めぐり行く想い   7


久しぶりの再会だった。
敵同士での再会


「サクラ・・・」
「サスケ君・・・」


周りには誰もいない二人だけ・・・・・


「今の・・死体・・・」
「やったのは俺だ。」

静まり返る。

「大蛇丸に木の葉の人間50人殺して来いといわれた。老若男女問わず・・・」
サスケの表情はよく見えない。
「今、俺は試されてる。邪魔をするな。」
「サスケ君・・・・」
「こうしないと力がもらえない・・」
サスケは目先の与えてくれる力だけに視界が見えなくなってる。
「やめてよ・・・帰ってきてよ・・サスケ君・・」


「もう、あと最後の一人なんだ・・」
つまり49人殺している。
木の葉の上忍も暗部も動いているからすぐここも見つかる。
「最後の一人はそうだな・・・」


サスケが一歩サクラに近づいた。
サクラはサスケの意図が読めた。
おそらく自分を最後の50人目にしようと思っているのだろう。
でも逃げるわけにはいかなかった。
「サクラ・・お前にしようか・・・・」
「!!」

サクラだって言いなりになるわけにもいかずサスケを警戒した。
だが、自分の想い人と戦えるはずもなく距離をとるだけ。
「逃げないのか?俺はお前を殺そうとしているのに・・・」
「・・・・・だったらサスケ君はどうしてそんなモタモタしているの?」



その言葉にサスケは癪にさわり瞬時にサクラを木に押さえつけた。
「ぐう!!」
「・・・・・なら、お望みどおり殺してやるよ」
「うう!!」
首を絞められる。
苦しくて息が出来ない。
サクラは抵抗しようにも酸素が足りなく力が入らない。

「ああ・・・ん・・サスケ・・クン・・」
なおもサスケを呼び続けた。
「・・・・・・・」
サスケの力ならすぐに殺す事も出来るのになかなか殺さない。
わざとなのか?
それとも・・・殺せないのか・・・
「・・・・っ・・・」



突然サクラは抵抗するのをやめた。
サクラ自身の賭けだった。
このまま殺すか殺さないか・・・・・
目を閉じてサスケの行動を待っていた。




「・・・・くそ!!・・・」
サスケはサクラの首をつかんでいた手をとり消えていった。
「サスケ君・・・・」
目を開けたサクラは座り込んだ。


「サクラちゃん!!大丈夫?」
「ナルト・・」
ナルトとカカシがサクラを心配して探しに着てくれた。
サクラの顔は浮かない顔をしていた。
「サクラちゃん・・・」
「大丈夫今回のことはサスケ君が首謀者だってことは知ってるから。」
「サクラ火影様に帰れといわれてたけど帰らなかったんだね。」
サクラのためを思っていった事だったが意味は無かった。
帰る途中できっと詳しいことが耳に入ったのだろう。
カカシはサクラに投げかける言葉が見つからなかった。

「さっきサスケ君と会った。」
「「!!」」
「私のこと殺そうとしたの」
「サスケが?」
ナルトは信じられないような顔でサクラを見た。
「本当。でも結局殺さなかった。舌打ちして帰っちゃった。」




「「・・・・・・・・・」」



「帰ろうか・・サクラ。」
「ウン」
「この後、きっと後始末が残ってるから・・・。」
「サスケ君大蛇丸に老若男女問わず50人殺してこいっていわれたんだって・・」
サクラの瞳から涙が出た。
「そしたら・・・最後の50人目はお前にしてやるよって・・・」
「サクラ・・・」
「サクラちゃん・・」
よく見るとサクラの首に手の跡が残ってた。
サスケが絞め殺そうとしていたのは一目瞭然だった。



「そうか・・・でもサクラを殺さなかったのならまだサスケはサクラの事忘れてない事だから。」
カカシはサクラの頭を子供をあやすように撫でた。
「うん・・・。」
「さあ。帰ろう」

サクラ、ナルト、カカシは森を後にした。














その後、サスケは適当に人を見つけて最後の一人を殺し音に帰っていった。
もやもやしたままの気持ちを残して・・・

「あははは・・木の葉の奴ら仰天してたな。」
「全く一人も守れないなんてたいした事無いな木の葉は・・・」
「それにしてもサスケ様こんな短時間で50人やるなんてさすがだな」
「・・・・・」
サスケに返事は無かった。
「サスケ様?」
左近が呼びかけた。
「たいした事無い・・・」
揺れている感情を押し殺してどすの効いた声で言った。
「そうでしたね。」


サスケはさっきのサクラのことを考えていた。
なぜ、途中から抵抗しなくなったのか?
いつも自分より他人のことを思うサクラ
きっと、自分が傷付かないためにしなかったに違いない。
「俺もまだまだだ・・・」
四人に聞こえないようにサスケはつぶやいた。




結局サクラを殺せなかったのだから・・・・・・。




サスケはまだ木の葉を捨て切れていない。




いや、大切な想いを捨てきれてない。



サクラへの想いを捨て切れていなかった




捨てずに残してある
今も肌身離さず持っている写真がその証拠に・・・・・・










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