*骸は女の子でいることを隠しています。男装設定の上、お読みください。



気まぐれな母性愛





今日の天気は午後から雨、骸は荷物を多くしたくないからカバンに折りたたみを入れていた。
学校の帰り見事天気予報は的中して雨が降っていた。


「おや、今日に限って天気予報が当たるとは・・・。」

骸は今一人だった。
いつもの様に千種と犬が今日に限って一緒ではなかった。

「いつもなら千種が傘を持ってくれるんですけどねぇ。」

千種と犬は珍しく、食料の調達があるからと早めに切り上げた。
なんでもタイムサービスがあるとか言っていた。
犬は荷物持ちにでも借り出されたのだろう。



仕方ないと、骸は折りたたみ傘を取り出した。

雨が降り始めてから結構時間が立っていて、道路には水溜りが出来ていた。
革靴が塗れて、しみこむように靴下に染みていく。

雨の音が大きく、車の水はねも気になる中、子供の泣き声が聞こえた。

こんな時間に、こんな雨の中子供の泣き声なんて保護者は何をしているのか?
自分には関係ないと足を進めるが、自分の進行方向に子供がいるらしい。
だんだんと声が大きくなってきた。

「おや、あれはたしか・・・。」

子供の姿は見覚えのあるものだった。
とても小さく、フサフサの頭に牛柄のふく。
間違いなくランボの姿だ。


「・・・ギャー・・わ〜ん!!イーピン!フゥ太〜どこーーーー!!!!」


どうやら逸れてしまったらしい。
一体どうしたら、並盛から黒曜まで子供が辿りつけるのか・・・
無視をしようとした骸だが、見るにみかねてついランボに声をかけてしまった。

「おや、こんな所で何をないているんです?」

「お前誰だ・・ズビ〜!ランボさんはお前に・・構ってるほど暇じゃないもんね!」

まったくもって最近の子供は可愛くない。

「逸れてしまったのですか?君は確か綱吉君の家にいる子ですよね。」

「ツナを知ってるのか?!」

知っている人物の名前を出すと、今度はくってかかってきた。
全く現金なもんだ。

「クフフ。知っているも何も・・・ああ、そうだ。僕のところに来なさい。綱吉君に連絡を入れてあげましょう。」

「本当か?!・・えっと・・。」

「自己紹介がまだでしたね。僕の名前は骸いいます。」

「骸・・ランボさんはランボさんだもんね!」

「そうですか、ではランボ君行きますよ。」











現在暮らしている家に着くと、千種と犬は先に帰っていた。

「只今戻りました。千種、犬。」

「骸様お帰りなさい。」

「骸しゃんおかえりなさい。」

「骸!!!こいつら誰!!!」


骸を出迎える千種と犬にランボは興味が行く。


「骸様・・コイツたしか・・。」

「ええ、綱吉君の家に居候している・・・

「ランボさん!!!」

骸の話をさえぎって、ランボは自分の名前を叫んだ。
ガハハ〜と大きな態度で笑うと、お前達を子分にしてやると言って千種と犬の前に立つ。

「お前ムカツクぴょん!」

「フン!」

「こーしてやる〜!!」

「ギャーー!!!」

「おやめなさい犬!大人げないですよ。」

「で・・でも骸しゃん・・。」

「本気にするだけムダですよ。」

「へ〜い。」


犬は面白くなくなって、部屋の奥へ戻っていった。
骸は荷物を千種に渡すと風呂は沸いてるかと聞く。

「ええ、丁度さっき沸いたところです。」

「クフフ・・お前は本当に気の利く男ですね千種。あぁ、そうだランボ。」

「何?骸?」

「それを脱ぎなさい。そんなに汚れて部屋の中には入らせませんよ。」

ひょいと骸はランボを抱っこした。
骸はランボを抱っこしたまま、風呂場へ向かった。
ランボの服を洗濯するように千種に伝えて・・・。







「キャー!!!!」

「おやおや、そんなに暴れてはお湯がなくなってしまいますよ。」

これは単なる気まぐれだ。
この子供をこやって世話するなんて・・。
以前の自分なら、見向きもしないで返ってきたというのに

「人も変わるもんなんですね。」

「??」

「いいえ?こっちの話しですよ。」

「骸はいい匂いがする。」

「おやそうですか?」

向かい合って、湯船につかる。
ランボは体が小さいため、骸の膝の上に乗っていた。

「それにママンよりおっぱいがおおきいよ!」

「・・・そうですか。」

「ビアンキよりも大きいよ!」

「毒サソリよりあります?僕?」

「うん!」

無邪気に笑うランボに骸は毒気を抜かれた。


(僕としては少々邪魔なんですけどね。もうワンサイズ小さいほうがよかった)

