切なさの行方   3





木の葉の里から数キロ離れたところ、森の中に結界が張ってある。
その中に、少し小さめな家らしきものが建っていた。
隠れ家なのだろう。
そのために分からないように結界が張ってあるのだ。





「どうするんですか?この娘?」
一番奥の二階の部屋。
一番大きな部屋の大きなベットの上にサクラは寝息を立てている。
サクラがイタチに連れ去られてから概に一週間がすぎていた。



イタチと鬼鮫は交互でサクラの様子を見ていた。
そのことについてはイタチがきりだした。



鬼鮫はイタチがなぜこのような行動を取るのか分からなかった。
だから、不意にこれからどうするのか口にしてしまった。



「、、、、、」
イタチはサクラを見たまま何も言わない、、、。
イタチの表情は後ろからなので見ることができなかった。



「鬼鮫、、、。」
イタチがゆっくり鬼鮫に問いだした。
声がいつもと違っていた。



「、、、もがいて、、苦しんでいる、、女の姿に、、、心を、、、奪われたことが、、あるか?」
「え?」



あまりの唐突な質問に鬼鮫は言葉が出なかった。
まさか、このような問いとは思ってもみなかったのだ。
(、、、まさか、、、まさかとは、、思うが、、、イタチさん、、、もしかして、、、、、)
「イタチさん、、まさかとは思いますが、もしかして、、」
「、、、、、そのまさかだ、、、、、」





鬼鮫の予想は見事にあった。思い当たることはいくつかあったのだ。
病院での視線、いきなり連れて帰ったり、傷の手当てをしたり、その後の様子を見たり、、、全てが腑に落ちる。





---------------------まさか、、、俺が弟と歳の変わらない少女に心を奪われるとはな、、、----------------------
イタチは小さく微笑んだ、、、そしてサクラの頬に優しく触れた。



サクラは安らかな眠りに包まれていた。

















それから、数日後
木の葉の里ではサクラの行方を探す部隊が作られた、、、。



「コレで目を覚ます。」
ロングヘアを二つで結った女性がはなった言葉。
周りには上忍達に囲まれて、その中心はサスケがいた。



「、、、ん、、う」
サスケが寝返りを打ったその時
「!!!」
サスケは目を覚ました。
おそらく、ナルトと自来也が無事’綱手’を連れてきたのだろう。
そして、サスケにかかった幻術を解いたのだ。さっきの女性が綱手なのだろう。



「、、、、、」
目が覚めたばかりのサスケはまだ状況が把握できていないのかキョロキョロしていた。
「、、、、。」
そして、右を向けば、、カカシ ナルト アスマ 紅 ガイ 自来也 綱手の七人が迎えていた。
だが、みんなあまりいい顔はしていなかった。



「サスケ。」
始めに沈黙を破ったのはカカシだった。
彼もサスケと同じ術にかかっていたが先に治してもらったようだ。



カカシは一本の刀をサスケに見せた。
「この刀に見覚えはないか?」
その刀には血がベットリとついている。見てて気持ち悪い。



サスケにはその刀に見覚えがあった。
その刀は、、、うちは一族が虐殺された時、兄イタチが持っていたものにソックリだった。
(まさか、、、イタチ、、、)
「それは!!イタチの!!!」
急にバッとサスケは身を乗り出した。
「まさか、、死んだのか?」
自分が寝ていた時に何があったのだろうか、、、。
「この血検査してみたんだ、、、。」
カカシは淡々とことの様子をサスケに説明し始めた。





「サクラの血だったんだ、、。」





--------!!!!!!!---------



「看護士さんの証言によるとサクラは毎日あんたの看病しに来てたんだよ。始めのほうはサクラがいないとあんた暴れるぐらいよ?
 それで、、ね、ここ一週間ちょっと前から急に来なくなったそうよ。家にも帰ってない。連絡もない。
 見つけた刀は指紋の検査をしたら、まさかね、、、、ってサスケが言うんだからやっぱりイタチなのね。」



紅が分かりやすく口を挟んだ。



「まっ!そういうことだ。 行方が分からない。いま捜索部隊がサクラを探してるんだが相手がイタチとなるとな、、、
 、、、それに刀を置いていったのはわざとだと思われる。 サクラは多分どこかに監禁されているはずだ、、、」




---------なんでサクラが、、、---------




サスケの思考回路がよく回らない。
そんな事いわれて’はいそうですか’って簡単に言える状況じゃない。




サスケは暫く黙ったままだった。













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