切なさの行方   6



夜になるとイタチは決まってサクラの部屋に訪れる
そしてサクラが膝枕をする
すると決まって

「唄え」

この一言
サクラがが話すことは許されない。
イタチに聞かれた質問の回答のみ話すことができる他は唄うことしかできなかった

「病院で君の唄を聴いていた。これからも唄って欲しい」

前にイタチが言った言葉
それから
、サクラはイタチの為に毎晩歌う
唄は、よくサスケを落ち着かせるのに唄っていた唄だ




唄い終わるとイタチは寝ている
そしてサクラも眠りにつく
そして今度はイタチが腕枕をして寝るのだ














「、、、、、、、、。」
サクラは時々唄い終わると泣いていた
みんなのことを思い出して寂しくなる
イタチに優しくされてもそれでも寂しい
イタチがこのことに気付くのにそれほど時間がかからなかった

「寂しいのか?」

イタチがサクラの涙を唇でぬぐった
そして落ち着くまで抱きしめてくれる
本当に優しすぎるぐらい優しかった




お互い黙ったまま
キスもする
それ以上のこともあったが触れ合うだけ
嫌じゃなかったどうしてなんだろう

「抵抗しないのか?」
「ふ、、、ん、、」



「、、、、っ、、、あ、、」
イタチの唇がサクラの胸元から腹部へと流れていく
毎日のようにイタチはサクラに触れてくるが結局何もない
体にキスをするだけで何もしない

サクラは抵抗しない大人しくされるがままになっていた
首や肩、胸元体中にたくさんの赤い花弁が散っていった
















何で抵抗しないのだろう
サクラはサスケが好きなはずだった
この気持ちは今も変わらない







しかし、イタチが自分といるときの見せる寂しそうな瞳がサスケに似ているのだ
それが焼きついて離れない
そらせない


イタチの顔を見ていると時々どうすれば良いか分からなくなる
夜のイタチの顔は決まって傷ついたような、寂しげで、、、切ない、、、






サクラから見てもイタチの顔は苦しそうで
見ているこっちが胸が痛くなるぐらい切なそうな顔をイタチはするのだ





「サクラ、、、」





そういって今夜もイタチはサクラの部屋に訪れて

「唄え」


またサクラの体にキスをする




サクラはイタチの顔を見るたび胸が苦しくなる
痛みを伴いながら
「、、、っつあ、、、あ、、」

今夜もキスの雨はサクラに降り注ぐ







  
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