真夜中の出来事。 後編




地下のアジトの暗闇はとても不気味だ。
直感が強いだけに出てきてたら、直ぐに見えたり感づくのが悲しい。
これなら晩御飯の時にちゃんと水分をとっておけばよかったと綱吉は後悔した。

「しかし、夜は不気味ですね。」

「夏とか肝試し出来そうだな。」

「ちょっとやめてよ。二人とも!」


今となってはこの二人についてきてもらって良かったと思った綱吉だった。
ダイニングの扉を開けようとして、綱吉は手を止めた。


「どうしました?十代目?」

「中に誰かいる。」


人の気配がした。何故こんなところに?
危険と隣り合わせの未来の世界。迂闊に扉を開けることはしない。
もしもの為に、警戒をしておくのも悪くはない。


三人は気配を消してほんの少しだけ扉を開けた。
団子状態になり頭を重ねて中の様子を伺った。

誰かの声が聞こえる。やっぱり誰かがいるのだ。


(こんな時間に京子ちゃんやハルが後片付けなんて・・・・あるわけないよな?)


人影がある所へ目を凝らすと、二人いるのが解った。
体制的になんかおかしい。テーブルの上に二人が重なっている様に見える。


(え・・・?どうなってるんだ?)


大分暗いところで目が慣れてきた。ハッキリ見えた。

(ええ!)

「むく・・・ぐふ!」

「しっ!気づかれちまう。」


吹き出しそうになる獄寺の口を山本が塞ぐ。


「あ・・・はぁ・・!!やぁ・・!」


(((えええ!!!!)))

突如聞こえた艶の帯びた声、雲雀と骸がテーブルの上で絡み合っている。

(何やってんのー!?)

「も・・止めて下さい・・・雲雀くん!!」


骸は抵抗しているようだが、雲雀には意味を成さないようだ。
気にせず雲雀は骸の脚を持ち上げて、腰を動かしていた。



「すっげ・・・俺、生でセックス見るの初めて。」


山本は興奮していんようだ。上を見上げると、獄寺は顔を真っ赤にさせて二人を凝視していた。
覗き見するなんていけないことなのは解っているハズなのに、
見てしまうのが人間の好奇心。それも思春期となればなおのことだ。


