Angelica   9




木の葉に無事付いて、それからサクラ達は普段と変わらぬ任務の毎日だった。
刺激的なBランク級の水の国の出来事が、嘘のようだった。


ゴミ拾いに、子供の世話、探し物に他雑用。
そろそろナルト辺りが、だれてくる。
どうやら今回はサスケもナルトと同じ意見だったようだ


一度高度な任務を経験すると、欲が出てくるの当たり前だった。


高度な任務をやりたいと、騒ぐナルトとサスケにカカシは困ったが、
今の時期それを補う行事がある。




中忍選抜試験。



説明を受けると、強いやつと戦えると、嬉しそうなナルトに武者震いをしているサスケ。
そんな中、サクラは乗り気ではなかった。



(私も・・試験受けられるの?)


サクラは正式な木の葉なの忍ではない。
異邦人としてやってきたサクラは、ここにいる間だけ人数の足りないカカシ班に配属された。
いわゆる臨時班員みたいなものだ。
それに、試験となれば実践も必要だ。

(聖気を使っては駄目。あくまでも普通の人間でいなきゃいけない。)


下界へ降りる時、人間相手に天使の力は使えない。
対、悪魔に対して使用が許可される力。


でも、ここの世界の人間ははっきり言って、力を隠しながら戦える相手ではなかった。
全力で戦わないと、こっちがやられてしまう。
そんなギリギリの世界で、サクラはどうしようか迷っていた。



まだ下界にいなくてはいけない。
出来れば試験は参加したくない。



試験への同意書はサクラにも配られた。


「先生。私正式な忍じゃ・・。」

「う〜ん。実を言うとね、この試験で実際のサクラの実力が上さんは知りたいみたい。」

「そんな!私達天使は、下界に降りたら、対悪魔以外の戦闘で力を使うことは禁止されています。
 今一緒に試験を受けても、今の私じゃ普通の無力な人と変わりません!」

「え?そうなの?」


意外な真実に、カカシも目を開いた。
木の葉の上層部はこの試験で、天使の力を見て今後のサクラの扱いを決めるといっていたが、
その力を使うことを禁止されているという事は、下界に下りて必要以上に世界を越さない為の
おきてなのだろう。
それなら、今後のサクラの処置はもういうまでもない。



「ま、それならいいさ。報告しておく。」

「ごめんなさい。きっと私の力量を見たかったのね。でも絶対この世界の歴史を異端者の私が変えてはいけないの。」

「大丈夫。そういう事をちゃんと心得てるなら、木の葉の上のの人たちも分かってくれるよ。」

くしゃっと頭を撫でられて。
頭を撫でられるなんて、久しぶりで少しクすぐたかった。


試験はスリーマンセルで受けるのが基本。
今回は頭数という事で、サクラは受ける事は余儀なくされた。

しかし、木の葉も事情は分かっていたようで、実際の判定はナルトとサスケの判定のみ。
どうやらサクラは一緒にいるだけで大丈夫だった。


(それなら安心)


サクラは試験会場の扉を開けた。

たくさんの人でごッた返すひと。
木の葉マーク意外にも、知らないマークを背負って試験へ参加するものもいた。
全体が辛気臭く、殺気と嫉妬が渦巻いている。


(う・・すごい殺気。私はまだ平気だが、普通のエンジェルズじゃ倒れるわよ。)


歪んだ顔をして、視線をそらすサクラに気付いたのか、サスケは方を叩いた。


「サクラ、平気か?」

「・・・有難う。でも、正直ここの空間は私達天使たちには結構ツライわね。」

「何かあったら言えよ。」

「ありがとう。」


腰を上げて、サスケに大丈夫と笑顔で返した。



二人で話している中に、ナルトが乱入すると、ナルト達以外のルーキー達が集まっていた。
サクラは木の葉のルーキーたちを見るのが、今日が初めてだった。

他の連中とは違って、やっぱり纏うオーラが幼い。
この中にいれば少しは、気がまぎれるだろう。
サクラは出来るだけ、真ん中に入るように心がけだ。



ルーキー達が騒いでいる一方。

他の里同士で喧嘩もあり、嫌な空気が流れる中、それを止めたように試験管達が姿を現した。


強制的に席に座られて、用紙が配られる。
第一試験のは頭脳を見るのか・・サクラは用紙を始めと同時にひっくり返す。



ハッキリ言えば、サクラの点数はナルトとサスケに響かない。
とりあえず、どういったものか問題を読んだ。




(うわ〜。結構難しい事学んでるんだ。すごいなここの世界の人たち。)


