を塞いだまま独房に押し込めていた。
一日三回の食事に入浴が許されている時点ではまだいいほうだろ。


まだハレルヤの意識が覚めることはない。



アレルヤが独房に入って何日かたった日だった。
ついに口の拘束が取れた。
尋問されるかと思いきや、口だけ外して看守は去ってしまった。
一体何を考えているのか?しかし、考えても仕方ないので、アレルヤは回りに人がいないことを確認したのに
小さな声でつぶやいた。



「キュリオス、自動操縦に変更。トレミーの場所を確認した後、直ちに帰艦。」




















「大尉!!」


「何事だ!騒々しい!」

「そ・・それが、ガンダムが!!いきなり起動して・・・」

「何だと!!」


急いでグラハムはガンダムが収納されている倉庫へ向かったが、
倉庫は壁や天井が突き破られていて、隙間風が顔に当たる。

「大尉?!」

「どこへ?」

「捕虜のところだ!」


いきなりガンダムが起動したなんて、捕虜以外に原因は考えられない!
予想通り遠隔操作が可能だったのだ。
そのカラクリはまだ分からないが、今すぐにでも吐いてもらわないとグラハムは気が治まらない。


「アレルヤ・ハプティズム。君は一体何をした?」


この数日で得られた情報はこの捕虜の名前のみ。
他は一切口を閉ざしている。

「別に・・・何も?」

「嘘を付くな。今、君の機体が勝手に起動してここから出て行ってしまった。」

「そうですか・・。」

興味なさげにアレルヤはつぶやく。

「だが・・・君はもうこれで逃げられない。」

「そうですね。」


あくまでアレルヤは白を切るつもりでいる。
本当は凶行などしたくないが、ガンダムがいなくなってしまった以上は、
アレルヤから何かしら情報を吐いてもらわないと、元も子もない。


「やはり・・・強引な手を使わざるを得ないのだな。」

「え・・・?」


グラハムは拘束されているアレルヤをあえて押し倒す。
アレルヤの手は後ろで縛られているため、手に体重がかかり苦しそうだ。

「いいから、CBの事を少しでも教えろ。それなら君は・・・。」

「だから、知らないといってる・・。」

「そうか・・・・・。なら、無理矢理にでも吐いてもらぞ!」


「!!!」



拘束服はもともと粗末に出来ているため、容易く敗れた。
ビリビリと布の切れる音が止んだと思えば、そこから肌理の細かい肌が顔を出す。

「や・・・!!」

「無理矢理されたくなかったら、おとなしくCBの情報を渡せ。」


「いや・・・いやぁぁぁ!!!」


横になって体を隠そうとしても、容易く体勢は戻ってしまう。
仰向けの状態で足は開かされ、胸元を覆っているものは何一つ無い。
羞恥で可笑しくなりそうだ。


(怖い・・・怖い・・!!!怖い助けて!!)


男の獣じみた行為に嫌悪感を感じて、必死にアレルヤは耐える。


「ほう・・強情だな。しかし、これはドウかな?」


上を攻められていたかと思いきや、今度はしたの布も引き裂かれた。

「やぁ!!」


足を閉じたいが膝の間にグラハムが入り込んで、閉じる事も出来ない。
太ももを直接撫でられて神経が過敏になる。

「いや・・やめて・・。」

「やめて欲しいのから、いってしまえ。」

「それはいや・・。」


強情だなと、呟かれ行為はエスカレートする。


下着越しに割れ目をなぞられて、羞恥心がパンクしそうだ。

「ほう・・・少し濡れているな。仕方ない、女のココは男を受け入れるために出来ている。」

「うう・・もういや・・。」


全身の震えが止まらない。
叫んだって、泣いたってやめてくれるはずがない。

どうしようどうしよう。

このまま、好きでもない男を受け入れるなんてそんなの嫌だった。


「いやぁぁぁ!!!」


アレルヤは力の限り暴れだした。
その行動うに意味など成さないのに、それでも暴れる。

心は拒否をしているぞと示すかのように・・・。



「ハレルヤ・・ハレルヤァ・・・!!」


アレルヤは必死にハレルヤの名前を呼んだ。
ずっと呼びかけても返事をしてくれないハレルヤ。

(どうして?どうして返事をしてくれないの?助けてよ!!!)


「やめて・・助けて・・ハレルヤ・・ハレルヤ!!」


「ん・・?ハレルヤ?ソレは君の家族の名前かい?」


”ハレルヤ”と叫ぶアレルヤに、きっと人名だろうとグラハムが呟く。
ハレルヤというのはきっと仲間だろう。
名前の羅列が似ているから、きっと兄妹かなにかだろう。

アレルヤは兄妹でCBに属しているのか。
一つ、情報がもれた。


女は犯されそうになると、一番信頼している名前を言う。
アレルヤはにとってハレルヤは大切な存在なのだろう。
このまま他のCBメンバーの名前も漏らしてくれればいいのだが・・・


「さっきから”ハレルヤ”ばっかりだな。」


グラハムは、ズボンのベルトを緩めた。


「あ・・!!」


カチャとベルトの金具が外される音にアレルヤは反応を見せた。
無理もない、これは立派な強姦行為、怖くない女性がいないはずない。


「他のメンバーの名前を言うつもりはないのか・・?」

「いや・・来ないで・・やめて・・。」

「言ったら、やめてやってもいい。」

「来ないで、ハレルヤ・・・助けて・・・ロックオン・・。」

「ほう、”ロックオン”それは君の好きな人の名前かな?」

「!!!」


アレルヤは分かりやすい性格をしている。
図星をつかれて顔と耳が一気に赤くなる。

「ハルヤとロックオンか、ガンダムは4機。少なくとも君を入れて8人以上はいるハズだ。前線で戦っている者は・・・。」


「いや・・いや・・!!」

アレルヤの足は両足とも掴まれて持ち上げられていた。
グラハムと密着した状態でもう逃げられない。

「・・・そうかそれ以上言う気はないのだな。それでは屈服させるまでだ。」

「いやぁぁ!!」


容赦の無い痛みがアレルヤを襲う。
下半身の圧迫感に気が狂いそうになる。

多少の痛みには慣れているハズなのに、どうしてこの行為はこんなにも痛みを伴うのだろう?

「キツいな・・・君は処女か?」

「あう・・ひ・・きゃ・・!!痛い・・イタ・・。」


アレルヤは痛くてそれどころではない。
どやってこの圧迫感を紛らわそうな必死だ。


「そうか・・・それなら一から教えてあげよう。君は私に跪いてもらおう。」

「やめて・・助けて・・ハレルヤ・・ハレルヤ・・。」


痛みで涙がでる。
ハレルヤお願いだから返事をして。




アレルヤはこの行為が終わるのをただ待ち続けていた。
終わった頃にはぐったりしていて、とてもしゃべれる状態ではなかった。














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