めぐり行く想い  11



「ここか?音隠れの里というのは・・・」
コテツは辺りを見回した。
「違いないだろう。さっきからなんか嫌なチャクラがうようよしている。」


「とりあえず、拠点を決めよう。解かりにくくて俺たちにはわかりやすいもの。」
イズモは続いてしゃべる。
「5人じゃ動きにくい。二手に分かれよう。」
「そうだな。じゃあ、シカマルと俺。ナルト・サクラ・コテツでいくぞ。」





「その必要はないよ?」

「「「「「!!!!!」」」」」

「久しぶりだね。ナルト君サクラ君。」
「「カブトさん!!」」


気がつけば見渡す限り音のしのびに囲まれていた。
「サスケ君を取り返しにきたのかい?残念だけど・・・もう手遅れだよ?サスケ君はもう立派な音の忍びになったんだから・・」

「うそよ!!」

サクラはカブトに向かっていった。
「サクラちゃん?」
「「「馬鹿!!よせ!!」」」
カブトはサクラを簡単にあしらうと首筋にクナイを向けた。
「動くと、サクラ君の命はないよ?」

不適に見せる微笑。
4人は動けない。


サクラは思いっきりカブトの手をかんだ。
「・・・・っ!!」
サクラは離れて暴れだす。
「みんな!!場所を変えて!!私は大丈夫だから!!」
「サクラちゃん!!」
「おい!!ナルト行くぞ!!」
シカマルはナルトを連れて行こうとするが、ナルトは動かない。
「こうなたら・・・」
コテツはナルトを抱えて移動した。

「ああ!!放せ!!サクラちゃん!!」













「随分と暴れてくれたね。」
サクラの攻撃を侮っていた数人の音忍は怪我を負った。
「サスケ君はどこ?」
「くれば解かるよ。まっ今は無理だろうけどね。」


「カブト様この小娘どういたしますか?」
「うーんじゃあ、牢にでも入れておいてくれる?」
「解かりました。」
















「なんでサクラちゃんを置いていったんだよ!!」
木の上で体制を4人は立て直していたが、ナルトはさっきの行動に納得がいっていない。
「仕方ねーだろ・・・・それに・・」
「それに・・」
シカマルは渋い顔して
「これは、俺の個人的意見に過ぎないがあの“カブト”ってやつがそう簡単にサクラを殺さないと思うんだよな。」
「サスケのこともあるしな。」
イズモが口を挟んだ。
「何にしても、春野サクラが切り札か・・早くしなきゃ・・」
「俺にいい考えがあるんだけど・・・」














音の隠れ家は薄気味悪いところだった。
まるで、どこかの物語に出てくるような雰囲気。

「ここでおとなしくしていろ!!」
サクラは牢屋に放り込まれる。
一人見張りがいて、他には誰もいない。
何とかしてここからぬけ出さなくちゃ!!

そのために幻術がある
ちゃんと修行しててよかった。
サクラは綱手に感謝した。

気づかれないように印を結んでいく。
よし、完璧!!

後は相手がかかってくれるのを待つのみ・・



(お願い効いて!!)



見張りのものは急に気絶して倒れた。
どうやら成功したらしい。
後は、鍵があれば・・・その見張りは鍵を持っていなかった。
「やっぱりね。そう簡単にいかないか・・・」


「!!!」
チャクラを具体化して出来ないだろうか・・・?
鍵穴に集中する。
早くしないと、誰かがこのチャクラに気づいてくるかもしれない。

カチャ

「あいた!!」


そのままサクラは牢から抜け出した。
幸運にも他の忍びたちはいなく戦闘にはならずにすんだ。
でも、静か過ぎるまるで舐められてるみたい・・・
ナルトたちと合流するために外へ向かおうとしたが、誰かが行く手を阻んだ。


「サスケ様はそこにはいないよ。」

女の声だ。
振りむくと髪の長い被り物をした音のくノ一がいる。
「貴女・・・」
「音の四人衆が一人、多由也。サスケ様の部下だ。」
まさかここで、戦闘になるとは・・・
「言っておくが、俺はお前みたいなよわっちい奴とするつもりはない。着いて来い。」
「????」
「はやくしろ。」

「え・・・あ・・・」

多由也はサクラの腕を引っ張ってどこかの部屋へと移動された。
そこは殺風景な部屋だった。
「そこのテーブルに座れ。」
サクラは仕方なく多由也の指示に従った。
「何が目的なの?」
「サスケ様に会いたいんだろ?あわせてやる。」
「・・・・」
気は抜けないそんなこと言っても
「本当だ、」
「何でそんなこと・・・」
「別に・・・気まぐれだ。」



会話が続かない




しばらくたった。
誰かがドアを開けた。



「多由也」
その人物は多由也の名前を呼んだ。
「・・・・・・」
聞き覚えのある声。
ずっと、待ち焦がれていた声だった。



「・・・じゃあな・・・私はコレまでだ。」

「ありがとう・・」

サクラは素直に多由也にお礼を言った。



サスケ君・・・




目が合った。
サクラは無我夢中でサスケに駆け寄った。



「会いたかった・・」

サクラはサスケに腕を回す。





「・・・・・・」









グシャ









一瞬何が起こったかわからなかった。
腕に痛みが走った。
血が床に垂れた。



「お前に“サスケ君”なんていわれる筋合いはネエ。誰だてめえ?」




いま、目の前に起こった出来事をサクラは信じたくなかった。












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