めぐり行く想い  1



「ありがとう、、。」


それが、、サクラに残したサスケの最後の言葉、、


待って、、

行かないで!!

サスケ君!!





「はあはあ、、、」



サクラはまたあの時の夢で目が覚めた。
サスケが里抜けのとき引きとめた夢。
いやだった。サスケが大蛇丸に変貌していく夢、、。
もう、毎日毎日、、、。
こんな夢が続くおかげで寝不足、、見るからにサクラはやつれていた。


「サクラちゃんごめんてばよ。」

シカマル達がサスケを連れ戻す任務は 失敗に終わった。
四人衆の力は想像を絶するほどで歯が立たなかった。
後で、木の葉あの上忍二人の重傷を負ったって事を聞かされた。
逃げなきゃこっちがやられていた。
それほど四人は強かった。

「ううん、、みんなの命には代えられないよ。」
だからサクラも言い返さなかった。
ナルトも怪我をしていたし、何か言ってもサスケが戻ってくることは無いのだから、、

「サクラちゃん、、なんか顔色悪いよ?」
「えっ?そう?」
「あんまり無理しない方がいいってばよ。」
「そうだね、、ありがとう。」

今は、ナルトの優しい心遣いを素直に受け止めた。
暫くしてサクラはナルトと分かれて家に帰っていった。












がらんとした自分の部屋。
机の上には昔、自分作った7班のマスコットがおいてある。
サクラはサスケの人形をとって抱きしめた。
「、、、、、、。」
言葉も無い。
ただ、抱きしめるだけ涙も無い。
寂しさを紛らわすように刹那的な温もりを思い出す。



あの時、、、中忍試験での手の暖かさ、後ろから抱擁したとき、引き止めるときの首の手の感触、、、
あのまま、、、永遠に残ってしまえば良かったのに
そうしたらいつでもサスケ君を感じられるのに
痕が残ってれば良かったのに、、、、


叶わぬ願いなのに願わずにはいられない




早く戻ってきてよ、、、サスケ君




そう祈らずにはいられない、、、、







ただ、部屋に閉じこもってそんなことを思ってばかり
コレじゃ駄目なのに
先に進めない、、、
サスケが居なければ自分は何もできないのだ。
思い知らされる。
自分がどれほどサスケが好きなのか、、
「あの時、、あそこまで言っちゃったもんね無理ないか、、」



好きで好きでたまらない

幸せにしてあげる

後悔させないから

楽しくしてあげるから



「女が男にプロポーズ、、ふふふ、変なの。」


サクラはくすくす笑った。
可笑しい
自分で何をやってるんだか滑稽で仕方なかった。
道化のように、、きっと心の中で笑っていたのだろうサスケは、、、


「ホント、、馬鹿だね私、、」




可笑しくて笑ってしまう。
自分だってそうなのだからきっと相手も笑ってる。



「あはははは、、」


泣きながらサクラは笑った。


「ははは、、、〜うう、、っう」




同時に涙も出る。





こんな生活が幾日か過ぎていった。

外には一歩も出ないで、部屋に引き篭ってうずくまって、、部屋の中暗くして

ただただ、、、ボーっと一日を過ごしている自分が居る



我ながら情けなかった。
いのも来てくれたが会いたくないの一点張りで追い返してしまった。



サクラには今、他人を見れるほど余裕が無かった。




ベッドに寝っころがってだらだらして泣いて、、思って祈って、、その繰り返し
ご飯なんて食べてもいなかった。



サクラはすっかり痩せ細ってしまった。


それを見かねた両親は、綱手にサクラを見てもらうようにお願いした。



案の定、綱手と一緒にナルトも居る。



「ナルト、、綱手様、、」

「サクラ、、ちょっと話がしたい。いいな?」

「、、、、、。」

サクラには何の話すことなんて無かったが火影に逆らうこともできず、うなずいた。
「ナルトお前は暫く席をはずしな!」
「えー!!」
「早くしろ、、」
「ちぇっ!」



しぶしぶナルトはサクラの部屋から出て行った。




「サクラ、、お前は何も話さなくていい、、私の話だけ聞いてればいい、、。」
「はい。」






綱手はサクラに語り始めた。












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