「骸は柔らかくて気持ちい〜。」

「君は甘えん坊ですね。」

「違うもん!ランボさんは大人だモン!」

「大人は一人でお風呂にはいるものですよ。」

「ランボさん大人〜!!」

「ハイハイ。」

クスクスと洗うと、千種の声が聞こえた。
どうやら綱吉と連絡が取れたようだった。
ランボと一緒に風呂から出ると、千種から電話を受け取る。


「・・・もしもし、僕ですよ。」

「骸?!ランボがいるって聞いたんだけど・・」

「ええ・・いますよ。雨の中ズブ濡れになっていたので、一応は保護しておきました。」

「ありがとう。すぐ迎えに行くから。」

「分かりました。待っています。」

今から綱吉がランボを迎えに行くようだった。
骸と綱吉の電話越しの会話を聞いて、自分は帰らなきゃいけないとランボは理解すると
骸から受話器を奪った。

「わ・・ちょっと・・やめなさい!」

「え?骸どうしたの?」

「ツナ!ランボさんは今日骸の家に泊まるもんね!」

「ちょ・・お前何いってるんだよ!」

ランボは骸と一緒にいるのが気に入ってしまったようだ。
帰りたくなくなってしまったらしい。

「おやおや、困りましたね。」

「ランボ!ワガママいうな!」

「やだね!ツナより、優しい骸と一緒にいるもんね!」

「え〜ーー!!」

綱吉の絶叫が受話器から離れてもよく聞こえた。
これでは埒が明かないと、再び骸はランボから受話器を奪い取る。

「ボンゴレ、僕は一晩だけでしたら構いませんよ?」

「そんな・・・迷惑じゃ。」

「こうなったら意地でも帰らないでしょうから、一晩たったらホームシックになってすぐ帰ってきますよ。」

「じゃぁ。頼んでいいかな?」

「いいですよ。」

近くでランボの喜んだ声が聞こえた。

お泊りお泊りとランボは嬉しそうに違和感なく骸のベッドの中に入る。
そんなランボの姿を見て骸はまたクスクスと笑ってしまった。


「骸?なにがおかしいの?」

「君に笑っているんですよ?」

当たり前の用に、むくろのベッドにはいるランボ。
一緒に寝ようとするこの甘えん坊な子牛。
いいでしょう、一晩だけなら君のワガママに付き合ってあげてもいいでしょう。



「ただいま〜!!!」

次の日、骸はランボを綱吉の家まで送ってあげた。


「ランボお前!迷惑かけなかったか?!」

「クフフ・・ワガママは子供の特権ですよ。」

「イロイロとありがとうな、骸。」

「いえいえとんでもない。」

「ねぇねぇ、ツナ!骸ね!おっぱいがおおきいんだよ!」

「ブ!!」

綱吉はこれでもかというほど絶叫した。
何を言っているのだこの子牛。
骸の恰好はどうみても黒曜中の男子制服で、背も高いし声も低いほうだ。


「ねぇ、ボンゴレ。」

「何?骸・・。」

「子供をからかうのは面白いですね。」

「お前地獄道使ったなーー!!!」

「何、宿泊料だと思えば安いものでしょう。」

「いや、とんでもなく高いから!」

「ツナ!聞いてるか!骸は優しいんだぞ!いい匂いがするんだぞ!おっぱいがおおきいんだぞ!」

「お前は騙されすぎだっての!」

「じゃぁボンゴレ、僕は帰りますね。」

「・・・あぁ。もう疲れたよ。」













「ふう・・・ビックリしました。」

まさかランボがあんな事をいうとは骸自身思っても見なかった。
しかし、上手く誤魔化せて骸は一息を付く。
ちゃんと骸が女だって事は、二人だけの秘密だといっておいたのに、子供の口は軽い。

「まぁでも僕がスキルを使って、幻覚を見せたといったら、みんな僕の方を信じるから大丈夫でしょう。」

まぁでも、またあの子牛を招いて母親まがいの事をするのも悪くないと骸は思ってしまった。
母性というものなんて無いと思っていたが、自覚がないだけだったらしい。
ランボをちょっと可愛いと思ってしまったのは秘密にしておこう。








---END---

・・・クロームだすの忘れていた。
なんだかんだ言って、骸さんは面倒見がいいのでチビーズの世話とか得意そうですよね。
ランボやイーピンが懐いてくれたら大変萌えるんですけど!!


また、女体だけど女の子というのを隠してる骸様に萌えます。





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