めぐり行く想い  2



サクラは静かに綱手の話を聴き始めた。

「愛している者を失った悲しみは私にも痛いほどわかる。」
「綱手様、、。」


サクラはベットの上に座って綱手は椅子の上に座った。




「私にも昔、、大切な人がた、、。縄樹とダンといってな、、」
綱手は自分の過去について話し始めた。
それは今となっては、シズネとナルト、自来也など数少ない人物だけが知っている。

「縄樹は弟でな、、年は、、、当時はお前達と同じぐらいで、、ナルトに凄いそっくりだったんだよ。
 夢まで、、火影になるって、、言っててさ、、」
「、、本当ですか、、?」
「ああ、、本当だ。写真あるぞ。」
綱手は、縄樹の写真をサクラに見せた。

「あはは!本当だでも、縄樹さんの方がカッコいいですよ。そちらの方は?」
サクラが指を刺したのは、綱手、ダン、縄樹の三人写った写真だった。
「ああ、それがダンでいってな、、私の大切な人、、。」
綱手の顔は何か憂いを帯びていた。



「任務でね、、殉職したの、、その時私も一緒でね、、致命傷で助けられなかったの、、。」
綱手の瞳から涙が出てくる。
「綱手様、、。」
「だから、、お前の気持ちは良くわかる。だけどな、お前の大切な人はまだ生きている。」
「でも、、、」
「、、生きているからまだ間に合う。それに必死に縋りついてもいいんじゃないか?」
「私は、、、」


本当は縋りつきたかった。
それで、サスケを取り戻せるならいくらでもやった。
しかし、もうサスケの心を動かせるものはもう居ない。


「私では、、私でも、、、」
「もっと自信を持ちなよ。」

綱手はサクラの目線にあわせて座った。
「私が思うに、あいつはお前のことちゃんと何らかの形で好意を持っているはずだ。」
「どうして、、そう思えるんですか?」



「お前の見るあいつの目は他の人とは違う。」
「でも、、、」
「瞳が声が優しいんだ。何故気づかない?」
「、、、、、」



「好きならいいじゃないか?諦めるな、、好きでいいんだ無理に忘れようとするな。」
「、、、、」

さっきからサクラはずっと黙ったままだった。


「お前が黙ってるって言うのはもう、あいつのことはもう諦めるということととっていいんだな?」



「ちが!!」



黙ったままだったサクラが立ち上がった。


「、、違う、、私は、、私は、、サスケ君のことが好き、、好きで、、、大好きで、、、」

自然と涙

「大好きで、、、たまらなくて、、、自分でもどうしたらいいかわからない、、。」

「そう。」

サクラの本音に綱手は耳を傾けた。
サクラは次々と言葉をつむぐ


「“好き”という気持ちに縋ることしかできない。サスケ君は私の事どう思ってるかわからない、、、
 でも私は好き、、。きっとこの気持ちは変わらない、、仲間とも思われてないかもしれない、、」


ぐすぐすと鼻をぐずらせながらサクラは一生懸命伝えた。
コレが私の本心なのだと、、、


「それでもいい、、それでもいいから、、、ここに居て欲しかった。大蛇丸のような恐ろしくなっていく
 別人のようなサスケ君は、、、見たくない。怖いの私、、サスケ君がサスケ君で無くなっちゃいそうで、、
 だから、、苦しんで欲しくないの、、もう、、サスケ君を苦しみから解放してあげたい、、でも、、
 もう、、私じゃ、、」

「その言葉で十分だ。」
「えっ?」

「好きなら好きでいいじゃないか。大事なのは気持ちだろ?その心があればいいんだ。
 お前のその気持ちがあいつを和らいであげてるんだよ。それがお前の本音、、。」


あまりに唐突でサクラの顔はキョトンとしていた。



「好きなんだろ、、」
「はい、、」
「愛してるんだろ?」
「、、、、はい」

「私も今でもダンの事愛してる。お前と同じなんだよ。」
「綱手さ、、うう、、、〜、、」
「辛いだろうね、、これから、、頑張りな、、、」




もしかしたら、サクラは今迄で一番大泣きしたのかもしれない。
綱手はサクラが泣き止むまで抱きしめてあげた。
サクラは大粒の涙をたくさん流して声が枯れるまで泣いた。


















「少しは落ち着いたか?」
「はい、、、スミマセン。」



時間は綱手が来てだいぶ過ぎていた。
もう、2時間以上たっていた。

「このぶんじゃ、ナルトも帰ったな、、さっき外で自来也を見たしな。」
「そうですか、、」

ナルトにはこんな長時間黙って待つのは無理だろう。
二人はくすくすと笑った。



「さて、、外に出るぞ、、」
「えっ?」

「暫く引きこもってたろ、、。それに、、、どうやら7班は、、」
「7班は、、」
「第2の三忍らしいからな、、」
「へぅ?」


「思ってもみろ、ナルトは自来也が付いてるだろ?サスケは大蛇丸の所に行っちまったし、、
 残るは、私とお前、、」
そういわれてみればそうかも知れない
サクラは妙に納得した。
「それに、ナルトやカカシから聞いたがお前、チャクラのコントロール上手いらしいからな。」

「は、、はあ、、」


とんとん拍子に進んサクラは頭がついて行かない。
どうやら、綱手の話の要約は

「つまり私は綱手様の元で修行することになるってことですか?」
「そういうことになるな。丁度良かったよ、後継者が欲しかった。お前なら申し分ない。」
「、、、、はい、、、」



なんか大変な事になった気がする。



「同じ、女同士なんだから溜め込むな。辛かったら言え。素直に、、、。」
「ありがとうございます。」




そうか、、簡単なことだったんだ。
気持ちを押さえ込む必要なんて無かったんだ。

少し楽になった。
くよくよしていたのが嘘みたいだった。


「サクラ、覚悟しな!明日から修行だからな!」
「はい!!」




サスケ君、、、私まだ貴方の事好きでいいんだよね?







 
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