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ACT.4  俺のカッコイイ姿を見て欲しい!!






中間試験をなんとかレギュラー全員で切り抜けた後、
怒涛の練習試合地獄が始まる。

一日2試合、それを毎週。
普通に通常の練習も気を抜かない。
今でも結構練習は大目だが、これからドンドン練習は過酷なものになっていくだろう。
それはそれで構わない。

最近野球部の活気付いた活動に、ギャラリーが増えている。

特に練習試合を見に来る人が多くなった。


その話は数回練習試合の後、誰かが言っていた

「最近、うちの学校のヤツ試合見るやつおおくね?」

「俺も思った。なんか緊張する~。」

今かた緊張したんじゃ、スタンド言ったときにどうするんだよ~と笑いが飛ぶ。
一年生だけの野球部でもの珍しいのだろうか?


「でもさ、こうやってみてくれる人いるのもなんか嬉しいよね。」

「女の子なんかが俺たち目当てでっとか?」


カッコイイプレイをして女の子にキャーキャー言われる自分を思い浮かべる。
皆悪くないと、口角を上げた。

「でもまだ、好きな子とかには見せられないな~。」

「栄口好きなヤツいんの?」

「例えばの話し!」

「なんだつまんねぇの。」

恋バナは男女共通燃え上がる。
ここにいる西浦野球部も十分にそれは当てはまるのだ。


「そうだ、今度三橋誘う!」

三橋は野球が好きだと以前浜田が言っていた事を田島は思い出した。
今現在、野球部のアイドルは間違いなく三橋だろう。
初めて吹奏楽部員で浜田から紹介してもらった時の感動を今でも覚えている。

マネジをしている篠岡には申し訳ないが、野球部のアイドルは三橋だった。
いや、野球部ではない。
あの容姿に加えて、大人しい性格、小動物のような仕草に学校中が三橋のトリコである。
しかし彼女はとても人見知りが激しいから迂闊に近づけない。


唯一まともに放せるのが浜田だった。
小さい頃一緒に一緒に遊んだ記憶のある浜田。
高校での再会し、浜田とよく話すのをきっかけに三橋の交友関係は広くなった。

普段は部活の同じ子達と一緒にいる。
たまに野球部の浜田を始め、泉と田島が話すといったところだろう。
野球部のメンバーにはまだ警戒している人物もいるようだあが・・・


「え・・・?三橋。大丈夫なのかよ。」

「吹奏楽部だって部活あるだろ?」

「そっか~。」

せっかく三橋のためにホームランを打つ気満々だった田島はうなだえる。

「でも文化部はそこまで厳しくないし誘ってみたら?」

「そっか~。」


水谷の一言に田島は立ち直る。
今現在ここにいる全員、田島が三橋を連れてこないかな?と思っていた。










「・・・え?試合?」

「そうそう、今度やるんだ!三橋見にこねぇ?」

次の日、三橋に会ったとたんに練習試合の話を持ってきた。
幸いその日には吹奏楽部の練習はなかった。
見に行こうと思えばいける。

「う・・でも・・・。」


「俺からも頼むよ。三橋。」

「泉君。」


強引に誘おうとする田島に泉はスットプをかける。

「それに浜田も来て欲しいって言ってたぜ。」

「ハマちゃんが?」

「そう。」


「じゃ・・・行こうかな。」


泉と田島は手を合わせた。
その日の野球部の練習風景は、いつもより気合が入っていた。



練習試合当日も、気合の入れようといったた半端ではない。
念入りに調整がはいり、相手校のデータ分析、作戦も完璧だ。


「あ!三橋さんだ。」

篠岡の声に野球部全員が振り返る。
篠岡の目線の先には三橋がいた。
普段の学校にいるときとは違い、今日は私服を着ていた。
学校ではセーラー服を着用しているため、私服姿の三橋を見れるのが貴重で
試合を始めるまえからハイテンションになっている。


「こんにちは、三橋さん。応援に来てくれてありがとう。」

篠岡は、三橋をベンチに座らせた。
ここなら屋根もあるし陽もあたらない。

「ありがとう。」

初めて入るベンチに三橋は緊張していたが、試合が始まると夢中で観戦していた。




三橋も小さい頃はよく近所の友達と野球をしていた。
三橋以外にも女の子は混じっていたし、やんちゃな年頃だから両親も
少し位おてんばをしても許してもらえた時期だった。


「懐かしいな・・。」

「え?」


篠岡は隣に座って、スコアチェックをしている。
だから呟いた三橋の声が聞こえてしまった。

「あ・・私。小さい頃・・野球やってた。」

「本当に?イメージが大分違う。」

「小さい頃・・だけ。小学校入ったら・・お転婆ダメって・・。」

「そうなんだ~。だから浜田先輩と仲いいんだね。」

「うん。」

女同士であるが故、ついつい話しに華が咲いてしまう。
夢中になっていたら百枝が手をパンとたてて集中してみるように促せた。


「そういえば、相手校。ずっと三橋さんの事みてるよね。」

「う・・・やっぱり?」


人見知りの激しい三橋は、視線には敏感だった。
人一倍目立つ容姿なので目で追ってしまうのは無理も無い。

「大丈夫だよ。ここには私もいるにみんなもいる。」

「そうそう!気にする事ないよ。」

「はい。」


「あ、チェンジになった戻ってくるよ。」


スリーアウトを終えて、皆戻ってきた。
守りの回、百枝と阿部が何か念密に打ち合わせをしているように見える。


「どうしたの?三橋さん。」

「えっと・・何話しえるのかなって・・。」

視線の先には百枝と阿部。

「阿部君は西浦の頭脳みたいなものだからね。」

「ふうん・・・。」


道具を身につけ、守備に就こうとする部員に向かって篠岡は言った。


「皆、相手校の人たちずっと三橋さんみてたよ。今もベンチから視線がお暑いね~。」


全員、向こう側のベンチを見れば鼻の下を伸ばした部員がいた。
西浦の殺気に気付いたのか慌てて視線を逸らしたが・・・。

篠岡の一言が効いたのか、守備は三者凡退。
打線もいつもより点が多く取れて、西浦の大勝利となっていた。



何時になくいい気分で勝てた西浦ナインは気持ちよくベンチへと戻っていく。


しつこく俺のカッコイイところ見てた?と効いてくる田島や、
見に来てくれて有難うと言う泉。
皆三橋の気を引こうと必死だった。


「うん、皆カッコよかったよ。」

「「「「「「「「「!!!!!」」」」」」」」」


「男って単純ね。」

後ろで、篠岡が百枝と笑っていた。

















---END---

このお話の中で一番冷静なのは千代ちゃんとモモカン。
皆お嬢様な三橋にデレデレしえればいいよ。

お嬢様レンレンは皆の憧れの的なんです。
だってお嬢様だから!高嶺の花だからね!








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