幼い果実   2



やった
嬉しい

きっとククールと一緒に帰るなんてきっと僕しかいない。


「ねぇ、ちょっとここのCDショップよっていい?」
「いいぜ。」


少したってエイトの行きつけのCDショップに着いた。
自動ドアを抜け、最新の曲のセレクトをしている。

「ククールって普段どんな音楽聞くの?」
「そうだな・・・聞いてみていいなって思った曲かな・・・」
「そんなんだ。」

エイトは嬉しくていろいろククールに話しかける。


ああ・・楽しい


本当にそう思った。
普段、高嶺の花のような存在が今自分と寄り道をして帰っているのだから・・・


音楽やよく読む本の話、趣味とか好きなスポーツとかイロイロ聞いた。
やっぱり趣味が違ってそれを説明して語り合う。
そんな普通の友達とするようなことが当たり前なんだけど嬉しい。





最後のところでファーストフードのお店に入った。
伸び盛りの高校生だ、普通食事だけじゃ足りないだろう・・・





「え〜と、僕は・・・・フィレセットにチキンを一つあ、飲み物コーラでLね!ククールは?」
「えっと・・・・・」

こういう場所へこるのはなれていなにのか?
散々迷った挙句


「この小さいパンみたいな奴と、小さいサイズのサラダと・・・ムース・・・」


「・・・・・」



二人とも会計をすませ、席へ座り食べ始めた。

「あ〜うまいな〜。」
エイトはガツガツとサンドやポテトを頬張る。
それにく比べククールは上品に、ゆっくりと食べていた。


「ククールそんなんで足りるの?」
「お前はそんなに食べれるのか?」
「「・・・」」

此処まで違うとかえって面白い。


「ククールのその選び方、なんか女の子が選ぶような組み合わせだよね?」
「別にいいじゃねえか!俺は家でメシ食うんだよ。」
「俺だって帰ってからちゃっとご飯食べるよ。」

「だって、お前こんな・・・!!」
「ククールは小食なんだね。」
エイトは笑みを浮かべた。
なんかククールがとても可愛く見えて仕方がない。


「なんだよ。笑うなよ!」
「だって・・・・ククールって意外とかわいいところがあるんだもん!!」
「・・・・チェ・・」

ククールは軽く舌打ちをする。

心なしか少し赤かった。

「食べたら帰ろうか?こう結構時間きちゃったよね。」
「そうだな・・・今日のメシどうしようか・・・」

「?」

今の言葉凄く違和感があった。
まるでククールが作るかのように・・・


「どうしよう?ククールがご飯作るの?」
「あぁ、そうだよ。悪いか?」
「別に・・・俺は兄貴と二人暮しだから、俺が作るんだよ。」
「へぇー。凄いね。何でもできるんだ。」


「掃除は兄貴の方がうまいけど・・・」


家族の話になってククールの顔から笑みが消えた。
あまり触れて欲しくないのかもしれない。

「僕は・・・・親が死んで育ての親がいるからなぁ」
「え?おまえも?」
「隣のクラスのミーティアの家にお世話になってるんだ。幼馴染だったんだよ。親同士。」
「・・・」


エイトのは全くそんな態度は見せていなかった。
確かに隣のクラスのミーティアとは特別中がいいような雰囲気はあったがまさか・・・


「俺達って結構似たもの同士ってヤツかな・・?」
「そうかもね。」



食べ終えて、お互い違う曲がり角に来た。
それまでもたんさんしゃべった。




「僕さ、入学式の時ククールのこと見てたんだよ。」
「マジかよ。」
「でも、みてたらお兄さんに呼ばれていちゃった。」
「そっか・・・」




「いつか、ククールと友達になりたいと・・・・・ずっと思っていたんだ。」

「・・・・」



ククールは急に暗い表情になった。


「ククール・・?」


「俺は・・・・」


何も言わずククールは帰ろうとした。

「待ってよ!」
エイトはククールの腕を掴んだ。
ククールは過敏に反応し、腕を振り払った。

「!」
「あ・・・」

ククールは罰の悪そうな顔そしてそっぽ向いた。


「ククール?」
ククールの行動が全く読めないエイトは混乱している。

ククールは今にも泣きそうな顔をしていた。
近づこうと思ったが、逃げられると思いこれ以上近づけなかった・・。

さっきまで、仲良く話していたのにまるで、別の世界にいるようだった。
そんな錯覚に陥ってるみたいだ。


悲しそうな瞳をしてククールは言葉をはなった。



「あんまり・・・俺に近づかない方がいい・・・。」




この言葉の意味をエイトはよく理解できなかった。

いきなりこんなことを言われても困る。
どうしたらいいか解からない。
だって・・・!!

「ククー・・・」
「じゃぁ・・・」

そういってククールは走り去ってしまった。

「・・・・・」



エイトはまだいきなりの衝撃に頭がついていかない。


エイトも仕方なく帰ることにした。
でも、ククールの言っている意味が良くわからなかった。






















次の日、ククールと話すこともなかった。
せっかくのチャンスを水に流してしまった。

なにか気に障ることでもいったか?
いや、言った覚えはない。
それとも家族の話題かな?
でも、あの時はそんなではなかった。

   ”友達になりたかったんだ”


これを言った直後だ。
ククールが突然あんな態度をとったのは・・・


別になにも変なことは言っていない。
でも何故?
別に気に障ることでもない言葉じゃない
自分が言われたら嬉しい

でも、何で?ククール・・・・?


「あ!おはようございます兄貴!」

「あ、ヤンガスおはよう。」

ヤンガスはいつもギリギリに来ている。

「兄貴昨日、一人で残ってたんでげすね?何してたんですか?」
「あぁ・・・ククールを剣道部にスカウトしてたんだけど、断られちゃった・・。その後二人で寄り道して帰ったんだ。

「え?」

「どうしたのヤンガス?」

ヤンガスはあんまり快くない顔をしている。
一体、ククールといいヤンガスといいナンなのか良くわからない。

「兄貴・・・・アッシはここにいるのが長いですから良くわかるんでげすが・・・あいつ・・」
「何?一体」


「上級生に目をつけられてるでゲスよ・・。」

「え?」
そんな事ないようない感じはしたのに・・・
















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