贖罪〜贖いの翼〜    7



そんなこんなで二人の生活は始まった。
昼間はサクラは学校・カカシは家の中でヒッソリとしていた。
近所には同棲していることは秘密である。
以前、両親が死んだときの世間の態度は厳しかった。
また変な噂を立てられたくはない。

それから、監視をしていたルーカスの護衛の者を帰ってくれるように頼んだ。
前々から気づいていた。
邪魔だった
監視をされて生活をするのはごめんだった。




これで二人を邪魔するものはなにもない。




「サクラ、こんな感じでいいかい?」
「いいんじゃない?」

カカシは髪の毛を切った。
肩より長かった髪がすっきりして、綺麗な顔がよく目立つまあ、この際髪が斜めに上がっているのは気にしない。
それに、サクラも一緒に歩いているのでなおさら目立つ。
いわゆる美男美女カップル。


カカシが入ってきてから家が狭く感じた。


もともと、部屋が1つ余っていたのでソコがカカシの部屋になった。
家具も、少しづつ増えていく・・・。
昼はカカシが一人でいる、サクラが帰ってきたらサクラを絵のモデルとして絵を描くコレが毎日のサイクル。
単調な毎日だが二人はコレでいいと思った。

















1ヶ月がった。




サクラはカカシの瞳を恐がるようになった。
自分を描いているときのカカシの瞳が鋭くて見透かされているようで恐かった。
特にあの・・・左目の赤い瞳・・・
曇りの無い・・まっすぐな瞳

サクラはもともとは成り行きでここまできてしまった。
しかし、カカシは“サクラを描きたい”とういう意欲がある。
カカシはサクラに好意があるのかもしれない。
綺麗な桜色の髪・翡翠の色をした瞳に魅入られて
哀しい顔儚く、脆いガラスの細工のような存在。

サクラはカカシにどれだけ神聖視されているのかわかっていない。


むしろ、無邪気なまでに残酷

触れる事も恐れ多い残酷な女神・・・


そのくせ独占欲があって・・・


それでもサクラはまんざらでもなかった。
むしろそうしてる方が、孤独感に泣かなくてすむ。
一人になってからなくことが多かった。





だから、縛られていたほうが楽だった。





カカシにはもう1つの部屋があった。
絵画や絵具の部屋
ほとんどが油絵で風景画はほんの数点。

その中にカカシとサクラが初めて会った風景があった。



冬の海



サクラを描くたびに二人の距離が縮まっていった。
告白もなく・お互いが一緒にいるのが当たり前になっていた。

でも、普通の恋とはちょっと違う。
お互い世捨て人なのだ。
自殺志願者同士の恋というのも滑稽すぎる。
抱き合って、キスしてそれだけ
それ以上をしなければそれ以下もしない。
ただ、孤独感に教われないように、殆ど二人はくっついていたり抱き合ったりしていた。
いつもお互いの名前を呼び合う。




------------サクラ--------------


------------カカシ--------------




カカシから見ればサクラは永遠の乙女なのだ。
いつまも綺麗で汚れないままでいてほしい。


簡単に言えば好き過ぎて大切にしすぎて手が出せないのだろう。
それでもサクラは気にしていない。
側にいてくれるだけでよかったから孤独を味あわなくてすむから






とても冷たいが、しっくりするような日々を送っていた。








しかし、二人はお互いに自分を深く出していない。
それ故、側にいても何でこんなに寂しいのかわからないのだ。
きっと、本当の自分を出したら・・・・恐れがあるのだ。


いままで、カカシは絵画に執着しててサクラは虐待を受けていた。
お互いが好きでも、愛され方を知らない哀れな二人。






日々孤独な愛が続く・・・・・














愛が欲しかっただけなのか?


自分の欲望のためにいるのか?


よくわからない


ただ、わかる事は1つ


お互いカカシとサクラは


惹かれあっている


お互いが分かり合えるのは・・・・・







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