贖罪〜贖いの翼〜   8



「んー・・・。」
明け方サクラはまだ眠っている。
カカシはベッドの近くでサクラの寝顔を描いていた。
このことはサクラは知らない。
起きそうになったらサさっと道具をしまって部屋に戻るのだ。
「ん?」
そろそろサクラは起きそうだった。
それから何かにうなされて大声を出して目が覚める。
注意を払って音を立てないようにするのが難しい。

ガシャン

「あっ」

筆を2・3本落としてしまった。
筆は汚れをもうふき取った後だかフローリングは汚れていなかった。

「・・・・・ふ・・・カカシ?」
しまったと思って時にはもう後の祭り
「何してんの?」


サクラが目を覚ましてしまった。

「ん?絵を描いてるの。」
「え?」
「君の寝顔。」
もう開き直った。
「え?や・やだ!」
「大丈夫だよ。綺麗な寝顔だったから。」
「うそ!!」
サクラは立ち上がった。
「まだ寝ててよ。」
「やだ!」
そうすればきっとカカシは続きを描くからサクラは寝ない。
今まで知らなかったからサクラも頑固だ。


「まだ朝の5時だよ?」
「その言葉そっくりカカシに返す。」
言われてみればカカシはいつから起きてるのだろう?
まあ、そんな事はどうでもいいと思った。
「俺もさっき起きたばっかり。」
「私も起きるからいいじゃない?」
「それは駄目。まだ寝ててよ。」
「何よ。子供扱いして・・・」
「サクラはまだ子供でしょ?」
カカシの言い分はもっともだ。

サクラは納得がいかない。
なんか、大人のはぐらかしを受けたような気がする。

「じゃあ、うなされる前に起してあげるから。」
サクラは少し考えた。
「じゃあいい、7時に起して。」
「わかった。」
ようやく観念したのかサクラはまた夢の世界にへと旅立った。







サクラはうなされることなく眠り、そんな無垢な表情をカカシは描いていった。






その時はまだ、冬の真っ只中・・・・・

























冬も過ぎて春が来る
今が丁度学校で言う“春休み”の期間だった。
学校に行かなくていいので一日カカシとべったりしていた。


基本的にサクラは何もしなくてすんだ。
家事とかはカカシがやってくれている。
時々サクラが作ってよく一緒に台所に立ったり・・
こんな事は冬休み以来であった。
冬も春もきっと二人はイベントなんて関係ないとおもう。


近所には内緒の同棲
見つからないのにも結構苦労する。
でも、ばれずに生活するのがなんかスリルがあって楽しかった。



こんなとき、こんな時間二人だけでいられる。

寂しいながらの二人だけの生活








春休みも終りもう四月
二人がであって4ヶ月


サクラの学校の制服はセーラー服だった。
普通に膝丈で白いソックスでスニーカーなのに高校生に見える。


「サクラ。」
「何?」
「似合うよ?その制服。」
「ありがとうと言いたいけど・・最後の疑問系はなに?」
今日から始業式だった。
普段寝ていたカカシも早く起きていた。

そういえばカカシはサクラの制服姿を見るのは初めてだった。
いつも寝ていたから、見れなかった。
「別に・・始めてみたからそれ・・」

「ありがとう。」
サクラが笑った。
サクラの笑顔を見たのは初めてだった。
いつも哀しい顔をしていたサクラ。

初めて見たサクラの笑顔はとても綺麗だった。




「・・・・・・・・」
「どうしたの?カカシ」
「は・・初めてだね笑ったの・・。」
カカシは少々戸惑った。

「そうかもね。なんなね今嬉しかったから。」
「ふうん・・・」
「そうなの!」
「はいあはい。そろそろ行かないと遅れえるよ。」

サクラは時計を見た。
「本当だ。じゃあ行って来る。」
「あ、そうそう」
カカシはサクラの腕を引き寄せてほほに唇を当てた。

「いってらっしゃいのキスV」
「ふふふ・・じゃあ私も」
サクラは行って来ますのキスをした。



サクラの通っている中学は公立だったのでそんなに厳しくなかった。
部活も帰宅部があったので助かった。


毎日授業が終わってHRを終えたらまっすぐ帰る。


そして、


「お帰りサクラ。」


「ただいまカカシ。」


カカシが待ってくれている。







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