,めぐり行く想い  10


暗闇の中でサスケは目が覚めた。
カブトにやられた傷はひりひり痛む。

「・・・・っ・・・。」

カブトの言った通りかもしれない
自分はここには来るべきではなかった?
そんなのは、どうだっていいそれより、ここはさっきカブトといた部屋だった。

拷問部屋というのか?
周りにはいろんな兵器や本で見たことある拷問器具があった。
ここから出たかったが、手足がまだ縛られていて身動きが取れない。
しかも、縄抜けのできない縛り方だった。

「くそ!!」






そういえば、サクラはいったい?
カブトが言い分ではやっぱり死んでないのか?
安心したのと悔しがった両方の自分がいた。
とりあえず、ここを出るには他人の力が必要だ。
それまで大人しくしてることにした。


















「これで、腕も傷は大丈夫だ。」
ナルトはすぐサクラを綱手の元へと連れて行き傷の手当てをお願いした。
「大丈夫?サクラちゃん?」
ナルトが心配そうにサクラを伺った。
「ナルト大丈夫よ。ありがとうナルトがこなかったら本当に殺されてたわ。」
サクラは泣くかと思ったが意外に冷静だった。
そんなサクラの態度にナルトは泣きたくなった。


あの時、本当にサクラが死んだのかと思った。
揺さぶっても、叩いても、サクラが起きなかったらどうしようかと思った。
「本当によかったってばよ・・・」
「やだな・・ナルトったら・・」

「しかし、うちはのガキも結構なことするな。私の可愛い弟子に・・」
綱手はため息をついた。
こう、ちょくちょく出入りをされると困る。
今、木の葉のほとんどの上忍は任務だ。
だから隙だらけで出入りしやすいこれが一番重要なのだ。

「次に攻められたら、木の葉は終わりだ。」

綱手は重い一言を述べた。


「「・・・・」」
それは、ここにいるナルトとサクラ他、接近でいた中忍たちにもわかっていた。




「次にいつくるかわからない、この前みたいにすぐ来るときもある。偵察部隊が必要だな・・」

「それ、、、俺がやっちゃだめ?」
綱手の独り言がナルトに聞こえた。
「ナルト・・お前これは暗部に頼むものだ!!」
「だって・・・」
「だってじゃない!!いくらお前でも危険すぎる!!」
「でも!!もしかしたらサスケの奴を説得できるかもしれない。サスケの奴・・・・・・今なら間に合うってばよ!!」
「・・・・・・・どちらかといえば説得するならナルトよりサクラ、お前になるな・・」
「えっ?」

綱手はサクラの顔をうかがった。
暗部に任せるとまた、木の葉の戦力は失ってしまう。
だからって、下忍に任せられるほど簡単な任務じゃない・・・
でも、今なら間に合うなら至急の任務だ。

「サクラ・・お前音の里にはいけるか・・・?」


決断のときかもしれない


下忍には危険すぎる
でも、これしか方法がないとしたら・・・
それに、今ならサスケを取り戻せるサスケの行動からでも伺える・・・




サクラはゆっくりうなずいた。
「いきます。行かせてください。」


まっすぐな瞳が綱手を射抜いた。
「よし!いい目だ。そうなだ・・・・。」

綱手は周りを見回して何人かの中忍を指差した。

「シカマル・イズモ・コテツ!!お前たちがついていってやれ。」
イズモとコテツはすぐに返したが
シカマルはめんどくさそうな顔して返事を返した。





「今から1時間で準備をしろ。情報がわからなくても一夜明けたら戻って来い。それで結果を報告して来い。」

「「「「「わかりました。」」」」」




























「で、その中身はいつになったら教えてくれるの?」
「それは、サスケ君に飲ませてからのお楽しみ。」
大蛇丸はカブトに見せてもらったビンの中の錠剤が気になった。



「大蛇丸様、お呼びですか?」

大蛇丸の部屋に多由也が入ってきた。
先ほど呼ばれていたのだった。

「用があるのは、僕なんだけどね・・」
「・・・・・・」


「これを、サスケ君に飲ませてほしいんだ。」
「別に、そんなモン飯と混ぜればいいじゃネエか!!そんなんで呼び出すんじゃネエ!!」


「まあまあ、話は最後まで聞いておくものだよ。」
「?」

「口移しで飲ませてほしいんだ。」
「!!」


多由也は目を見開いた。
カブトの目は真剣だった。

「コレはね・・他の薬とちょっと違うんだ。一種の淫剤みたいなものでね。異性が直接飲ませなきゃいけない。」
カブトは真剣だ。
さすがの多由也も頷かなくてはいけない・・。



カブトは多由也に薬をを何粒か渡した。

「よろしく頼むよ?それは惚れ薬の作用もあるからね・・・」

カブトは嫌味な笑みを浮かべた。
多由也は躊躇せず、もらうとすぐ駆け出して行ってしまった。




「どう思う?カブト?」
「そうですね。遅かれ早かれ飲ませますよ。彼女なら・・」
「それにしても、お前が作ってのならただの洗脳薬ではなさそうね。楽しみだわ・・・・。」





















「1時間だ。準備はできたか?」

木の葉の出口に5人がそろった。
「部隊は経験を活かしてイズモ・コテツが仕切ってくれ。」
「「わかりました。」」




そうして、ナルトたち5人は音の里へと偵察に向かった。


































サスケのいた拷問部屋からドアの開く音がした。
開けたのは多由也だった。

「お前か・・・」

「サスケ様・・・」

多由也はサスケが手足を動かすことができないことをいいことに迫っていった。
「・・・・・」
「何のまねだ?」
「別に・・飲んでもらいたいのもがあります。」
「また死ねというのか?」

「そうではありません。」
多由也はカブトからもらった薬を口に含んだ。
それをサスケの口にあわせて薬をサスケの口の中に入れた。


「んん・・・!!」

サスケはあまりの唐突に思わず飲んでしまった。
「何を飲ませた?!」
サスケの視界が遠くなる。


くそ・・・・頭が痛い・・・・・


ふと、頭の中で今までの記憶がよみがえってきた

何なんだ?これ?

今になってなぜ?こんなものが・・・



サスケ・・・
サスケ!!


サスケ君・・・



気が遠くなる・・・




ぼんやりと最後にサクラの声が聞こえたような気がした。




----------サスケ君----------



そのままサスケは、多由也の元へと倒れていった。
多由也はサスケを抱いたまま呆然としていた。








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