切なさの行方 5 「いいんですか?あんな事して!!」 イタチが帰ってきてから鬼鮫の放った第一声 「あんな娘半日も持たずに狂ってしまいますよ!!」 イタチがサクラに入れた部屋は半拷問に近い部屋だ 人間の五感全てが奪われる 普通の人間なら数時間で狂ってしまうだろう しかし、鍛錬な忍や長ならまだ大丈夫だが未熟な下忍、ましてやサクラみたいな少女には 数時間も持たずに暗闇に負けて己を見失うだろう 鬼鮫はイタチが何を考えているのかよくわからない 勝手に連れてきて、看病して、逃げ出したら監禁 本当にこの少女が気になっているとは到底思えなかった。 サクラはそんな事、夢にも思ってないだろ。 思うことはサスケのことばかりだった。 一方、イタチは怪訝そうな顔つきでイラ付いているかと思えば、顔を伏せて押黙る 鬼鮫同様イタチもサクラのことが気になってきた 前に一度だけある男をあの部屋に入れた事があった。 次の日には、狂っていてまともに話すこともできずに奇声を放つだけだった。 また、あの少女もあの男と同じに、、、、 「、、、、、、、」 イタチは小さく舌打をした後、サクラを閉じ込めた部屋のほうへ向かった 急いで扉を開けるとサクラは震えていた 涙を流して、おびえた目でイタチを見ていた イタチはサクラの戒めを解いた 「、、ふぇ、、う、、、、」 それでもサクラは泣き止まなかった 「すまなかった」 イタチはただ泣くサクラにその一言を言ってそっと抱きしめた 温もりに安心したのかサクラは震えながらイタチの背中を掴んで弱弱しくすすり泣いた。 サクラが泣き止むまでイタチはそっとサクラを抱きしめたままだった そんな二人の光景を鬼鮫は後ろから見守っていた -----------------全く不器用な人ですね------------------- 無理もないかもしれない サクラはまだ無垢という言葉の似合う子供で イタチは大人びてはいるがまだ青少年なのだ 二人とも余裕のある大人ではないのだ この事があってからイタチはサクラに優しくなった 優しい顔、優しい目、時に微笑んでくれる だからサクラも微笑み返す 逃げることも止めた なんでかは分からなかったが逃げたくなかった 毎日部屋の中でおとなしくイタチと鬼鮫の帰りを待っていた。 「サクラ、、、」 イタチはそれだけ言ってサクラに箱を渡した 可愛くラッピングされている箱だ 「、、、????」 空けて見ると真っ白なワンピースが出てきた 「わあ、、、」 「、、、、前に服を破いたからな、、、、」 そういってイタチは自分の部屋へと帰っていった。 実際着てみると、サクラの白い肌によく映えて綺麗だった それから、イタチは帰ってきてからサクラに土産を渡すようになった 洋服だったり、アクセサリー、ぬいぐるみ、、、 どれもサクラの好みのばかりで素直にサクラは貰う度に喜んだ それを見てイタチも優しそうな顔をしている 部屋にいる間サクラは、もらった服を着たりアクセサリーを身につけてみたりしていた 一体、どんな顔してコレを買っているのか少し気になったが 「サクラ、、、土産だ、、」 「ありがとう」 何よりもイタチの心遣いがとても嬉しかった |
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