これが普通の人には解けない問題と数字の羅列が並んでいた。
サクラは余裕で、鉛筆を進めた。


(アラ、可笑しいわね。ペンが動いてるのは、私を含めて・・・・3人?)



周りがペンを進めないのが、サクラには珍しくつい周りをキョロキョロしていた。


(まぁ、いいわ。でも皆、なんかカンニングしてるけど・・いいの?)




サクラはこの試験の本題をわかっていなかった。
第一試験が終わって、初めてこの試験の意図を言われ”忍の道”の過酷さを思い知る。



















「サスケ君。忍の道って険しいのね。」

「いきなりどうした?」

「なんでもない。」



第二試験開始まで、時間に余裕のあるナルトたち。
今度こそ、実践に入るようだ。


「ここって・・」

「サクラ、知っているのか?」

「ええ、初めてこの世界に来たときね、私ここで目が覚めたのよ。」


第二試験会場、死の森。



数々のトラップに猛獣、劇薬・毒薬が潜んでいる植物。
並大抵の精神力・体力でないと、突破できない森。



「サスケ君。」

「なんだ?」

「気をつけてね。ここは危険。とても危険。邪悪な気配がうろついている。」

「あぁ・・・分かっている。」










「なぇ、ナルト。誰?あの女。」

「サクラちゃんのこと?」

「へーサクラって言うの。」


二人でいい雰囲気を作っているのが気に食わない、第10班いのはナルトにサクラを事を聞いてきた。
シカマルも始め、8班のキバたちや、ガイの教え子たちも気になるようだった。


「サクラちゃんは天使なんだってばよ!」

「嘘だ〜。」

「本当だってばよう!」


「それなら僕も聞きました。」


天使だと、主張するナルトを疑っているシカマルと、イノにキバ。
そうの噂をネジとリーは聞いたことがあるという。

「ガイ先生から聞いたことがあります。なんでも女の天使が落ちてきて、カカシ先生が監視役だとか・・。」

「へ・・。」

「監視役?」


ナルトはそんな事、一度も聞いていないと怒る。
サクラはある期間この世界にいなくてはいけない。
火影も快く受け入れてくれたのを、ナルトは覚えている。

「そんな火影のじいちゃんは・・。」

「建前は、ゆっくりしていってください。で、本音はいつでもどこでもヘタなマネをしたら・・・ってことだろうな。」

ネジは木の葉の考えている事が、手に取るようにわかる。

「サクラさんて、今どこで暮らしてるんですか?」

「・・・サスケの家。」


「なんですってー!!」


思い人の家に、異性が転がり込んでいるのを黙っていられないいのは、サクラに文句を言うために、
周りの人を押しのけて行ってしまった。


「どうするんだってばよ?」

「いのがああなっちゃ、俺にも止められねぇよ。めんどくせぇ・・。」


早く時間が来て欲しい。
ナルトとシカマルは説に祈った。










「ちょっと、アンタサスケ君から離れなさいよ!」

「え・・あ、貴女さっきの。自己紹介まだだったね。私はサクラ・ハルノ。ガブリエ・・

「そんなのドウだっていいわよ!天使様だか、なんだか知らないけどサスケ君はあたしのモノなんだからー!!」


「・・・・そうなの?サスケ君?」


「俺は、誰の物でもない。」



そんな、サスケ君〜。」




いのとサクラのやり取りの中、各ゲートの配置指示が出た。






















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