めぐり行く想い    4



「コレでよしとしよう。今日はここまでだ。」
「ありがとうございます。」
サクラは今日一日の課題を負えてひと段落した。
「サクラお前はチャクラのコントロールが上手いからコツをつかむのが早い。」


あれから一週間サクラは綱手のもので修行を見てもらっていた。
綱手直伝の医療術も教えてもらっている。
チャクラのコントロールはもともと上手かったので怪我などの治療はすぐにマスターした。
他にも医療知識・幻術での意識の戻し方
ただ怪我を治すだけではない。思ったほど厳しかった。

でも、それが自分の血となり肉となる。サクラは嬉しかった。
「ありがとうございました。」



コレでいいんだ。これで、、、。
サクラは家に帰るなり7班の写真を見る。
「ただいまサスケ君。」

写真にそっと唇を寄せた。































−−−−サスケ君−−−−
誰だ、、
−−−−いかないで!!−−−−
−−−−お願いだからここにいて!!−−−−


サクラ、、、?

−−−−大声出してでもとめる!!−−−−

やめろ

サクラ、、、



ありがとう








「!!!!」

「やっとお目覚めねサスケ君、、、。」

「、、、、ここは、、」
「音の里よ、、、サスケ君。」
サスケは自分が醒心丸を飲んだときで記憶がとまっている。
「大蛇丸、、。」
「ようこそ、、、音の里へ来ると思ったわ、、必ずね」

大蛇丸は不気味な笑みを浮かべて不敵に笑った。

「そうか、、。」
サスケは自分でも驚くほど冷静で大蛇丸の言葉を素直に聞いた。






もう、居心地のよかった生活には戻れない。
あの笑顔ももう見れない。
楽しく仲間と任務をやってきた、、サクラの言うとおり楽しかった。

もう戻らない
戻れない



自分から捨ててしまったのだから

「まだ、、目覚めだけに落ち着かないんじゃない?」
「ああ、、。」
大蛇丸の言葉に現実に引き戻された。
自分は今音の忍なのだ。



「今日は一日ゆっくり休みなさい。詳しいことは明日話してあげるわ、、。」


大蛇丸は部屋を出て行った。
入れ替わりに誰か入ってきた。
「やあ。サスケ君本当に来るなんて思って無かったよ。」
「お前は!!」
「久しぶりだね。」
薬師カブト。
カブトはもともと音のスパイだった。
それを知るのは木の葉の上層部だけだった。
「なんで、、、」
「僕は音のスパイだったのさ。大蛇丸様の右腕みたいなもんさ。」
「、、、、、。」


サスケは中忍試験での時の違和感がいまようやく納得したような気がした。
ずっと、、見張られていたのだ。
自分の力を隠して“たいした事無い奴”と思わせて欺けていたのだった。
「僕はサスケ君はこないと思ってたのに残念だね。」
「いいのか?そんな事いっても。」
「大蛇丸様は自分の想いどうりに動いて同じ考え方をするような者はつまらないと考えてる人だしね」
「まるで、俺がここへ来るのを歓迎してないみたいだな。」
「ああ。そうだよ。」

「!!」

「きっと君はここを抜けて木の葉へ帰っていくと思うからね。」

「、、、、。」




痛いところを突かれたのかもしれない。
「きっと君は遅かれ早かれ目的を果たしたら木の葉へかえるだろうね。」


カブトの顔つきが変わった。
きっとコレが薬師カブトの本当の顔なのだろう。
サスケは少し恐怖を感じた。

「さあな、、、。」

サスケは答えをはぐらかした。
「まあ、、、別にいいけどね。僕には何のメリットもデメリットもないし、、。」




カブトは立ち上がって部屋を出て行った。
「またね。サスケ君、、。」
食えない男だ。



「はははは。」

サスケはやっと実感した。
木の葉を捨てた事に、、。
まるであのときが夢なんじゃないかって思ってたが、、やはり本当なのだ。

あのときの夜も覚えてる。


まさかサクラが居るなんて思ってなかった、、、。
いや、予感はしていた。
もしかしたら、、、居るんじゃないかって、、


『いつもここに、、、』


一体サクラはどんな思いであの道に居たのだろう?
目が腫れていた。
きっと、毎日、、毎日あそこで夜を明かしていたのだ。
夜遅く、危険を顧みずにただ、、ただサスケが来ないことをひたすら願っていたに違いない。

「、、、、、、」

言葉が出ない。
サクラにいってやった言葉が今でも残ってる。


-----ありがとう-----


コレはまぎれもなく本音だった。
何時もいつもサクラに助けられたばかり小さなお礼。


「サクラ、、、。」





-----------いかないで!!  ここに居て!!------------


-----------ああ、、、俺だって本当は、、、、、、------------


-----------サスケ君------------


-----------本当はこんな事はしたくなかった---------------


-----------好きで好きでたまらないの!!--------------


-----------俺もだよって言ったらお前は、、、一体どうしただろうな-------------




「サクラ、、、、ごめん」


サスケは誰にも聞こえないようにつぶやいた。







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