「はぁ・・・うぁ・・あん・・・!!」

「随分と今日は濡れてるじゃない。」

「こんな所で・・・イヤ・・で・・・」

「興奮するでしょ?」

「ここは人が・・・!・・やん!」

「そんなの関係ないでしょ?」



骸の腕は手前の所で拘束されている。
この格好が綱吉達を興奮させた。

シャツと下着はは捲れ上がっていて、胸が見えている。
雲雀の腰の動きに合わせて胸が揺れている。

「ひゃ・・ああ・・・。んん!!」


二人は繋がったまま濃厚なキスをする。
綱吉達に見られているという事も知らないで、深く絡み合う。


「はう・・・ん・・・。」

「骸・・・。」

「・・・ひば・・・り・・。」

「恭弥でしょ?」


荒い息をしながら潤んだ瞳をする骸。
名前呼びを強制させれば、今度は簡単に”恭弥”と返って来た。

「そう・・イイコだね。」


「・・!!ああ!!・・や・・・やぁぁぁあああ!!」



再び雲雀は動き始めた。
骸は感じているのか、声がさっきより大きくなっている。

「いやぁ・・も・・やめ・・・。」

「イヤだね。久ぶり・・・なんだか、ら!」

「ひう!!」

「たっぷり可愛がってあげるよ・・・。」

「きょ・・・や・・。」















すっかり水分補給処ではなくなってしまった綱吉達。
結局、最後まで二人の行為を見てしまったのだ。

雲雀の容赦ない攻めに、最後骸は気絶してしまった。
流石にこのままではいけないと思ったのか、雲雀は一度自身を抜いて骸を抱き上げて自分の部屋に帰っていった。

間一髪で隠れる事に成功した綱吉達、
一気に水をガブ飲みして部屋に戻ったが、睡眠どころではなかった。

三人は明け方まで体が興奮状態で眠れなかった。今日も特訓は続くというのに。









朝、朝食を食べにダイニングへいく。昨夜ここで雲雀と骸が情交をしていたのを思い出すと体が暑くなる。


「わりぃ、俺メシ食べる前に便所。」

どうやら山本も昨夜の光景を思いだしたらしい。


「ごめん。俺も!」

「待ってください、十代目!」


連れションにしては三人とも態度がおかしい。
他のメンバーは訳がわからなかったが、特に気にしていない。

先食べていていいと山本に言われ、遠慮なく食べ始めた。



「は〜。」

こっちに来てまでトイレで自慰をするとは思わなかった。
しかも三人揃ってオカズは同じ。異様な光景だ。

「俺、骸と顔会わせられない。」


「俺もッス。」

「なあ、おかしいとおもわないか?」

「何?山本。」


処理を終えた山本が一人冷静だった。

「俺達見るのに夢中になってたよな?あのヒバリが俺達の存在にあの時気付いてないなんておかしくないか?」

「そりゃそうだけどよ。」

そう途中気配を消すなんて頭に無かった。乱れていた骸ならまだしも、雲雀が気付かないなんておかしすぎる。
寝ている間も木の葉一枚の落下した音で目が覚める男だ。

「山本の言う通りだ。あのヒバリさんが・・」

「でもおかしいっすよ、十代目。仮にそうつけたとして何になるんです?俺達は骸に対しては正直いい感情はもっていない。」

中学生の綱吉に牽制は意味はないはず。

「君達こんなところでも群れてるの?」

「ひぃぃ!」

いつの間に雲雀が背後にいた。

「タイミングが重なっただけっすよ。」

「それより君達何してるんだい?」


用は足し終わったのに、三人でトイレに固まっているなんてまだ子供である。


「はは・・俺たち思春期なんで、溜まったものを出してただけですよ。」

(正直にキター!!!)

山本はアハハと笑いながら、普通に言ってのけた。
本当の事ながら、綱吉も獄寺も顔を赤くする。

「おい!!!」

「生理現象なんだし、仕方ないだろ?」

「ふぅん、そうなの。」


とくに反応を雲雀は見せなかった。
意外な反応に、キョトントと顔を歪ませた。


「で、先輩。昨夜俺達がいた事気付いてたでしょ?」

「え・・。」

「な・・・。」

「当たり前でしょ?」


当然ともいう態度で雲雀は即答した。
やっぱりなと山本は気付いていたらしい。

「な・・・なんで・・。」

「君達こそ、悪趣味だね覗き見なんて。」

「っていうか!あ、あんな所でそ・・そんな事、すんじゃねぇ!」


迷惑だと獄寺は雲雀に歯向かうが、顔を赤くしながら噛みながらいっても迫力がない。

「まぁまぁ、俺たちもいいもの見せてもらったし。」

「お前はイチイチ問題発言するな!」

「別に、僕がドコでセックスしようだなんて僕の勝手でしょ?」

「な・・!」


「どうせ、昨日の骸をオカズにして出してたんでしょ?君達。 
 一回は許すけど、今度は許さないよ?」

トンファーを突きつけられて、怯えるツナ。
分かりましたといいたいのか、何度も首を縦に振った。


「うん、まぁいいよ。」

結局何をしたいのかが分からないまま、雲雀は去っていった。

「なんだったんだ?一体?」

「さぁ・・・。」

「俺にもよくわからない。」




このままじゃ、ご飯を食べる時間がなくなってしまうと急いでダイニングに戻った。
戻るとそこには骸がいた。

「骸!!!!」

「あ・・!」

「な・・」


「おや、ボンゴレに隼人に武。おはようございます。」

爽やかに挨拶をされても上手く交わせない三人。
骸の顔を見て、昨日の雲雀の腕の中で乱れている骸を思い出す。

(駄目だ・・・思い出しちゃ!)


「どうした・・の?こんな所に・・」

「いえ、実は昨日ここへ寄った時に落し物をしたみたいで・・・。」

キョロキョロと下を見る骸。
お願いだから早く帰って欲しい。

正直こうやって、いられるだけも限界なんです。


「あ、骸さんありましたよ。ピアス。」

ハルが骸の落し物を見つけたようだ。

「おや、こんなところにありましたか。クフフ、有難うございます。」

「よかったら一緒にご飯食べて行きませんか?」


(京子ちゃーーーーーーん!!!!!!)


「すみません、雲雀君が待っていますので、また今度ですね。」

「そうですか・・。」

「残念です。」

京子とハルは残念そうな顔をすると、骸はまた来ますよと言って帰っていった。




(今度っていつ?骸のことだし明日にでも来そうだよ!!)


結局、骸の言葉に集中できなくて修行どころではなくなってしまった綱吉達。
この日、三人の家庭教師の怒鳴り声と呆れた声と、全てを知った上でからかっている声が聞こえたのは言うまでもない。









----------END----------


なんかもう、すみません。
ただ、骸♀のエッチシーンを目撃したツナ達が書きたくて
そのあとズリネタにしちゃって顔をあわせられない!
みたいな思春期的な話が書きたかっただけです。

これだけじゃ話が分からないから
雲雀視点の話はまた今度




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