めぐり行く想い 13 「さっきも言ったろ。俺はお前なんて知らない。」 何を言われたのか解からなかった。 目の前にいるのはもう、サクラの知っているサスケではないのだ。 もうかえって来ないのか? 「サスケ君・・・?」 瞳から涙が溢れ出す。 「さっきの続きだ。死にな!!」 「!!!!」 バサっ サスケは風魔手裏剣をサクラに投げつけた。 今度こそもうだめと思ったが、誰かがサクラに覆いかぶさった。 サクラを抱き上げて着地をする。 「・・・・・・っ・・・・」 目を開くとナルトがサクラをかばって額に怪我をしていた。 風魔手裏剣はそのままブーメランのようにサスケの元へ帰ってきた。 「とんだ邪魔が入ったな。」 「ナルト・・・」 「サクラちゃん大丈夫?」 「・・・・・・・」 サクラはそのまま気を失った。 ナルトはサスケをキッとにらむ。 「サクラちゃんの腕の傷・・・やったのはお前か?」 「それがどうしかしたか?」 「お前!!絶対許さないってばよ!!」 「べつにお前に許してもらおうなんておもわねえ。」 「おやおや、ついに味方同士で争いごとですか?」 「カブトこうなることを知っててあの小娘を殺さなかったの?」 「ええ。きっとこうなるだろうと思ってね。」 遠くからその様子を大蛇丸とカブトが高みの見物をしていた。 「おい!!ナルト!サクラ!」 シカマルたちが追いついた。 「シカマル!サクラちゃんを頼むってばよ!!」 「ッてサスケ?」 「こいつ・・・完全に変わっちまってる。」 「そうか・・・」 シカマルはサクラを抱きかかえてイズモとコテツたちのところへ再び戻る。 これは最悪の展開になってしまった。 目の前ではナルトとサスケが戦っている いや、おそらくサスケはナルトを殺そうとしている。 だが、どうすることも出来ない。 シカマルは二人の戦いを見て思った。 「ん・・・・・」 「サクラ、目覚めたな・・」 「あ・・・・」 サクラの目の前では今・・・・・ 「てめえ!!ぜってえゆるさネエ!!」 「ふん!」 影分身の術を使ってサスケに向かっていくナルト それをあしらうサスケ あのときの病院のときと同じ・・ 「やめて・・・」 「どうしたサクラ・・」 「ナルト!!やめて!!」 「サクラちゃん!」 ふとナルトにサクラの声が届いてしまった。 一瞬動きが止まる。 サスケはそれを見逃すことなくナルトを致命傷へと追いやった。 サスケの放ったクナイがナルトのわき腹に突き刺さった。 「ぐ!!」 「さっきの勢いはどうしたんだよ?」 こぶしが腹部に思いっきり入った。 「かは!!」 吐血。 こうなってしまってはナルトが危ない。 「逃げるぞ!!」 「でも、どうやって?」 「「大丈夫、手は打ってある。」」 イズモとコテツは何か秘策があるうようだった。 「いいか?俺たちが少しの間サスケの気をひくその間にお前はナルトを担いであそこの木へと来い」 「サクラは?」 「サクラは俺が抱える。」 シカマルはサクラをコテツに渡す。 「「行くぞ!!」」 イズモはナルトとサスケの間に入り込んだ。 「てめえ邪魔スンナよ!!」 サスケは恐ろしくドスの聞いた声でいった。 「いまだ!!シカマル!!」 「あいよ!ナルト行くぞ!!」 「え?」 シカマルはナルトを肩に担ぎこんで向こうの木へと走り出す。 「それでは・・・」 イズモも消えていく。 「逃がすかよ!!」 「で?これからどうすんだ?」 「結界が張ってあるんだ。ここと木の葉の火影のところに・・」 「結界を通じて瞬時に木の葉へ帰る。」 「そうは、させないわよ?」 「・・僕もいるよ?」 大蛇丸とカブトだった。 「しかし、その結界が僕たちには手出しできないね?それ神聖なる力って感じのチャクラがにじみ出てる。」 「私たちが触れたら・・・即あの世いきね」 「!!」 シカマルがイズモとコテツを見た。 二人は何か呪文を唱えているようだった。 「おい!!待ちやがれ!!」 サスケが追いついた。 「待ちなさいサスケ君。あそこ結界が張ってあって私たちで入れないわ。」 「ちっ・・」 「ナルト!!ナルト!しっかりして!!」 「大丈夫だってばよサクラちゃん。」 思ったよりサスケから受けたナルトの傷は大きかった。 「ナルトォ・・・」 「泣かないでサクラちゃん・・・」 サクラは目の前にいるサスケを見た。 もう、あのサスケは自分の知っているサスケではない。 「「おい!!そろそろ術が発動するぞ!!」」 「ナルト!サクラつかまれ!!」 「させるか!!」 サスケは数本のクナイを投げつけたが弾き飛ばされた。 さっきからカブトも手は打っているがなんも役にも立たない。 「いくぞ!!」 「待ちやがれ!!」 サスケは5人に向かっていく。 結界の境界線より中に入ることが出来ない。 「サスケ君!!」 「馬鹿!!サクラ!!」 すさんだ目 自分を殺そうとした。 ナルトを殺そうとした。 もう、あのサスケ君じゃない。 「さようなら・・・・サスケ君・・」 サクラはサスケにそう囁いた。 それから5人は一瞬にして消えていった。 「大蛇丸様、あのまま行かせてよかったんですか?」 「いいのよ。今のサスケ君を木の葉の連中に知らしめるためね。」 「そうですか。さあ戻りましょう。サスケ君も・・・。」 「必ず殺してやる・・・あの女と・・・あの男も・・・!!」 サスケは不機嫌そうに言って去っていった。 「サクラ・・・・・一体何があったんだ?」 木の葉の上層部たちは帰ってきた5人を見て唖然とした。 ナルトとサクラは重症シカマルたちは何か口ごもってる。 綱手はさっきから泣きっぱなしのサクラを抱いていた。 「・・・・・・・・・・・・・たの・・・。」 「えっ?」 「・・・サスケ君・・・もう・・・戻ってこないよ。」 あたりは静まり返った。 |
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