隣人は密かに笑う   4






ダルイ体のままだったが、なんとか放課後まで持つ事が出来た。
生徒会は出れそうにない。
もちろん、黒の騎士団の方にも・・・。


本当はこのまま真っ直ぐ帰りたいが、そうは行かない。
なんとしても、犯人の顔を見なくては気がすまない。

思い立ったが吉日。
ルルーシュはリヴァルに頼んで、電化製品ストアにバイクで送ってもらった。


「ルルーシュってここで良く買い物するの?」
「パソコン用のメモリとか、ケーブルとかな。」
「へ〜。俺もさ、デジカメ買おうと思ってたわけ、ついでも俺も見よう。」

「今日買うのは俺も実はカメラなんだ。」

「ルルーシュも写真取るんだ。写りたがらないから嫌いだと思ってた。」


隣のサイドカーで、ルルーシュは独り言を言う。

「あぁ。今回はカメラはカメラでも、小型の監視カメラだけどな。」
「え?なんか言った?」

「いいや、独り言さ。」


サイドカーに体を預け、もかれかかる。
今ぐらいしかきっと休まる時間は無いだろう。

「ふう・・。」

「ルルーシュさ・・」

「何だ?」

「今日、なんか顔色悪いよね。無理してない?」

「別に、ちょっと夢見が悪かっただけだよ。」


ヘーとリヴァルは適当に返事をすると、バイクの運転に集中しはじめた。


向かい風に髪をなびかせて、ルルーシュは少し眠る事にした。
幸い、お店につくにはまだもう少し時間がある。





















「へ〜新作入荷してる〜。」


ルルーシュとリヴァルは、店に着くと一目散に目当ての商品の展示場へ足を運ぶ。

「リヴァル、俺の欲しいものこの辺りには無いみたいだから、ちょっと探してくるな。」
「わかった。買い物終わったら連絡頂戴。」
「ああ。」


リヴァルと分かれて、目当ての場所へとつく。
最近は本当にすぐには見つからない、小型のものが増えたものだ。
ルルーシュはその中でも、一番小さいものを選ぶ。

数は多い方がいいと思ったのか、買い物カゴに結構な量を入れる。

10個ぐらいあれば平気だろう。
価格は表示の十倍になるが、ルルーシュはさほど気にしてはいないようだ。

今までの賭けチェスでなんとかなる金額だったからだ。
それでも大量に余る。

出来ればもう少し、チェスを続けたかったが、クーデターの準備に追われなかなか時間が作れなかった。

さっきリヴァルは買い物が終わったとメールが入っていことに気付く。
ルルーシュも今終わったところだ。
リヴァルに電話をすると、すぐに合流し店を出る。


「お〜い!!ルルーシュー!!」
「リヴァル・・・・・あ!!」



余所見をしていて、人とぶつかってしまった。
買ったばかりのカメラが、落ちる。


「すみません。お怪我はありませんか?」

どうやら人当たりのいい人だったようで、因縁をつけられる事は無かった。
落ちた小型カメラを拾ってくれた。

「凄いですね。こんなにたくさん。防犯用ですか?」
「ええ・・・ちょっと学校用に・・。」

「そうですか、あちらにいるのはお友達では?」


「おい!ルルーシュ大丈夫か?」

人とぶつかり、転んだルルーシュを見て、リヴァルも駆けつけてくれた。


「では、私はこれで・・。」

男は会釈をすると、すぐに歩き出した。


「すまない。リヴァル。」
「大丈夫か?さっきの衝撃で変になってたりしない?」
「いや、ちゃんと落ちても大丈夫なように包まれてある。」

ルルーシュは気を取り直して、リヴァルのサイドカーに乗った。







「ルルーシュさ、今日この後予定ある?」

「何だ?」

「いや、こうやってルルーシュといるの久しぶりだし・・・」
「いいよ。リヴァル。」
「マジ?!じゃぁさ、この前スザクが美味しいクレープ屋見つけたって言ってたんだ。」

「スザクが?」


スザクが好き好んで、甘いものを食べるという事に驚いた。
リヴァルが聞いたという事は、一緒ではないという事だ。

一人でスザクがそんな事をするわけでもないが・・・


「ルルーシュ、聞いてる。」

「聞いてるよ。クレープだろ?」
「食べよう。」

「あぁ・・・。」







公園にバイクを置くと、トレーラー型のクレープ屋を見つけた。
スザクが言っていたのは、どうやらここのらしい。

リヴァルはすぐに注文した。

「ルルーシュ何にすんの?」
「そうだな・・・イチゴと・・・・」


「あれ?ルルーシュ。リヴァル?」


聞き覚えのある声に、振り返ってみれば、このクレープ屋を勧めていた本人が登場した。


「「スザク!!」」

「あ、おじさん僕、フルーツミックスね。」

はいよといい返事が返ってくる。
3人はベンチに座った。


「何でスザクがここに居るんだ?」

「ああ、買い物。消耗品の買いだめ。今日は仕事なから今のうちに。」
「へ〜そうか。」


おおきな紙袋を見せて、スザクはクレープをほおばる。


「よかった。ルルーシュ元気そうで。」
「え?」


「朝、なんか元気なさそうだったから。」
「俺もそう思った。さっきサイドカー乗ってたときも、途中から顔色良くなったな。」

「おかげさまで、サイドカーで睡眠時間の確保が取れたからな。」


「寝不足だったの?」


心配して、損したぜとリヴァルが、呆れていた。

どうやら二人とも、ルルーシュのついた嘘を信じているみたいだ。
たしかに、さっき少し寝て体の具合は良くなったのは確かだから。
そういったことにしておく事にした。


「二人とも心配しすぎなのさ。」


ルルーシュは笑う。
つられて、スザクとリヴァルも笑った。
こんな風にたのしくすごしたのは久しぶりだった。





気分のいいままクラブハウスへ戻ると、買ってきたカメラの設置を行なう。

鼻歌を歌っていたようで、ナナリーにも”今日は機嫌がいいですね”といわれてしまった。
確かに今は機嫌がいい。
これで何時こられても平気だろう。

部屋の設置を終えると、パソコンに繋げて確認をする。
上出来だ。
ケーブルも不自然に出ていないから、バレる事はないだろう。



























案の定やつは来た。

この部屋に、監視カメラがついているという事も知らずに。

後悔するがいい、とルルーシュはほくそえんだ。

これで終わるのだ。
今日一回だけ、我慢すれば全ては上手くいく。

顔を特定して、騎士団の情報網で探し当て、犯人を割り当て
そして殺す。
うん上出来だ。かなり。

多少のリスクは高かったが、ルルーシュの体一つで済むのなら安いだろう。

”ルルーシュ”でよかったと本当に思う。
コレがナナリーだったらと、思うだけでぞっとした。


ああ、いいぞ今日は存分に触れてくれ。
俺は今気分がいい。

今日だけだからな。


最初で最後の、俺のサービスだと思ってくれればいい。


眠いのか、ウトウトしているルルーシュの反応に、例の男は少し手つきが乱暴になる。
起こそうとしているというのは分かるが、度重なる行為と現在のルルーシュの夢見心地のよさに全然起きる気配は無かった。


しかし、ソレもまた余興という事なのか、例の男はダイブ乗って来た。

寝ている間にイタズラをするというのが、ツボなのだろう。




ルルーシュは触れられている意識はあったが、瞼の重さに負けて完全に寝てしまった。



























朝起きると男の姿は無かった。

体は案の定グチャグチャデ、体に男の欲望があらぬ所にイロイロかけられていた。


綺麗に体を洗ったあと、パソコンの画面を開いた。


















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